スーパーの業務改善入門
2016年08月08日
1年で、トマトの売上を3倍に!
コンサルティング開始後、14ヶ月目に、トマトの売上を3倍にした、クライアントがいます。
トマトの売上高は、野菜部門の売上高の10%程度を占め、年間ダントツ1位です。
弊社のクライアントが叩き出した実績。それを実現したマーケティング手法を簡単にご説明します。
2015年、7月の実績(前年同月比)が、金額ベース 182.1%、数量ベース 141.1%
2016年、7月の実績( 〃 )が、金額ベース 166.9%、数量ベース 181.3%
と、なっています。
ですから、2014年の7月の売上高に対して、2016年、7月の実績は、実に、303.9%と言うことになります。
野菜部門の売上高も、120%に近づく勢いです。
なぜトマトなのか?
先ほど申し上げたとおり、トマトの売上高は、野菜部門の10%程度を占めます。
月によっては、それ以上となり、特に、春先から秋にかけては、伸びが大きくなります。
算数が少し得意な人は、ピンとくると思いますが、売上高構成比の高いものの、売上をアップすれば、カテゴリー全体の売上を大きく押し上げてくれることになります。
ちなみに、トマトの売上高が野菜の10%を占めているとして、それが150%の伸びになると、野菜全体の売上は、105%になるということです。
売上が高いということは、お客の支持が高いと言うことにもなります。
特に、トマトはリコピンなどの体に良い栄養素を多く含み、世界的にも支持されている野菜です。
お客の支持の高いものを売り、店も売上を伸ばす。正しい、無理のないWin-Winの関係です。
マーケティング的に、最高の関係です。
そして、販売戦略上も、サラダやパスタ、煮物料理と応用範囲が広いトマトは、サラダ関連の野菜や調味料など、お店全体での関連購買が大いに期待できるのです。
結果として、客単価もアップすることが期待できます。
巷では、大した売上貢献のないものを『重点商品』と言って、販売に力を入れている店舗も見かけますが、ハッキリ言って的外れです。単なる、短期のシーゾナルの売り込み商品で、部門に対する長期の売上貢献は少ないと言えます。
先ずは、期間で売上高の高いもの、出来るだけトップの商品群を『重点商品』に設定して、取り組む方が、生産性の意味からも効果的でしょう。
原理原則を学べば、意外に簡単に売上は上がる
このように、売上の伸びも大きいのですが、それ以上に大きいのが粗利益額の伸びです。
粗利益が拡大すれば、営業利益も拡大するのですが、対競合店対策として、他の商品を値下げして販売することも可能となります。
私は、基本的に、目先の売り上げを追うことはさせません、
小手先の手法は、一時的な効果しか期待できませんし、下手をすれば、粗利益率を落としてしまうことや、作業だけが増えて、投入人時数を増やしてしまうことも少なくありません。要注意です。
このトマトの場合の売り上げの伸びは、短期的なものではありません。
確実に顧客の支持を得て、年単位で中長期的に、業績を向上しているのです。
各地でコンサルティングを行っている以上、全てをお教えすることは出来ませんが、ノウハウの一部分だけをお教えします。
それは、『売り場づくりの4P』です。
1.商品(製品)、テーマ(Product)・・・何を売るか?
2.展開場所(Place)・・・・・・・・・・どこで売るのか?
3.販促活動(Promotion)・・・・・・・・どのように売るのか?
4.価格(Price)・・・・・・・・・・・・いくらで売るのか?
これを、科学的に、顧客心理を深く考えて、安売りをしないで売っていくのです。
私のクライアントは、その基本、原理原則を忠実にやってもらっています。
目先の売り上げを追う小手先のノウハウは、一時的なものでしかありません。
ノウホハイ(なぜ、どのように・・・)をしっかり理解していれば、応用を効かせられます。
そして、長期的に効果を継続に出すことができます。