スーパーの営業戦略入門

2019年06月02日

売上を追わない、ビジネスの仕方⁉

前年比と言うと、ほとんどの経営者や幹部の人は、売上のことを言います。

しかし、売上高は、経営指標の一つでしかありません。ある意味、儲けとは関係しません。
損益表を見れば、それは明らかです。
ビジネスとして、そして、戦略として、もっと粗利益に注力すべきです。

私は、自分のビジネスにおいても、クライアントのビジネスにおいても、常に粗利益高にフォーカスしています。
目先の売上を追ってしまうと、営業利益に繋がらないばかりか、赤字になってしまうことも少なくないからです。


■ あなたの商品を、『お客が浴する』ようにすること

粗利益高にフォーカスするということは、暴利をむさぼるということではありません。

全く逆で、お客が「あなたの商品(サービス)を、お客が浴するようにすること」を考えて、商売をするということです。
そうすれば、十分に値入れを確保した、売価を設定することが出来ます。

そのためには、粗利益を拡大すると言う、目的を持ったバイイング(商品開発)やマーケティング(売れる仕掛けづくり)に、戦略的に取り組むことが求められます。


■ 業界標準など、何の役にも立たない

スーパーマーケットでは、「鮮魚部門の粗利益率は27~28%ぐらい」というような、業界の常識的な値があります。
しかし、これって、気休めでしかなく、全く何の根拠も無いものです。

売上規模も、地域も、競合状況も、経費率も、人時生産性も、そもそも、戦略も(ない場合も多いが…)違うのですから、必然的に粗利益率も違って当たり前なのに、です。

「あなたのところもそうか…。うちも似たようなものだ…。」と、一時的に自分に言い聞かす。のです。
しかし、経費率が、高いか低いかで、本質は全く違うのです。

正しく数字の意味を理解することが出来なければなりません。特に、経営者や幹部であれば絶対的なことです。


■価値⇒粗利益

グロサリーのナショナルブランド商品の様に、相対的に価格を比べるものは、なんの工夫もない売り方であれば、値入れを高くすることは出来ないでしょう。

一方、生鮮品や惣菜は、独自性を発揮しやすい商品を持つ(開発できる)部門です。
値入れ幅を拡大するためには、価値ある商品を、価値あるタイミングで提供して、価値情報を発信して伝える努力をするべきです。

更に、ストーリー(情緒的価値)を語るなど、実践的なマーケティングのスキルを十分に発揮します。

そうすることによって、ターゲット顧客は、価値を感じることとなり、納得して高い商品でも買ってくれます。


■ 粗利益の中から給料は払われる

損益表を見れば、解ることですが、基本的に従業員の給料は、稼いだ粗利益の中から支払われます。売上高の中からでは無いのです。

だから、個人個人の報酬をアップさせるためには、「粗利益高をいかに拡大させるか」は、会社の成長のためには、絶対条件であると言えます。 社員の募集、現社員の定着率にも、関係してくるとも言えます。


■ 粗利益追求経営にシフトする

「売上を上げれば何とかなる」時代は、とっくの昔に終わっています。

お客は、情報を豊富に持っていて、価値の無いものにはお金を払ってくれません。必要以上の量の買い物もしてくれません。

ということは、価格以外の『価値』に焦点を当てて、商品開発に力を入れるべきです。
そのためには、それを実現するためのオペレーションの仕組みを作ることが重要です。

今、売場で売っている商品でも、新たな使い方を提案することで、価値を見出すことも可能です。
今まで、物理的にも、付加価値的にも、売場に無かった商品であれば、それ自体がお客から見たら価値です。

価値を追及して、率、高ともに粗利益を拡大する仕事。
お客も社員も、『楽しい仕事』です。

※実践的なマーケテイング戦略については、サミットリテイリングセンターの掲載記事を参照して下さい。



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