スーパーの経営戦略入門
2025年08月06日
「最低賃金1,121円」時代に、沈むスーパー?浮かぶスーパー? —— 運命を分けるのは“生産性”のちがい⁉
「1000円の壁」をすべての都道府県が超え、最低賃金の全国平均が過去最大の6%引き上げられる。
2025年8月、日本の賃金構造がまた一歩、大きく変わりました。
このニュースを聞いて、あなたはどう感じたでしょうか?
「もう、これ以上は厳しい」
「これでは採算が取れない」
「また人件費が圧迫される…」
きっと多くの中小スーパーマーケットの経営者が、そんな胸の内を抱えておられることでしょう。
ですが、いま私たちが本当に見つめなければならないのは、
「賃金を上げられない苦しさ」ではなく、「生産性を上げきれていない現実」ではないでしょうか。
■人件費の高騰は“外圧”ではなく“警告”
最低賃金の引き上げは、政治的な圧力によって決まったものではありません。
記事にもある通り、労使は「データ」を重視し、冷静な議論を経て引き上げに合意しました。
背景にあるのは、物価の上昇、生活コストの上昇、そして国民全体の「暮らしを守ってほしい」という切実な声です。
つまりこれは、政府や経済界からの“圧力”ではなく、社会全体からの“警告”なのです。
そしてその警告は、私たち中小スーパーの経営にもはっきりと届いています。
「仕組みで戦う」体制を築こうとする経営者にとっては“転機”となるはずです。
■「人手不足」は本当に“人”が足りないのか?
採用難、離職率の高さ、人件費の増大……
これらはすべて「人に依存しすぎた経営」が引き起こしている結果です。
・現場任せの売場づくり
・属人的な発注
・無駄な棚替え、非効率な品出し
それぞれは、日常の風景ですが、それが1日数十時間、1人あたり数万円分の無駄を生み出しているのです。
最低賃金が上がっても、売上が上がらなければ経営は苦しくなる一方です。
だからこそ今こそ、「人件費をコストとみなす時代」から「人件費を投資と捉える経営」へシフトする必要があります。
■最低賃金上昇が直撃するのは“生産性が低い店舗”である
- 発注は経験と勘任せ
- 売場はスタッフのセンス頼り
- チラシやPOPは属人的で非効率
- 品出しや棚替えに時間がかかりすぎる
これらの店舗運営は、“人に依存する経営”であり、
人件費が上がれば上がるほど、利益が削られていく構造です。
逆に言えば、「人手がなくても、一定の成果が出る仕組み」があれば、
最低賃金の上昇も怖くはありません。
■生産性アップの第一歩は「売場の標準化」
では、何から手を付けるべきか?
答えはシンプルです。
「売場の型」をつくること。
- 売場づくりの4P(商品・価格・展開場所・販促企画)を設計する
- 作業改善でムダを無くし、誰でも再現できる標準化した仕組みにする
- 発注点や在庫基準など、データを可視化(見える化)して活用する
- チラシや販促は「手間をかける」でなく「仕組みで効果を出す」に変える
- 売上ではなく、営業利益にフォーカスする
このように現場のオペレーションを「誰がやっても同じ成果が出る」ように整えることが、
人手不足と人件費高騰に立ち向かう唯一の道です。
■未来を変えるのは「今」の決断
あなたの店は、最低賃金1,118円時代に耐えられる経営になっていますか?
・現場は“汗”で回していませんか?
・店長やパートが“頑張り”で乗り切っていませんか?
・これから先、さらに賃金は上がります。
・労働力はますます減ります。
・競合はより価格で攻めてきます。
でも、嘆く必要はありません。
「生産性を上げる力」は、今この瞬間から鍛えることができます。
「うちの会社でも、やればできる」
そう信じることが、明日の利益を生み出す第一歩です。
■「人手がない」より「仕組みがない」ことの方が致命的
今、多くのスーパー経営者が「人がいない」「採用できない」と嘆いています。
しかし本当の課題は、“人がいなくても回る仕組み”をつくれていないことにあるのです。
- 生産性を上げて利益を確保する
- 教育と標準化で業務を効率化する
- データを活用して販促と在庫を改善する
これらは、すぐにでも始められる“現実的な改善”です。
■最低賃金1,118円時代を、追い風に変えるために
今後も最低賃金は上がり続けることが予想されます。
この流れに飲まれるか、それとも流れに乗るか。
その分かれ道は、「生産性」を軸に据えた経営改革ができるかどうかにかかっています。
「うちの店も、やればできる」——そう信じて一歩を踏み出した店舗から、
着実に利益改善を果たしています。
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