スーパーの業務改善入門
2015年06月03日
成長できない会社の共通点
ある地方で、スーパーマーケット2社のコンサルティングを連日行った。
初日は、店舗運営全般の業務改善を指導しているローカル・チェーン企業。
2日目は、単独店で、青果部門を中心に改善指導をしている。
初日の企業は、基幹店舗の大型店(売上はガタイの割に高くない)の改装計画の相談。
2階層の1階、新規テナント数社を含むSMゾーンの大型改装計画である。
商品部長、店舗運営部長、開発部長、スーパーバイザー、各部バイヤー、店長・・・・と会社の主要メンバーが20人ほど揃っている。
私は事前に、お客様でもある女性従業員(テナントも含む)へのアンケートを依頼していた。
1.「あなたが、この○○店で直感的に快く感じることを教えてださい」
2.「 〃 、 〃 直感的に不快に感じることを教えてださい」
という、いたって簡単な、日頃感じていることを書いてもらうアンケートである。
店長から、それを仕分けして、項目ごとにまとめたものの発表があった。
開発部からは、平面図の提示があり、直営部分と新規テナントの配置が記されている。
商品部からは、各部門の取り組み計画(粗ずり)の提示があった。
私は、各責任者からの説明をとりあえず聞いた。
その後私は、口を開けた。
「もっと、事前の取りまとめと、情報の共有を全員で行ってから会議に出席できるようにしなさい」
・・・あまりにも、会議の生産性が低い。
「もっと、(今の延長線上ではなく)思いのある、新しいチャレンジをしなさい」
・・・今までの面白くない売り場に、少し薄味を加える程度の改装案を出している。
「もっと、リーダーは、自分の責任でリーダーの仕事をしなさい」
・・・会議が報告会になっている。
そうすれば、この改装計画は、全く違ったものになる。
確実にお客様が支持してくれる、すばらしい店舗に生まれ変われる。
2日目の会社は、ナンバー2を交えて、初めて、チーフに聞き取り調査と私が現状売場を確認した感想を伝えた。
「こういうことは、他社でも当たり前にやっているよね」
「こんなことができれば、もっとお客様に喜んでもらえるようになるよね」
と、私が話をすると、
「でも、こうなってしまいますよね・・・!」(こちら都合のデメリットの説明)
というような返事が、チーフの口から何回も帰ってくる。
それは、
1.過去の自分たちの経験則の延長線でしか、物事を考えていない
2.お客はどう感じるかというスタンスが無い
ということです。
これでは、会社の発展も、個人の成長を望めません。
逆に後退していくばかりです。
今日の競争の厳しい時代、相対的に考えて、会社の存続が危ぶまれる結果を招きます。
でも、多くの企業(個人)が、このことに気付いていません。
言われたら「ごもっとも」ということなのですが、行動はそうなっていない場合が多くあります。
結局は、こちらの都合や出来ない理由を並べて、行動しないのです。
無難な方法をとって終わるのです。
だから、結局、望んでいるような結果が出ないのです。
お店にとって、従業員でもありますが、大事なお客様でもあります。
特に聞きたかったのは、
「あなたが、この○○店で直感的に不快に感じることを教えてださい」
というアンケートの答えです。
結果は、
1.トイレが暗い、使いにくい、汚い・・・
2.従業員の対応が悪い、気遣いがない・・・
3.鮮度が悪い、変り映えがしない、買いたいものがない・・・
3.店の中が暗い、汚い、古い・・・
4.掃除がされていない
など、上から順番に複数の答えが返ってきました。
開発部、店舗運営部、商品部・・・全員が改装計画案の腰を折られてしまいました。
開発部は、トイレの改装計画などなかったのです。ちなみに、この店舗の女性トイレは、和式便器がほとんどだったのです。
女性従業員の方々のお陰で、改装以前に解決すべきこと、行動すべきことが多く発見できました。
教えてくれました。
しかし、絶対的に外してはいけない大事なことは、それを「なぜやるか・・・」というノウホワイです。思いです。
当然ですが、「愉しい」、「嬉しい」、「美味しい」などを、日々来店されたお客様に感じていただくためです。
そして、従業員に愉しく仕事してもらうためです。
そのためには、
「どう行動するか」ということに繋がってきます。
そこから行動を起こすことが、一番早道で、効果的な良い結果を生み出すことができます。
スーパーマーケットの職場は、社長、部長、店長、チーフなど、各リーダーのほとんどが男性です。
MART(月間雑誌)など知らない人、読んでいない人がほとんどです。
トマトとバジル、モッツァレラ(チーズ)を和えて食べたことがない人がほとんどです。
イタリアン・レストラン(高級レストランやサイゼリアでもない)に行って、パスタかピザ、サラダが付いて、ガトーショコラかパンプキンケーキを選び、紅茶やコーヒーを飲んで、1200円程度のランチ。レストランは、女性客でいっぱいです。このようなレストランでの食事経験が無い人が圧倒的に多いのです。
ここから、今後選ばれるお店が出てくることは、難しいと言わざるを得ません。
何が成長を止めているのか・・・。
それは、こちら都合の考え方と行動です。
そしが結果的に、お客様のニーズとの乖離の幅を拡大することになり、業績の低迷に繋がっているのです。
私自身の仕事もそうですなのですが、エンドユーザーの声(思い)を聞き、理解して行動することが基本だと思っています。
私は、コンサルタントという責任の重い仕事をさせて頂いていますが、自分の能力、知識など高々しれています。(クライアントには、申し訳ないのですが(笑))
本を読み、セミナーに参加し、良い人とめぐり合い話を聞き、協力してもらい、なんとか形になっています。
お客様に聞くと言う姿勢を常々持ち続けることが大事だと思います。
お客様の声を聞き、それを「どう実行できるか?」で、結果が大きく変わります。
上手く行かないことも有るかもしれません。
ダメなら、やり方を変えればいいだけです。
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初日は、店舗運営全般の業務改善を指導しているローカル・チェーン企業。
2日目は、単独店で、青果部門を中心に改善指導をしている。
初日の企業は、基幹店舗の大型店(売上はガタイの割に高くない)の改装計画の相談。
2階層の1階、新規テナント数社を含むSMゾーンの大型改装計画である。
商品部長、店舗運営部長、開発部長、スーパーバイザー、各部バイヤー、店長・・・・と会社の主要メンバーが20人ほど揃っている。
私は事前に、お客様でもある女性従業員(テナントも含む)へのアンケートを依頼していた。
1.「あなたが、この○○店で直感的に快く感じることを教えてださい」
2.「 〃 、 〃 直感的に不快に感じることを教えてださい」
という、いたって簡単な、日頃感じていることを書いてもらうアンケートである。
店長から、それを仕分けして、項目ごとにまとめたものの発表があった。
開発部からは、平面図の提示があり、直営部分と新規テナントの配置が記されている。
商品部からは、各部門の取り組み計画(粗ずり)の提示があった。
私は、各責任者からの説明をとりあえず聞いた。
その後私は、口を開けた。
「もっと、事前の取りまとめと、情報の共有を全員で行ってから会議に出席できるようにしなさい」
・・・あまりにも、会議の生産性が低い。
「もっと、(今の延長線上ではなく)思いのある、新しいチャレンジをしなさい」
・・・今までの面白くない売り場に、少し薄味を加える程度の改装案を出している。
「もっと、リーダーは、自分の責任でリーダーの仕事をしなさい」
・・・会議が報告会になっている。
そうすれば、この改装計画は、全く違ったものになる。
確実にお客様が支持してくれる、すばらしい店舗に生まれ変われる。
2日目の会社は、ナンバー2を交えて、初めて、チーフに聞き取り調査と私が現状売場を確認した感想を伝えた。
「こういうことは、他社でも当たり前にやっているよね」
「こんなことができれば、もっとお客様に喜んでもらえるようになるよね」
と、私が話をすると、
「でも、こうなってしまいますよね・・・!」(こちら都合のデメリットの説明)
というような返事が、チーフの口から何回も帰ってくる。
自分の過去の経験という、狭い考え
2社には、大きな共通点があります。それは、
1.過去の自分たちの経験則の延長線でしか、物事を考えていない
2.お客はどう感じるかというスタンスが無い
ということです。
これでは、会社の発展も、個人の成長を望めません。
逆に後退していくばかりです。
今日の競争の厳しい時代、相対的に考えて、会社の存続が危ぶまれる結果を招きます。
でも、多くの企業(個人)が、このことに気付いていません。
言われたら「ごもっとも」ということなのですが、行動はそうなっていない場合が多くあります。
結局は、こちらの都合や出来ない理由を並べて、行動しないのです。
無難な方法をとって終わるのです。
だから、結局、望んでいるような結果が出ないのです。
お客様や従業員の声を聞け
初日訪問の改装計画の企業では、前述の通り、女性従業員の方々にアンケートをしていただきました。お店にとって、従業員でもありますが、大事なお客様でもあります。
特に聞きたかったのは、
「あなたが、この○○店で直感的に不快に感じることを教えてださい」
というアンケートの答えです。
結果は、
1.トイレが暗い、使いにくい、汚い・・・
2.従業員の対応が悪い、気遣いがない・・・
3.鮮度が悪い、変り映えがしない、買いたいものがない・・・
3.店の中が暗い、汚い、古い・・・
4.掃除がされていない
など、上から順番に複数の答えが返ってきました。
開発部、店舗運営部、商品部・・・全員が改装計画案の腰を折られてしまいました。
開発部は、トイレの改装計画などなかったのです。ちなみに、この店舗の女性トイレは、和式便器がほとんどだったのです。
女性従業員の方々のお陰で、改装以前に解決すべきこと、行動すべきことが多く発見できました。
教えてくれました。
「何をするか・・・」ではなく「なぜするか・・・」をしっかり考える
こちら都合の取り組みや、小手先のノウハウで売場作りを考えている会社が多くあります。しかし、絶対的に外してはいけない大事なことは、それを「なぜやるか・・・」というノウホワイです。思いです。
当然ですが、「愉しい」、「嬉しい」、「美味しい」などを、日々来店されたお客様に感じていただくためです。
そして、従業員に愉しく仕事してもらうためです。
そのためには、
「どう行動するか」ということに繋がってきます。
そこから行動を起こすことが、一番早道で、効果的な良い結果を生み出すことができます。
スーパーマーケットの職場は、社長、部長、店長、チーフなど、各リーダーのほとんどが男性です。
MART(月間雑誌)など知らない人、読んでいない人がほとんどです。
トマトとバジル、モッツァレラ(チーズ)を和えて食べたことがない人がほとんどです。
イタリアン・レストラン(高級レストランやサイゼリアでもない)に行って、パスタかピザ、サラダが付いて、ガトーショコラかパンプキンケーキを選び、紅茶やコーヒーを飲んで、1200円程度のランチ。レストランは、女性客でいっぱいです。このようなレストランでの食事経験が無い人が圧倒的に多いのです。
ここから、今後選ばれるお店が出てくることは、難しいと言わざるを得ません。
成長するためには
私はこれまで、以上のような事例に多く接してきました。何が成長を止めているのか・・・。
それは、こちら都合の考え方と行動です。
そしが結果的に、お客様のニーズとの乖離の幅を拡大することになり、業績の低迷に繋がっているのです。
私自身の仕事もそうですなのですが、エンドユーザーの声(思い)を聞き、理解して行動することが基本だと思っています。
私は、コンサルタントという責任の重い仕事をさせて頂いていますが、自分の能力、知識など高々しれています。(クライアントには、申し訳ないのですが(笑))
本を読み、セミナーに参加し、良い人とめぐり合い話を聞き、協力してもらい、なんとか形になっています。
お客様に聞くと言う姿勢を常々持ち続けることが大事だと思います。
お客様の声を聞き、それを「どう実行できるか?」で、結果が大きく変わります。
上手く行かないことも有るかもしれません。
ダメなら、やり方を変えればいいだけです。
【お役立ち:関連記事の紹介】▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
■生産性の向上に舵をとれ! ⇒http://www.summit-rc.com/blog/2770/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (前編) ⇒www.summit-rc.com/case/2714/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (中編) ⇒www.summit-rc.com/case/2724/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (後編) ⇒www.summit-rc.com/case/2719/
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