スーパーの業務改善入門

2014年03月05日

成長できるの会社の条件

九州の田舎町に、新規クライアントを訪問しました。
社長と青果チーフに駅に迎えに来てもらって、会社に到着しました。

私には珍しく、バックルームから入り、そのまま応接会議室へ。
会社の歴史や、社長の考え方等を伺いました。社長はとても良くしゃべります。お店や社員に対する『強い思い』を感じます。

本物のリーダー


特に強く感じたことは、『社員の成長』に対する思いです。

亡くなられた、お父様が経営していた小さなスーパーマーケット。(その当時は)社長自ら青果市場に仕入れに出かけ、従業員に指示を出します。
今の社長(先代の息子)も、最初の内は、先代の社長と同じように、市場に出向き仕入れをしていたそうです。しかし、ある時、「これでは、従業員は育たない」と率直に思ったらしいのです。
「社員は、社長の顔色をうかがい、自分で考えて行動しない」ということを感じたそうです。
社長は、市場に行くことを止めました。不安も大いにあったと思います。しかし、我慢したのです。
当然口は出しますが、社員の成長を優先して、我慢すると決めたのです。

誠実な人柄。親の躾が出来ている。そして、このことを聞いて、「この会社は、伸びる!」と私は確信しました。


成長する会社と衰退する会社


私は、これまで、多くの経営者の方々とお会いしてきました。
伸びない会社も多く見てきました。
逆に、伸びる会社、これから、伸びるであろう会社も多く見てきています。

私が、どうして「この会社は伸びる」と考えるのか、その理由の一つは、社長が『社員の成長』ということを強く、そして、正しく理解しているということです。
世の中には、社員のやる気の芽を摘み取る社長も結構多くいます。

私が、過去に学んだ、一流の経営者の定義があります。
三流の経営者は、自分の力で仕事をする。
二流の経営者は、他人の力で仕事をする。
一流の経営者は、他人の能力で仕事をする。
というものです。

今回の社長は、三流は、卒業しています。二流に取り掛かり、一流を目指そうとしているように思います。(社長自身がそう考えているかは、不明ですが?笑)

従業員の成長のために、人伝えに私の存在を知り、コンサルティングを要請されました。コストではなく、投資をしたのです。

社員にやる気が有れば、確実に成長します。リーダーがリーダーシップを発揮すれば、その確率は100%に近づき、飛躍的に伸びます。これが、組織のあるべき形です。
全く、難しいことでは無いのです。

社長がワンマンな場合は、この相乗効果が出にくくなってします。社長の顔色うかがいでは、社員の大きな成長は、望みにくいと言えます。
伸びない会社の定義を一言で申し上げることは、難しいです。しかし、このことが、大きな要素であることは、間違いないことです。
社長、部長、店長。リーダーの責任は重い。従業員とその家族の一生に大きく関わります。

話を元に戻しましょう。


宝が眠る山


面談の後、売場とバックルームを見させてもらいました。

青果の鮮度管理に大きな問題はありません。
しかし、課題(改善できること)は、多いにあります。

 ・重点アイテムの理解と売場展開方法
 ・用途関連陳列
 ・マグネットの効果的活用
 ・単品別陳列在庫管理技術
 ・USPの打出し
 ・陳列演出技術
 ・商品化技術
 ・在庫適正化技術
 ・マテハン
 ・売場レイアウト
 ・バックルーム・レイアウト
 ・5S
 ・POSデータの戦略的活用
 ・数値、係数管理
 ・部門損益管理
 ・・・・・・・・
などなど。

嬉しいことに、やれることが山ほどあります。

私は、課題が多いことを「後ろ向きに考える必要はない!」と常々教えています。
前向きに、お客様に対して、従業員に対して、「たくさんのことが良くなる!」と考えるようにと言っています。

売場やバックルームに、売上の素、荒利益の素がいっぱい落ちています。とんでもない改善効果が見えてきます。
当然のことですが、営業利益の拡大幅は、相当なものになるであろうことを、強く感じます。
とても、ワクワクしてきます。

おそらく、改善スピードも速いものと思います。

その根拠は、
 1.担当者の方々が素直で謙虚、礼儀正しいこと
 2.最低限の鮮度管理をしていること
 3.リーダーのリーダーシップを感じること
 4.理念、方針がハッキリしていること
です。

また、今回は、青果部門のコンサルティングですが、店長、部長に参加して頂き、フォローを確実にして頂くこと、そして、改善の総責任者であることをお伝えました。
この機会に、組織と職位、職責、取るべき行動についても、同時にしっかりご理解してもらい、リーダーシップを頭と行動で理解して頂こうと思います。


「問題だ」と想う気持ちが成長に繋がる


会社が小さいこと、知識が少ないこと、技術レベルが低いことなどは、大きな問題ではありません。
現状に問題を感じない。
感じていても行動しない。
今のままで良いと過去のやり方で改善をしない。
リーダーがリーダーシップを取らない。
という様なことが問題なのです。

売上が前年割れでも、営業利益を大幅(約10倍)にした、私のクライアントは多くいらっしゃいます。
拡大した営業利益を、人財教育や売場改善に再投資します。それによって、更なる飛躍を目指すのです。

必ず、やれる方法があります。(意外に簡単に・・・)
やる気さえあれば・・・、です。


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