イヤ取り

2007年08月14日

ロボットのようなレジ担当者

スーパーで、清算をしてもらおうとレジに行くと、
レジの担当者は、こちらと目を合わすことなく、「いらっしゃいませ」
只黙々と、ピッピッと商品をスキャニング。 そして、「〇〇円のお買い上げで御座います」
こちらがお金を出すと、表情の無い顔で、受け皿をじっと見ています。

「〇〇円のお預かりで御座います」
「〇〇円のお返しいたします」
「お確かめくださいませ」
「有難う御座いました。またどうぞ」
(私は、もう二度と来ませんと、心の中でつぶやく・・・)

この間、レジの担当者は、おそらく私の顔を一回も見ていないのです。そして、笑顔が全くありません。
読者の皆さんも、こういう光景を直接または、間接的に経験した覚えがおありになるのではないでしょうか。まさしくロボットです。ただロボットであれば、よく出来ているなと感動もするでしょうが、このとき精算してくれたレジ担当者は、残念ながら人間です。そして、動作からして、それなりの経験年数もありそうな感じです。
 

笑顔の力


買い物の最後に、レジでの清算があります。ここでの対応がよければ、買い物という苦痛な仕事が、気持ちよく終わらせることが出来ます。

お客様は、自分の目を見て、
 笑顔で、「こんにちは、いらっしゃいませ」と迎えられ、
 「何時も有難う御座います。また、宜しく御願いします」と笑顔で見送られると、
 「この店で買い物して良かった」と思うでしょう。
 そして、「この次もこの店で買い物しよう」とか、「この人のレジに並ぼう」と思うでしょう。

笑顔です。先ず笑顔が無ければいけません。この一瞬の何気ないことで、その場の雰囲気が良くなります。これは、接客の基本の基本であり、これがうまく出来なければ、客商売は勤まりません。


目的を持った、意味のある教育訓練


日本全国、殆んどのスーパーに、『五大用語』や『八大用語」のマニュアルがあると思います。そして、開店前やミーティングなどを利用して、発声練習や実技訓練をしています。
ところが、実際には、レジの接客応対の良い店の割合は、低いように思います。前述のロボットのような担当者は、決して稀ではありません。

問題の第一は、訓練や練習の目的がハッキリしていないことにあると思います。
目的はいうまでもなく、
「お客様に気持ちよく、お買い物をしていただく」ためです。
これをしっかり念頭に置いてやれば、練習方法も変わってくるはずです。

特に、笑顔を出す訓練が重要です。どんな時にも、どんな場面でも、瞬間に笑顔が出せなければなりません。それも、ご近所の人と挨拶を交わすときのような、自然な温かい笑顔を・・・。それが出来て、その次に言葉の訓練があります。

そして第二に、定期的に、現場の実地検証がなされていることが重要です。いくら訓練で出来ても、現場でお客様に対して出来ているとは限りません。「解っている」ことと、「出来ている」ことは違います。


仕組みをつくる


店長やレジ部門の責任者の方は、各担当者が、現場で出来ているか確認し、もし出来ていなければ、一人ひとり再訓練を繰り返さなければなりません。
これが、『仕組み』です。組みがあれば、時間んの経過とともに間違いなく改善されていきます。
当然、叱るのではなく、
 「もっと、こうしよう・・・」
 「こうしたら、もっと良くなるよ・・・」
というように、前向きに全員で、上を目指すのです。

お客様に、接客で「小さな感動」を味わっていただけるような、お店にしたいものです。



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■ コンサルティングの業務改善事例 ⇒http://www.summit-rc.com/case/genre/consulting/
  • HOさん より:

    私はスーパーマーケットで店長をしてます。接客訓練というものに対してしてどのようにみんなを動機付けしたらいいか日々悩んでいます。私が一番重要視してるものは上記に書かれているとおりに「笑顔」だと思っています。約1年前に店長になり、とにかく自分からということで笑顔で従業員一人一人に毎日必ずスマイル握手というのを実践しています。最初はみなさんも私も照れがありましたが、今では私自身なんの抵抗もなく、みなさんもなんの抵抗もなくしてくれるようになりました。「継続は力なり」というのがありますが、まさにそれを思い知った瞬間でした。ただ、もっとそのレベルを上げていきたいと考えているのですが、これから先どういう風にやっていけばいいのか今、悩んでいるところで偶然この記事を見つけました。
    みんなの笑顔をいかに引き出すか。
    今後はそれが課題だと思っています。
    120名近くいる部下を同じ方向に向かせるというのは並大抵のことじゃないと思うのですが、私は甘いのでしょうか?
    できてない人には個人個人に指導とかよく言いますが、本当にそれで良くなるんでしょうか?
    何日間はそれで少しはましになっても、また何日間かしたら同じようなことになるということがよくあります。
    常に言い続けることしかないのでしょうか?
    日々、悩んで悩んで仕事をしています。
    <新谷からのアドバイス>
    HOさんメールいただきまして、ありがとうございます。毎日の店長業務お疲れ様です。
    HOさんは、なかなかの努力家でいらっしゃるのではないでしょうか。
    私は、ホームページを見ていただければ分かるように、業務改善を中心に会社とその現場のコンサルティングをさせていただいています。
    そして、私が常々、クライアントの皆さんにいうことは、「お客様のことを深く理解して、行動しましょう」ということです。
    それが、一番効率の良い行動であり、お客様の支持を頂き、従業員の方々のスキルアップとそのスピードも増すからです。そして、その行動の結果として、売上や利益がアップします。
    接客や欠品削減、クリンリネスや鮮度など、マニュアルを作ったからといって出来るものではありません。このことは、HOさんは、良く分かっていらっしゃると思います。
    鮮度管理の事例で申し上げますが、私が今まで「この店の鮮度管理はすばらしいな」と感じた店の数は、ほんの一握りです。その殆んどの店の管理がマニュアル(売る立場)で処理されているからです。(ない場合もありますが(笑))
    私の指導先様では、牛乳は、入荷日の2日後に見切り販売しています。早い店は、翌日です。野菜など日付のないものも相当早く売り切ります。
    結果として、担当者の発注が適正になり、欠品も少なくなります。
    これらのことも、お客様に気持ちよくお買い物をしていただくためです。見切り品ですが、お買い得品です。
     
    少し前置きが長くなってしまいました、すみません。
    私は、接客は、『先ずは笑顔』だといっています。それも、『お客様の心に伝わる笑顔』です。
    生まれてから一度も笑ったことのない人はいないと思います。(もしいたら、雇ってはいけません(笑))
    でも、人前でいきなり笑顔をつくるというのは、なかなか難しいことです。
    笑顔をどんな時にでも直ぐ作れるというのは、スキルです。刺身を作ったり、カットフルーツを作ったりと同じようにスキルです。
    スキルですから、日々の訓練が必要です。出来れば、定時定例で、笑顔をつくる訓練を徹底して行なうのがよいでしょう。
    そして、どうしてこの訓練をやるかという理由(目的)を、部下の皆さんに分かってもらう事が一番大切なことです。
    いろんな会社の中で、目的と方法を勘違いしている事例が沢山あります。
    笑顔を出す訓練が目的ではありません。方法や手段です。訓練の場では出来ているが、売り場で出来ていない事例が沢山あります。
    目的は、お客様に、「安心して」、「気持ちよく」、「喜んで」お買い物していただき、また来たいと思っていただくためです。
    品揃えや鮮度などと同じように、商売をさせていただく上で、『誠実で、親切で、優しい接客』は、とても重要なことだからです。
    会社の経営理念に沿って、店舗コンセプトや店長の地域のお客様に対しての思いなど、明確にする必要があります。
    そして、日々社員の皆さんとコミュニケーション(触れ合い)を密にして、いろいろな方向から店長が、熱く語りかけることが大切でしょう。
    ちなみに、全日空は、『あんしん、あったか、明るく元気』がコンセプトです。
    最後に、一番のポイントですが、リーダーが売り場で、社員の方々一人ひとりをしっかり見てあげて、現場で指導することが重要です。
    『分かっていると、出来ている』は似ているようで全く違うことです。
    出来ていない人には、「もうチョッとこうしようか」。出来ている人には、「こうしたら、もっと良くなるよ」などとアドバイスします。簡単に叱ってはいけません。
    現場で出来ていることが目的ですから、現場で確認して必要に応じて修正します。これの繰り返しです。
    接客と同じように、欠品削減やクリンリネス、鮮度管理などに関しても、机上で解決するのは無理です。
    現場のオペレーション力の問題です。
    HO店長さんのこれからの益々のご活躍をお祈りいたします。

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