スーパーの経営戦略入門
2009年03月04日
どの部門が一番儲かっていますか?
「皆さんのお店で、一番儲かっているのは、どの部門ですか?」
私が、セミナーで質問をすると、
出席者から、色々な答えが返ってきます。
「惣菜部門です」、自信ありげな若いグローサリー担当チーフ。
「鮮魚部門だと思います」と鮮魚のベテランチーフ。
「たぶん精肉部門だと思います」
などなど・・・・
誰も、自信を持って答えているわけではありません。
「どうしてそう思いますか」と私が聞き返すと、
「荒利益(率)が高いからです」
「売上が高いからそう思います」
と様々な答えが返ってきます。
このような場面は、零細スーパーマーケットのことに限ったことではありません。
数百億円を売り上げる会社でも、ほとんど同じような答えが帰ってきます。
面白いことですが、オーナーに同じ質問をしても、かなりの確立で同じような答えが返ってきます。
ここに、「勝ち残り」そして、「継続・発展」のための大きなヒントが隠れているのです。
部門特性をよく理解する
「グローサリーだと思います」とか、「日配だと思います」と答える社員は、多少「儲ける」ということを理解しています。
立地や競合状況、営業戦略など、また、営業利益の算出方法によって、各社多少の差はありますが、標準的なスーパーマーケットの場合、グローサリーや日配が一番の儲け頭です。
荒利益率の高い惣菜部門やその他の生鮮部門ではありません。
私は、何故そうなのかを若い担当者に、出来るだけ詳しく説明するようにしています。
生鮮部門は、
①「加工作業」という、人時を多く必要とする作業が必要であること
②その人時によって、グローサリーなどより、「売上高対人件費」が高くなること
そして、
③「人件費」は、スーパーマーケットの「営業経費」の中で
群を抜いて高いこと。
④「人件費(人時)」当たりの売上高や荒利益高が高くて、
生産性が高ければ儲かりやすいということ。
また、
⑤このことはスーパーマーケットの構造上の特性であり、
各部門の担当者個人の努力や能力の高低ではないこと。
などを詳しく教えます。
このことが全く理解できていなければ、無駄な努力(行動)を今後も続けてしまうことになってしまいます。
逆に、このことが解って、日々営業活動を続けていれば、
「やってはいけない事」と
「やらなければならない事」
が分かりだし、作業や在庫などのムダを減らす努力が自然に出来るようになります。
なんで(どの部門、サービス)で戦うのか
上述のことが理解できていれば、競合店とどう戦えば効果的かが、薄っすらと見えてきます。
また、どう努力しなければならないかも、分かってきます。
「どこでどう儲けて、どこで攻撃(差別化)を仕掛けるか」
そして、
「具体的行動計画」はというように、段取りが見えてくるはずです。
闇雲に暴走して頑張っても、無駄なエネルギーを使ってしまい、場合によっては、命取りにもなりかねません。
今まで儲からないと思っていた、グローサリーや日配部門が儲かっていて、儲かっていたと思っていた部門が逆に赤字であったり、内容が具体的に分かれば、改善課題や戦略がハッキリしてきます。
シンプルに考えれば、「グローサリーや日配部門で確実に高利益」を出し、「生鮮部門で差別化をアピール」という戦略が、競合するスーパーマーケットに限らず、他の業態に対しても効果的であり、高い継続性があるのです。
やらなければならない事
具体的には、「儲けを確実に出せる部門」を作り上げることが先決です。
売上が高いことや荒利益率が高いことを儲けだと単純に考えてはいけません。
確かに、売上がある一定以上上がれば、売上対比の固定経費率が相対的に下がり、損益分岐点が下がりますから、儲かる可能性は高くなります。
しかし、仕組みや作業改善が出来ていなければ、売上が上がれば、それまで以上に人を投入してしまう場合が多々あります。
これでは、せっかく売上が上がっても、大幅な営業利益アップは望めません。
特に大事なことは、
第一に、グローサリーや日配部門の人時売上高を向上させる努力をすることです。
①無駄な在庫や欠品を徹底して減らし、
②補充作業や発注作業を効率よく出来るようにします。
そして、
③補充作業の実地訓練を行い、カートの使い方や作業動作を徹底して訓練し
スピードアップをはかります。
※具体的には、当社ブログ「人時売上高を上げる26の法則、(1)(2)」をご覧ください。
第二に、生鮮部門の中で自社が一番強みを出せる部門を「戦略部門」として決め、徹底して強化することです。
この戦略部門は、場合によっては、営業利益トントンかマイナスでもかまいません。
出来れば、この戦略部門は、鮮度訴求部門である野菜や鮮魚が特に効果的です。
その理由は、
①購買頻度や回転率が高く、それを目的として再来店の可能性が高いこと
②スーパーマーケットの根幹である鮮度イメージがアップし
③チラシとの相乗効果など販促効果も抜群に高くなる
などからです。
やってはいけない事
やってはいけないことは、
①「鍋、釜、包丁」を頻繁に使うこと
②土物など日持ち商品を店内で加工すること
③無駄に在庫を持つこと
などです。
例えば、
手 作 り = 美味しい(美味しくなる、安全)
店内加工 = 高鮮度(付加価値が上がる)
店内在庫 = メリット大(儲かる、美味しくなる)
ならば、店内加工に「こだわる」意味があります。
また、大変大事なことです。
しかし、荒利益が取れるという理由で、これらのことをやっているのであれば、ほとんど意味の無いことです。原価が多少上がっても、アウトソーシングが可能であれば、そちらを選択すべきです。
当社のクライアントで、高いほうの惣菜部門の人時売上高は、15,000円以上あります。当然ですが、お客様から支持され、売上高構成比も10%を大きく超えています。
また、こだわった商品については、当然イン・ストア加工しています。
そして何より、大幅黒字です。
戦略の確認
今一度、部門別損益を確認し、自社の弱いところ、改善すべきところを確認しましょう。
そして、早期に営業戦略を立て(直し)ましょう。
そして、早期に改善のスタートを切りましょう。
そして、最大の効果を確実にしたいのであれば、
サミットリテイリングセンターにコンサルティングの相談をしましょう。(笑い)
私が、セミナーで質問をすると、
出席者から、色々な答えが返ってきます。
「惣菜部門です」、自信ありげな若いグローサリー担当チーフ。
「鮮魚部門だと思います」と鮮魚のベテランチーフ。
「たぶん精肉部門だと思います」
などなど・・・・
誰も、自信を持って答えているわけではありません。
「どうしてそう思いますか」と私が聞き返すと、
「荒利益(率)が高いからです」
「売上が高いからそう思います」
と様々な答えが返ってきます。
このような場面は、零細スーパーマーケットのことに限ったことではありません。
数百億円を売り上げる会社でも、ほとんど同じような答えが帰ってきます。
面白いことですが、オーナーに同じ質問をしても、かなりの確立で同じような答えが返ってきます。
ここに、「勝ち残り」そして、「継続・発展」のための大きなヒントが隠れているのです。
部門特性をよく理解する
「グローサリーだと思います」とか、「日配だと思います」と答える社員は、多少「儲ける」ということを理解しています。
立地や競合状況、営業戦略など、また、営業利益の算出方法によって、各社多少の差はありますが、標準的なスーパーマーケットの場合、グローサリーや日配が一番の儲け頭です。
荒利益率の高い惣菜部門やその他の生鮮部門ではありません。
私は、何故そうなのかを若い担当者に、出来るだけ詳しく説明するようにしています。
生鮮部門は、
①「加工作業」という、人時を多く必要とする作業が必要であること
②その人時によって、グローサリーなどより、「売上高対人件費」が高くなること
そして、
③「人件費」は、スーパーマーケットの「営業経費」の中で
群を抜いて高いこと。
④「人件費(人時)」当たりの売上高や荒利益高が高くて、
生産性が高ければ儲かりやすいということ。
また、
⑤このことはスーパーマーケットの構造上の特性であり、
各部門の担当者個人の努力や能力の高低ではないこと。
などを詳しく教えます。
このことが全く理解できていなければ、無駄な努力(行動)を今後も続けてしまうことになってしまいます。
逆に、このことが解って、日々営業活動を続けていれば、
「やってはいけない事」と
「やらなければならない事」
が分かりだし、作業や在庫などのムダを減らす努力が自然に出来るようになります。
なんで(どの部門、サービス)で戦うのか
上述のことが理解できていれば、競合店とどう戦えば効果的かが、薄っすらと見えてきます。
また、どう努力しなければならないかも、分かってきます。
「どこでどう儲けて、どこで攻撃(差別化)を仕掛けるか」
そして、
「具体的行動計画」はというように、段取りが見えてくるはずです。
闇雲に暴走して頑張っても、無駄なエネルギーを使ってしまい、場合によっては、命取りにもなりかねません。
今まで儲からないと思っていた、グローサリーや日配部門が儲かっていて、儲かっていたと思っていた部門が逆に赤字であったり、内容が具体的に分かれば、改善課題や戦略がハッキリしてきます。
シンプルに考えれば、「グローサリーや日配部門で確実に高利益」を出し、「生鮮部門で差別化をアピール」という戦略が、競合するスーパーマーケットに限らず、他の業態に対しても効果的であり、高い継続性があるのです。
やらなければならない事
具体的には、「儲けを確実に出せる部門」を作り上げることが先決です。
売上が高いことや荒利益率が高いことを儲けだと単純に考えてはいけません。
確かに、売上がある一定以上上がれば、売上対比の固定経費率が相対的に下がり、損益分岐点が下がりますから、儲かる可能性は高くなります。
しかし、仕組みや作業改善が出来ていなければ、売上が上がれば、それまで以上に人を投入してしまう場合が多々あります。
これでは、せっかく売上が上がっても、大幅な営業利益アップは望めません。
特に大事なことは、
第一に、グローサリーや日配部門の人時売上高を向上させる努力をすることです。
①無駄な在庫や欠品を徹底して減らし、
②補充作業や発注作業を効率よく出来るようにします。
そして、
③補充作業の実地訓練を行い、カートの使い方や作業動作を徹底して訓練し
スピードアップをはかります。
※具体的には、当社ブログ「人時売上高を上げる26の法則、(1)(2)」をご覧ください。
第二に、生鮮部門の中で自社が一番強みを出せる部門を「戦略部門」として決め、徹底して強化することです。
この戦略部門は、場合によっては、営業利益トントンかマイナスでもかまいません。
出来れば、この戦略部門は、鮮度訴求部門である野菜や鮮魚が特に効果的です。
その理由は、
①購買頻度や回転率が高く、それを目的として再来店の可能性が高いこと
②スーパーマーケットの根幹である鮮度イメージがアップし
③チラシとの相乗効果など販促効果も抜群に高くなる
などからです。
やってはいけない事
やってはいけないことは、
①「鍋、釜、包丁」を頻繁に使うこと
②土物など日持ち商品を店内で加工すること
③無駄に在庫を持つこと
などです。
例えば、
手 作 り = 美味しい(美味しくなる、安全)
店内加工 = 高鮮度(付加価値が上がる)
店内在庫 = メリット大(儲かる、美味しくなる)
ならば、店内加工に「こだわる」意味があります。
また、大変大事なことです。
しかし、荒利益が取れるという理由で、これらのことをやっているのであれば、ほとんど意味の無いことです。原価が多少上がっても、アウトソーシングが可能であれば、そちらを選択すべきです。
当社のクライアントで、高いほうの惣菜部門の人時売上高は、15,000円以上あります。当然ですが、お客様から支持され、売上高構成比も10%を大きく超えています。
また、こだわった商品については、当然イン・ストア加工しています。
そして何より、大幅黒字です。
戦略の確認
今一度、部門別損益を確認し、自社の弱いところ、改善すべきところを確認しましょう。
そして、早期に営業戦略を立て(直し)ましょう。
そして、早期に改善のスタートを切りましょう。
そして、最大の効果を確実にしたいのであれば、
サミットリテイリングセンターにコンサルティングの相談をしましょう。(笑い)