スーパーマーケットの業務改善事例(その他)
2015年12月14日
スーパーマーケットの売上をあげる部門別損益管理(後編)
基本情報
- ■プラン
- 業務改善全般
今回は前回に引き続き、スーパーマーケットにおける部門別損益管理について、ご説明いたします。
今回は事例を中心にご紹介いたします。
主婦の「もったいない」を現場に。部門別損益管理が商品ロスを減らす。
部門別の損益管理を行った結果、売り場のロスが大幅に減った事例がありました。
部門別の損益管理を実施したことで、部門内でのコミュニケーションが増えて、パート従業員の声が売り場に反映されるようになりました。すると、不思議なことに商品ロスも減っていきました。「もったいない」という主婦の目が、商品の仕入れや商品化を変えたのです。
部門別の損益管理を行うことで、従業員に費用対効果の意識が芽生えます。仕入れ過ぎ、作り過ぎ、出し過ぎによって劣化した商品の処理作業など、時間や経費だけがかかり、生産性を下げる作業は徐々に減っていきました。
反対にお客様に喜んでもらう作業、つまり、良い売り場をつくる作業や商品化にかける時間は増えていきました。そうすることで、従業員がイキイキと働く時間が増えていったのです。
チェーン店の一部門で3億円の営業利益上昇
西日本で20店舗のチェーン店を展開するあるスーパーマーケット様では、部門別の損益管理を行うことで、1年間で3億円も営業利益が上昇しました。またある単独店のスーパーマーケット様では、たった1店舗で1ヶ月あたり600万円の営業利益が向上しました。
これらの店舗ではけして、売上が大きく増えたわけではありません。
例えば、今までならば、売上をあげようと思えば、店頭に従業員を配置して、店頭販売を行っていました。それで売上があがることもあったでしょう。しかし、部門別の損益管理の面からみれば、少し売上は上がったとしても、必ずしも営業利益は上がりません。
営業利益をあげることに必要なものは、お客様目線での売り場作りや丁寧な接客対応です。
つまり、このチェーン店でも、店頭での呼び込みやロス商品の処分といった無駄な作業を減らし、逆に、お客様に喜ばれる作業を増やしていった結果として、営業利益があがっていったのです。
「目先の売上を追うな」本当にお客様が楽しい・美味しいと感じる店作りを
今まで、スーパーマーケットは必死に売上だけを追っていました。高度経成長期で人件費もそれほど高くなく、売上がそのまま儲けとなる構図があったからです。しかし、時代は変わりました。バブル崩壊後、人件費の高騰とあわせて、売上が伸びなくなりました。スーパーマーケットは、その対策として、生産性をあげるのではなく、安売りの方向にシフトしていきましたが、昨今はそれも通用しなくなってきています。
今は感情の時代です。今、スーパーマーケットに求められていることは、お客様から身近な存在であるだけでなく、そこにいけば「本当に美味しいもの」があり、「本当に楽しい体験」を提供する場であることです。絶対的な価格競争に陥るのではなく、生産性を上げながら、「本当に美味しく楽しい売り場」を提供することで、お客様に付加価値を提供して、お客様から選ばれるスーパーマーケットに成長する。そうすれば、お客様は適正価格で商品をお買い求めくださり、おのずと結果はついてくると、私たちは考えています。
サミットリテイリングセンターへご用命ください。