スーパーマーケットの業務改善事例(その他)
2016年04月13日
生鮮部門の粗利5%改善、POSデータの活用でスーパーの在庫を削減
基本情報
- ■プラン
- 在庫削減
今回はスーパーにとって重要課題である在庫削減について、お話しいたします。弊社が業務改善でお手伝いするスーパーの多くが在庫の削減に頭を悩ましています。今回は、POSデータを活用して在庫を削減し、生鮮部門の粗利を5%改善した事例をご紹介いたします。
在庫過多のスーパーは見飽きた売り場
在庫過多のスーパーの特徴としては、見飽きた売り場があげられます。弊社ではそんな過剰在庫に悩むスーパーを、今まで多くコンサルティングしてまいりました。在庫が過剰なスーパーのバックルームは、商品で埋め尽くされ、商品を探すことも難しくなり、作業効率が著しく低下していました。
スーパーでの在庫過多のデメリット2つ
在庫過多のデメリットは大きく2つです。1つ目は商品鮮度の低下、2つ目は作業の生産性の低下です。
在庫を多く抱えるデメリットの1つ目は、商品鮮度の低下です。熟成肉を除き、生鮮部門で扱う商品の多くは、時間がたてばたつほど、鮮度が下がり、味も見た目も悪くなります。当然、鮮度が落ちるほど、商品の売れ行きは下がります。
2つ目のデメリットは、作業効率の低下です。在庫が過多になれば、商品を探す手間や運ぶ手間がかかります。また、売り切れない商品も増え、ロスの手間も増えます。その分、作業の生産性も下がっていきます。
つまり、過剰な在庫が増えるほどに、それにかかるコストと手間が大きくかかり、スーパーの経営を圧迫していくのです。
POSデータの分析でスーパーの在庫を削減
POSデータとは、売上データとも呼ばれ、そのスーパーで「何が」「いつ」「どれぐらい」「いくら」売れたのかを示すデータです。このPOSデータを分析することによって、スーパーの在庫削減が実現できます。今回はPOSデータを使った在庫削減術を具体的に2つお伝えいたします。
在庫削減術①ちらしに重点商品のPOSデータを記入
POSデータとちらしを使い、重点商品が売れているかどうかを確認することができます。その手法は簡単です。その日のちらしにPOSデータを書き込んでいくのです。ちらしは、その日のスーパーの目玉商品、重点商品が並んでいます。実際にちらしに書き込むことによって、重点商品が実際にどれぐらい売れたのかがわかります。その結果をもって、次回の重点商品の計画に反映させます。
在庫削減術②定番商品を3つに分類する
定番商品も同じく、POSデータを使い分類していきます。定番商品は以下の3つに分類します。
- 売れている商品
- 地味だけれど、ある程度売れている商品
- 売れない商品
まず、1つ目の売れている商品に分類された商品は、欠品が起こらないように、補充を見直します。売れている商品が欠品してしまえば機会損失に繋がります。欠品を起こさぬように、適切な量、回数、売り場に商品が補充されているか、見直しましょう。
また、一番の問題は、売れていない商品です。売れていない商品こそ、在庫過多の原因です。売り場から撤去し、購入量を見直しましょう。一定期間内に販売実績のない商品は、ノンアクト・レポートで抽出できます。販売量が極端に少ない商品は、最大陳列量(2個、3個程度)を設定して、その数を下回ったら、その不足分を発注するようにします。
在庫削減で変わったスーパーの生産性3つの変化
上記の在庫削減術をひとつひとつ実現して行った結果、生産性について3つの大きな変化がありました。
まず、1つ目は在庫管理にかかっていた時間が大幅に削減されたことです。具体的に言えば、商品を探す・移動する・鮮度劣化品の処理などの仕事が減少しました。
次に2つ目は、発注の精度をあがったことです。在庫が少ない為、POSデータが見る癖がついたためです。
最後に3つ目の変化は、削減された時間で、他の付加価値業務を行うことができるようになったことです。付加価値業務とは、商品のPOP作成や販売計画、競合店調査、有料店視察、従業員の教育訓練などです。
無駄な作業を減らし、付加価値業務を増やした結果、生鮮部門の粗利益が5%改善いたしました。
スーパーマーケットの業務改善なら、サミットリテイリングセンターまでお気軽にお問い合わせください。