スーパーマーケットの業務改善事例(東日本)

2016年04月21日

POSデータの分析でスーパーの青果部門の欠品を大幅削減

基本情報

■プラン
発注管理

 

POSデータ分析

POSデータはスーパーのレジで売れた数字が定量的にわかるデータです。レジを導入しているほとんどのスーパーでPOSデータはありますが、準大手であっても上手く活用されているところは少ないのが現状です。今回はPOSデータの分析を通して、発注の精度を上げ、欠品を出さない技術を身につけたある青果部門の新人チーフの話をいたします。POSデータとは何か、分析におすすめのPOSデータ3選、実際の分析活用事例をご紹介いたします。

 

POSデータとは

POSデータとは、スーパーのレジで売り上げた商品を定量的に示すデータです。POSデータの一番の目的は、在庫を適正に管理し、欠品を出さないことです。スーパーでは、開店直後と夕方に重点商品の欠品が起きやすく、注意が必要です。POSデータを分析、発注数を修正することを繰り返すことで、利益を最大化する適正量に在庫を調整することを目指します。

 

「POSデータの分析方法がわからない」

今回のお客様は、東日本で複数店舗を経営する食品スーパーです。従業員規模は100人程度、地方の中型店です。弊社がコンサルティングに入って6年が経ちました。

今回の主役である青果部門の新人チーフは50代、しかも入社してから1年足らずでした。前任者の急な退職で、チーフに大抜擢されたものの、経験者のフォローもなく、作業が後手後手に回っている状況でした。POSデータの分析方法はわからず、発注時に頼るものは己の勘のみ。当然、発注しても売れ残りロス商品が多数出ました。商品が売れ残っているにも関わらず、重点商品は欠品し、お客様からお叱りを受けることも増えてきていました。ロス数とクレーム数に反比例して、新人チーフの自信はなくなり、ますます発注の精度が下がるという悪循環に陥っていました。そんな八方ふさがりの状況だったチーフに、発注の指標の一つとして、POSデータの分析方法を紹介しました。

 

在庫を適正化するおすすめPOSデータ3選

在庫の適正化に悩んでいた新人チーフに伝えたPOSデータは、大きく3つです。

 

①ベストレポート

まず、ベストレポートとは、日・週間・月間単位を指定して、その期間の部門やカテゴリー、売り場毎の売上高順や点数順の販売実績のレポートです。新人チーフがはじめに覚えたPOSデータです。日々のベストレポートは、繁忙日・閑散日の次の日に売上を確認して、発注数に生かします。週間のベストレポートは前年比で数字が伸び悩んでいる商品を特定します。また、重点商品で売上が高いものを調べます。月間のベストレポートは、週間レポートと似ていますが、前年比をみて単品別に売上が確保できるように調整します。前年よりも商品の相場が安い場合は不足する売上をどうやって補うのか戦略を立てます。

 

②単品のカレンダー管理

次に単品のカレンダー管理です。その商品が日に何個売れたのかがわかりやすく、曜日や天気のデータを加えることで、その曜日や天気による影響を追うことができます。

③企画登録(レジのメーカーによって呼び名が変わります)

最後は企画登録です。企画登録とは、商品分類とは別に企画ごとにトータルの売上を分析できるPOSデータです。企画登録は、フェアなどの企画の効果測定に有効です。例えば、2016年の「母の日」の企画を立てる際、前年や一昨年の企画登録のPOSデータを分析すれば、売れ筋の商品は何か、どういう販促が有効だったかを効果的に分析できます。

 

「POSデータを分析したら、欠品が減った」

先ほどご紹介した青果部門の新人チーフは、上記3つのPOSデータを分析して、その結果を売り場に反映させて行きました。POSデータで青果部門での売れ筋を整理し、売り場のレイアウトにも反映させました。重点商品の補充もPOSデータを参考に、数量やタイミングを見直しました。2月後、POSデータを分析・在庫を修正した結果、青果部門での欠品は大幅に減少しました。企画の欠品もほぼ無くなりました。過剰在庫も解消されました。POSデータという発注の物差しができたことで、チーフ自身、随分精神的に余裕がでたようです。入社1年の新人チーフも今では堂々と売り場でリーダーシップを発揮して、スーパーを盛り立てています。

 

POSデータ分析を活用した売り場作りをサポートします。スーパーでの業務改善なら、サミットリテイリングセンターまで、お気軽にご連絡ください。

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