経営のヒント
2025年08月04日
売上と利益をつくり直す「3つの基本」 ――「正しい型」を知れば簡単に業績は伸ばせる
最近、こんな声をよく耳にします。
「お客様の来店数が明らかに減っている」
「売場に活気がない」
「何をやっても反応が薄い」
その原因を“値上げ”や“猛暑”のせいにしたくなる気持ちも分かります。
でも、本当にそうでしょうか?
どんな時代でも、売れている店はあります。
つまり、売上が落ちているのは「需要がない」のではなく、店側が“売上をつくる行動”が出来ていないだけかもしれません。
今こそ必要なのは、戦略やテクニックではなく、現場で実行できる具体策と、その第一歩を踏み出す行動です。
売上を動かすカギは、たった3つ。
それを、無理せず、素直に「やりきる」ことです。
売上を構成する3つの要素を、もう一度動かす
売上は、「客数」「客単価」「来店頻度」の3つの要素で成り立っています。
この3つは、業種や立地に関係なく、どんなビジネスにも共通する普遍的な法則です。
つまり、売上を上げたければ、
「新規や既存のお客様に、どう来てもらい、どう買ってもらい、どう繰り返し来てもらうか」
を意識的に仕掛けていくことが求められるのです。
売上を上げる魔法のような近道はありません。
でも、3つの基本要素を地道に整えることで、確実に売上は立て直せます。
次の3つの実践ポイントを、ひとつずつ自店に当てはめてください。
①「客数を増やす」
来店してもらわなければ、何も始まらない。
お客様の足を動かす“理由”を、店が意図的につくることが重要です。
どんなに良い商品や価格設定があっても、お客様が店に来なければ売上は生まれません。
「わざわざ行く理由」を演出することが、最初の一歩です。
▷ 情報発信を止めない
たとえば猛暑の今なら、LINE配信やSNSで「冷やし中華の簡単レシピ」「火を使わないおかず」など、“いま買いたくなる情報”を発信。
▷ 地域とのつながりを演出する
地元の学校と連携した「夏休み自由研究コーナー」や、「氷プレゼント抽選会」など、子どもを連れて来たくなる売場づくりも効果的。
▷ 体験のある売場に変える
冷たいスープの試飲や、簡単に作れる夏野菜料理の実演販売など、滞在時間と購買意欲を高める工夫を。
②「客単価を上げる」
“来たからには、しっかり買ってもらう”。
そのためには、買いやすく・選びやすく・納得してもらえる仕掛けが必要です。
売上を伸ばすには、客数だけでなく「1人あたりの購買額」も重要。
“ついで買い”や“グレードアップ買い”を自然に促す売場設計がカギです。
▷ “まとめ買い”と“ついで買い”の設計
冷麺コーナーに「錦糸卵」「きゅうり」「ごまドレ」「器用トング」などを合わせて展開。“買いやすさ”を設計することがポイントです。
▷ 上位商品の提案を恐れない
「ご褒美アイス」「ノンアルスパークリング」「国産果実ゼリー」など、贅沢ニーズは夏こそ高まります。価格ではなく“気分”に訴えましょう。
▷ POPで“理由”を与える
「冷奴+トマト+大葉で夏のビタミン補給」など、健康や時短をテーマに「ついで買い」を促すコピーが有効です。
③「再来店率(頻度)」を高める
“1回来たお客様”を“何度も来るお客様”に育てる。
そのためには、店の記憶を残し、習慣化を生む仕掛けが必要です。
リピート来店は、売上の安定化に直結します。
「また来たい」「また行こう」と思わせる体験やサービスが、長く選ばれる店をつくります。
▷ 曜日イベントでリズムをつくる
「月曜=サラダの日」「水曜=冷凍食品特売」「金曜=お惣菜セット10%オフ」など、お客様の習慣に入り込みましょう。
▷ パーソナルな発信を強化する
「〇〇さん、今週のおすすめは“時短冷凍炒め野菜セット”です」など、名前入りのLINE配信で親しみと信頼を育てます。
▷ “ここだけ”の強みを深める
地元の夏野菜、昔ながらの味噌、地元港直送の鮮魚など、「この商品はこの店でしか買えない」という要素を、再来店のフックをつくりましょう。
「今までと違う何か?」一歩踏み出す勇気が、結果を変える
売上は
客数 × 客単価 × 来店頻度――
このシンプルな数式は、いつの時代でも変わりません。基本原則なのです。
高級スーパーでも、ディスカウント店でも。なんの特徴もない普通の店でも・・・。
そしてこの3つは、現場の力で確実に動かせるのです。
大きな投資や劇的な仕掛けは不要です。
「一枚のPOPを工夫する」
「売場の展開を少し変える」
「ひと声かけてみる」――
そんな小さな積み重ねが、数字と空気を動かします。
いま必要なのは、「出来るか・・・」ではなく、「やるか!」です。
あなたの店の未来は、あなたの一歩から始まります。
あなたの行動が、店の売上を、チームの空気を、そして自分自身を変えていきます。
ぜひ、今日から始めてみてください。
きっと、結果が変わるはずです。
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【マージンミックスで賢く稼げ】 儲かるスーパーにする方法 #71
「売上はあるのに利益が出ない」そんな悩みを抱えるスーパーマーケットの現場に必要なのが、“相乗積”と“マージンミックス”という視点です。
本動画では、部門・品目ごとの構成比と粗利益率を掛け合わせて店舗全体の粗利益を予測・改善していく「マージンミックス」の考え方と、実際の売場でどう活用すべきかを事例を交えて詳しく解説します。
こちらをクリック ⇒【マージンミックスで賢く稼げ】儲かるスーパーにする方法 #71
2025年05月14日
パート社員の“覚醒”が店舗利益を変える 〜データ活用が現場に火をつけた瞬間〜
スーパーマーケット経営の現場で、もっとも身近で、そして見落とされがちな改善資源。それが「パート社員の成長」です。
現場に根を張るその存在が、ほんの少しの気づきと手ほどきで、大きな利益改善をもたらすことがあります。
今回は、畜産部門でのあるパート社員との対話から始まった、利益改善の兆しをお伝えします。
「データなんて見たことがありません」から始まった一歩
ある地方のリージョナルチェーンにおいて、私は畜産部門の作業改善を支援していました。テーマは「加工指示書の仕組み化」 。
鶏肉を担当するベテランのパート社員に、「POSデータ(販売実績データ)を見たことがありますか?」と尋ねたところ、返ってきたのは「見たことがありません」との答え。
この瞬間に、私はチャンスを感じました。
すぐにチーフとパート社員に「10分ほどお時間をもらえますか?」と確認し、了承を得て、店長・バイヤーにも同席してもらい、事務所で実際のデータ画面を一緒に確認することに。
パート社員はパソコン操作に不慣れながらも、操作手順やデータの見方を熱心にメモ。慣れない作業に緊張しつつも、前向きに学ぼうとする姿勢が印象的でした。
現場にいる“人材”という戦略資源
「人材」という言葉は少し堅苦しいかもしれません。ですが、このベテランパート社員のように、毎日まじめに働いている方の一歩が、実は店舗の利益に直結する「戦略」になり得るのです。
この店舗の鶏肉部門で、売れ筋商品の欠品が防げれば――。
無駄な加工を減らし、廃棄ロスを抑えれば――。
ほんの少しの改善でも、年間で数百万円単位の粗利益改善が見込めます。そしてこの利益は、販促費などに依存しない“純粋な営業利益”として残る可能性が高いのです。
変わるのは、数字だけではない
もうひとつ重要なのは、「行動の変化」です。
このパート社員が、朝一番に自らデータを見て帳票を出し、加工量や発注量の調整を行うようになったとしたら――その意識や姿勢、行動は確実に変わっていきます。
そして、チーフや店長がそれを共有し、一緒に成果を喜ぶような関係性が築かれれば、さらに前向きな改善の循環が生まれます。
やる気が引き出され、仕事への自信がつき、最終的にはその人の人生の充実度にもつながっていく。決して大げさではなく、これは現場の“可能性”そのものです。
スキルより先に、やる気を引き出すことから始めよう
私は業務改善コンサルタントとして、仕組みや手法を提供していますが、最後に成果を大きな生み出すのは「人のやる気」です。
いくら優れた仕組みがあっても、それを活かす“気持ち”がなければ、現場は変わりません。
そして今、スーパーマーケット業界が直面している人手不足・賃金高騰という問題も、一人ひとりの成長によってこそ解決への道筋が見えてきます。
まず- 人に、寄り添ってみることから
今回の事例は、決して特別なことではありません。
皆さんの店舗にも、同じようなベテランのパート社員がきっといらっしゃるはずです。
ぜひ、まずは一人のパート社員に寄り添い、「一歩進むきっかけ」をつくってみてください。
その小さな変化が、売場を変え、数字を変え、チームを変え、会社の未来を変えるかもしれません。
【図解】パート社員による業務改善フロー図(イメージ)

✅ ポイント
データを見る → 自ら考える → 改善する → 成果が出る → 褒められる → もっと頑張る!
このポジティブサイクルが、チームと店舗を前向きに動かします。
【導入・実践マニュアル】
パート社員の“成長スイッチ”を入れる5ステップ
■Step 1 まずは「一人」に注目する
全員を変えようとせず、まずは信頼のおける一人のベテランパートに焦点をあてましょう。
「毎日頑張っている、あの人なら」と思える人を選ぶのがポイントです。
■Step 2 一緒にBOSSデータを見る時間を作る
朝の落ち着いた時間帯に10分ほど、事務所でデータを一緒に見てみる時間をつくります。
「この画面はこうやって見るんですよ」「この帳票が発注の判断材料になります」と丁寧に説明をする。
■Step 3 操作方法は紙に落とし込む
マニュアル化がカギです。
「この順番でやれば見られる」「印刷はこのボタン」など、紙1枚に簡潔にまとめた操作ガイドを用意しましょう。メモ魔のパートさんには、書かせることで理解も深まります。
■Step 4 現場で活用 → 小さな成功を見逃さない
データを見て「加工を1kg減らしてみたら、ピタッと売り切れた」などの小さな成功体験を拾ってあげましょう。
そのときに、「すごいやん!」と、声をかけることが最大の推進力になります。
■Step 5 成功体験はチームで共有する
成果が出たら、店長・チーフ・他のスタッフにも共有しましょう。
「○○さんのおかげで、昨日ムダなく売れました」
このひと言が、本人にとっては何よりの報酬になります。
📌補足ヒント
- 改善は「制度」ではなく「関係性」がつくります。
- パート社員の“成長の見える化”は、育成と評価の第一歩です。
- 「仕組み化」は属人化からの脱却にもつながります。
2025年05月10日
マンネリのベテラン社員が「覚醒」する瞬間
~結果を出せないチーフが変わった理由~
先日、クライアントのスーパーマーケットに、業務改善の担当部長と青果部門のバイヤーとともに訪問しました。
車中で、訪問先の店舗状況についてバイヤーにヒアリングしたところ、次のような話がありました。
- 「売上が伸び悩んでいる」
- 「在庫は少ないけど、売上が取れていない」
- 「粗利を取るために守りの売場になっている」
店舗に到着して売場を見渡すと、私は、すぐに違和感を覚えました。
- 「売れる売場になっていない」
- 「季節感がない」
- 「何を売りたいのか、まったく伝わってこない」
売るべき商品が、売れていない
本来、売り込みたい商品は平台のエンド、いわゆる「マグネット売場」に展開するのが基本です。ですが、そのコーナーには売上下位の商品や、旬を過ぎた商品が並んでいました。
視認性が高く、集客効果の高い場所に、売れる商品を置かない。これでは当然、売場効率も下がってしまいます。
そもそも、
- 今売りたい商品(商品ライフサイクル上の注力商品)
- 季節の主力商品(来店客に響く定番品)
- 政策的に打ち出す必要のある商品
といった【売場の優先順位】が、まったく整理されていないのです。
固定観念が「売れない原因」になる
私は青果チーフにこうした問題点を伝えましたが、返ってきた言葉は、
「うちの店は高齢者が多いので、柑橘類がよく売れるんです」
というものでした。一見もっともらしい説明ですが、聞けば聞くほど、実態とズレている感覚が強まりました。
その場で、私はバイヤーに「この店の野菜と果物のベストレポート(販売実績表)」を出してもらいました。
結果は――
チーフが「売れている」と思い込んでいた商品と、実際によく売れている商品はまったく違っていたのです。
経験が邪魔をする瞬間
長年の経験があると、「昔はこうだった」「この商品はうちでは鉄板」といった【固定観念=バイアス】が無意識に染み付いています。
しかし、時代は変化しています。
気候も変われば、商圏人口や構成も変わります。当然「売れる商品」「売れるタイミング」も変化します。
だからこそ、POSの実績データを使って売場を管理することは、今や必須のスキルなのです。
「覚醒」のきっかけは、事実と気づき
その後、売場の数カ所を一緒に見直しました。
直近の実績データ(ベストレポート)を確認しながら、事実と重いとのズレを説明しながら改善点を説明しました。
私は売上ナンバーワンのトマトの売場で、「このトマト、売場改善すれば売上200%になるかもしれませんね」と声をかけると、チーフは笑いながらもこう答えました。
「200%は難しいですが、120%や130%は狙えそうですね」
このとき、明らかにチーフの表情に変化がありました。
「守りに入って何もしない」と言われていたチーフが、手応えを感じ、前向きになった瞬間でした。
私は気になった苺とカットフルーツの冷蔵平ケースの売場を修正して見せました。無駄なダミーを外し、ベースを再設定し、陳列を簡素化して整えたところ、チーフはこう喜びました。
「この陳列、悩んでたんですよ!すごくやりやすいですね。掃除もしやすくなりそうです」
このときの一言は、私にとっても嬉しいものでした。
仕事を「楽に・早く・楽しく」できるようにする――まさに、私の支援の目的が達成できた瞬間でもあります。
大切なのは「仕組み」と「きっかけ」
今回のケースは、どのスーパーにも起こり得る話です。
ベテラン社員、チーフ、店長、パートさん――。
誰もが「今までのやり方」から抜け出せなくなることがあります。
でも、少しだけ頭を柔らかくすれば、「もっと良い方法」は必ず見つかります。
そしてその方法の多くは、「簡単に・楽に・早く・結果が出る」ものなのです。
本当に必要なのは「知らなかった」をなくすこと
「できない」のではありません。
「やり方を知らなかった」「気づいていなかった」だけなのです。
だからこそ、上司や会社がやるべきことは、“やる気を引き出す仕組み”をつくること。
チーフが前向きに変わったように、実績が出ていない社員でも、やり方さえ伝えれば結果は出ます。
現場に眠る力を信じて、もう一度向き合ってみてください。
最後に
今、日本中のスーパーが「原価高」「人件費高騰」「人手不足」に直面しています。
だからこそ、一人ひとりが成長し、「仕事のやり方」を進化させていくことが何よりも重要です。
そして、何も教えてあげなかったら。
上司が、「あいつは出来ない」と決めつけていては、会社もベテラン社員も人生の大切な時間をムダにしてしまいます。
現場には、まだまだ改善の余地があります。
そして、それは「大きなチャンス」であり、「未来の利益」そのものなのです。
2024年08月19日
3年連続赤字のスーパーが、1年で急回復‼ 1000万円以上の黒字化を実現した『たった2つの方法』
今回は、私のクライアントの直近の事例を紹介したいと思います。
3年間、大幅な赤字が続いて債務超過に陥っていた地方の小さな会社が、1年で1000万円以上の営業利益を出してくれました。前年対比の増益額は数千万円に上ります。
この事例を聞くと、血の出るような痛みを伴ったコストカットのような大改革をやったのでは・・・。と、思われる方も多いのではないかと思います。
しかし、全くそういうことではありません。
そういうことをしたところで、短期的には黒字化するかもしれませんが、中長期で見たら戦力も低下してしまい、長続きする話ではありません。場合によっては会社自体の存続が危うくなってしまうことも十分考えられます。
遣ったことは、至ってシンプルで簡単な行動です。
■基本中の基本を「ただ実行してもらった」だけ
今回の改善方法は至ってシンプルで、「基本中の基本」をただ実行してもらっただけです。
しかし現在、全国に多く存在する、経営不振の中小零細のスーパーマーケット(SM)のその多くは、その「基本を知らない」のです。
また、知っていても「実行してない」という企業がほとんどだと私は思っています。
もちろん、凄まじい競争の中で必死に経営している中小スーパーもあります。
しかし、その「問題の解決策は、外部要因ではなく、内部的な課題を改善するだけで、営業利益を大幅に拡大できる」場合が少なくないのです。
今回の記事は、そのような事例とご理解ください。
ちなみに、私のコンサルティングでクライアントに伝えていることは、作業を「簡単に楽に早くする」というキーワードです。
朝から晩までしんどい思いをして、休みも少なく、低賃金で働くようなことを続けていても、誰もやる気で仕事をしてくれる人なんかいません。
そのこと自体が、生産性を低下させ、売上と利益も確実に低下する方向に向かいます。
■営業利益を大幅に拡大した、その1の方法【粗利益の改善】
今回行った改善点は、大きく二つです。
一つ目は、粗利益率の改善です。
粗利益の改善に対して、多くの企業で問題を抱えていることも少なくないと思います。今回の事例の会社は、たった3ヶ月間程度で生鮮4部門の荒利益が、その全てにおいて大幅に改善しました。
営業利益の拡大は、値入を高めることと、ロスを減らすことになるのです。
しかし、もう一つ重要なことがあります。
それは、「粗利益率はこんなものだ」と思い込んでいることです。
ほとんど何の根拠もないのに、です。
今までの経験や勘で決めているのです。規模が同じくらいの会社と比べて「他所と同じくらいとれている」と、変に安心しているのです。
また、よくある質問の中で「業界的にはどれくらいの粗利益ですかね?」と聞いてくる経営幹部もまた多くいます。
しかし、この「業界標準」というのが全く当てにならないのです。
なぜならば、ある程度大きな企業に絞られた数値のその平均値であること。
そして、それ自体会社によって振れ幅が大きく違う。
当然、会社の戦略によっても違うし、強みや弱みによっても違ってくる。
これを平均値で出して、それを参考にすることが、何かの役に立つでしょうか・・・?
私は、全くとは言いませんが、ほぼほぼ役に立たないと思っています。
なぜなら、立地も違えば、競合状況も違います。
また、現場では、高く売れば「売れないのではないか・・・」と思い込みです。
また、売上を伸ばさなくてはいけないので、多少粗利予算を下げてでも売上を取りに行く。
「売上が上がればなんとかなる・・・」と考えている経営者も少なくありません。
ところが、実際には、その思い込みによって、本来取れるべき数字(粗利益)が取れない企業が、とても多いことに気づきます。
■頭の中を『利益を取る』目的に切り替える
予算(粗利益率)でいつもより高い設定をして、それが達成できない場合、すぐ諦めて元に戻す。このパターンの会社はとても多いのではないかと思います。
そして、基本的な話で値入れの話にしても、売価設定自体が「これでないと売れないではない」と考えてしまっている。
そこには実践的マーケティングの知識もなければ、実践もない。
高くても物は売れるし、お客さんに納得して買っていただけます。
その仕組みを作ることがマーケティングです。
NB商品などのコモディティー商品は別として、生鮮品や和日配品など、勝手に売る側の思い込みによって、ただただ安売りをしているのではあまりにも勿体ないと思います。
お客様に「価値を伝える」「買う人の背中を押す」など、マーケティングの知識の習得と実践活動の努力で、適正売価での販売を考えるのです。
■営業利益を大幅に拡大した、その2の方法【部門別損益管理】
二つ目は、部門別損益管理です。
店別部門別の損益計算書を作成して、現状の営業実績のカルテを作って改善課題を明確にするのです。
損益計算書ですが、店別・部門別損益を出して管理運営しているSMは、本当に少ないと思います。
中、小零細SMに至っては、ほぼほぼやってない会社が多いと感じます。
たまに「遣っている」という会社がありますが、戦略的に活用されていません。
店舗全体で粗利益が低い高いと言ったところで、
「どこに原因があるのか」、
「どこを直せばいいのか」、
「どこを優先すればいいのか」、
ということが基本的に分からないのです。
分からないということは、憶測で改善行動を行うことになります。
的外れな無駄な計画を立てることにもなります。
その成功の確率は限りなく低くなれます。
それを毎年毎年繰り返してしまうのです。
結果的に、ムダな行動は、時間とお金をムダに使ってしまうことになります。
これでは、正しい経営はできませんし、業績は上向くことは望めません。
必要なことは、実績値を正しく読み込むこと、そして達成可能な予算を立てることを合わせて考えることで、ムダの少ない改善行動が取れることになります。
今回の事例の場合、グロッサリー部門の営業損益に大きな問題があり、粗利益率が極端に低く、大きな赤字に陥っていました。現在、品揃えを見直し、ゾーニングや品揃え、棚割の改善を進行中です。
各部門の実績と、改善すべきポイントに対して優先順位をつけて改善を行った。これがこの会社の行った活動です。
■競合を考える前に、自店をお客様目線で見直す
最初に申し上げたように、この会社の改善課題は大きく二つ。それを行っただけで、競合店対策や売上を上げるためのマーケティングの大きな仕掛けを実行したわけでもありません。
よく言う「敵は内にあり」と言う典型的な話です。
でもこのことは、全国の中小零細のSMで多く見られることでもあるでしょう。
3年間も毎年毎年大きな赤字を出し続け、最初に損益計算書を見て、私ははっきり言って冷や汗をかくほど愕然としました。
正直、「本当に改善できるだろうか」と思いました。
しかし、確実に現場は実行してくれて結果を出すことができたのです。
■正しく行動すれば、どこの会社にもチャンスはある
今回、私がこの事例を紹介したのも、中小零細のSMも、正しい行動を起こせば、短期間に大きな成果を出すことができるということ。
そして、諦めムードでやっていた会社の運営が、180度大きく転換できることを理解してほしいと思ったからです。
今回の会社においては、店内照明の取り替えなど、今までやりたくても出来なかった設備投資を実行することが出来るようになって来ています。
何と言っても、経営者と現場で働くメンバーも明るく仕事に取り組んでもらっています。
これから、マーケティング戦略に軸足を移し、地域のお客様にさらに喜んでいただけるように地域一番店を目指して頑張ってもらいます。
やっと、スタートラインに立てたのです。
これからは、「実践的マーケティングの実験を繰り返す」という、楽しい仕事をやってもらいます。
2024年08月05日
「人手不足と賃金アップ」ピンチをチャンスに変える‼ 中小SMの業務改善:実践事例
「なんぼ募集しても、応募は全く有りませんわ・・・」
先日、訪問の折、クライアントの社長からのため息交じりの一言です。
賃金が確実に上がり、最低時給程度で募集を掛けても何の反応もない・・・。人手不足は、多くの人員を必要とするスーパーマーケットでは深刻な問題です。
中小零細のSM(スーパーマーケット)企業では、
①給与の低さ
②長時間労働の慢性化
③土日や祝日の休暇の取りにくさ
などの問題を抱えている場合が多いと思います。
ITが進化し、就職のための会社情報が簡単に集められる現在、これと言った対策を何も講じていなければ、従業員の採用は非常に厳しいと言えます。
そして、少子高齢化で確実に減り続ける働き手。地方では人手不足で閉店を余儀なくされた店舗も出てきています。
IT関連など、生産性の高い仕事への構造的な労働力移動も考えられる現代。打つべき課題はある程度ハッキリしていると私は考えています。
【8月2日、日経電子版】の記事から
(前略)
青森市内のあるスーパーが営業を終了したとある。担当者は「企業努力だけでは解決の見通しがない」と嘆く。求人広告を出しても応募がほとんどなかったという。人手不足を理由とした閉店だ。
(中略)
23年の就業者は6747万人。各年代の就業率が変わらない前提で試算すると、24年は全体の0.5%にあたる30万人超が減る。これからは毎年30万〜70万人の自然減が見込まれ、就業者は30年に6500万人、60年は4900万人となる。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)によると15〜64歳の生産年齢人口はピークの1995年に比べて23年は15%減った。それでも女性や高齢者の労働参加で、就業者は約300万人増えた。
その働き手の「予備軍」は枯渇が近づく。今は職に就かず仕事を希望する人は、15歳以上の3.7%に過ぎない。03年の8.0%の半分以下と大きく減った。
企業は次の一手を打つ。イオンは24年度からグループ40社で、同じ業務を手がけるパートの待遇を正社員と同等にする制度を順次導入する。総合スーパーを展開するイオンリテールの場合、昇格試験に合格し、月120時間以上働くことが条件となる。売り場責任者として約150人が登用され、一部地域では年収が2割程度上がったという。
同社は4月末、人工知能(AI)の業務システムを導入した。40万人いるすべてのパートにAIを活用する研修をしたうえで、1週間から1カ月先までの販売計画を各店でつくる。リスキリングで生産性を高め、中核業務をパートに移す。
(中略)
正社員に比べ景気に左右されるパートは賃上げの動きが急だ。5月のパートタイム時給は前年同月比4.1%増と、正社員基本給の2.6%増を上回る。よい時給を提示しないと、人手は確保できなくなった。
人手不足をチャンスに変える生産性アップという賢い考え方
日経新聞の記事にもあるように、スーパーマーケット業界は深刻な人手不足に直面しています。
そしてこれは、今現在の短期的な問題ではなく、構造的に今後も続くと理解しておく必要があります。
このことを前提にすれば、中小零細SMは、現状の店舗運営自体を完全に一から見直す必要があります。
そして、生産性を高めるための行動を起こす絶好のチャンスであると前向きに考えてほしいと思います。
本記事では、人手不足を克服するための具体的な実践方法のその一部を紹介します。
1. 在庫削減、適正化
生産効率に大きく関わるのが在庫です。
①鮮度の高い商品を顧客に届けるという視点
②店内物流の高い効率を実現する
という2つの視点から、在庫を科学的に適正に管理することが求められます。
基本的には、ジャストシステム(必要なものを、必要な時に、必要なだけ)を念頭に、ムダな在庫は持たないことが重要です。
【具体的な事例】
①バックルーム在庫
基本的には、ゼロにすることを考える。
在庫が過多であると、ムダな移動や片付けなどの作業が発生する。また、生鮮品を中心に鮮度低下や見切りや廃棄の商品ロスと作業が発生する。
これら全てが、ムダな作業とコストが発生して生産性を確実に低下させる。
②定番在庫
POSや季節指数データなどを活用して、適正陳列量を割り出す。
売れ筋商品は出来だけフェイシング数を拡大し、陳列在庫を増やす。売れ行き不振商品は、改廃のスビートを早める。
商品ごとに、補充作業を減らす視点と回転率を高める視点とを持つこと。
③在庫処理
生鮮品はもとより、日配品やグロサリー商品においても、見切りコーナーを特設して早期に取り掛かり、短期で処理してしまうこと。基本的に廃棄を起こさないこと。
2.作業プロセスの見直しと標準化
まずは、店舗内のすべての業務プロセスを詳細に見直しましょう。 各業務のステップを洗い出し、ムダに行っている作業や重複しているタスクを特定します。
これを基に、標準化された手順書(※1マニュアル)を作成し、全スタッフが一貫した方法で業務を行えるようにします。
これにより、作業の効率化と品質の均一化が図れます。
特に、『人時売上高を向上させる』という考え方と視点が重要になります。
※1紙よりも、動画で作成するほうが、作成時間を短縮でき、理解力も高められる。
①発注業務
販売計画をもとに、POSデータ(売上、販売数量、商品ロス、販売推移など)を検証し、発注点(在庫)とリードタイムを勘案して予測数量を割り出す。欠品や過剰在庫を起こさない適正量を発注する。
発注の出来不出来で、店内作業工数を左右し生産性に大きく関わるため、担当者のスキルアップ計画も重要となる。
②商品化業務
加工指示書を作成し担当者の待機時間を無くし、ジャストシステム(必要なものを、必要な時に、必要なだけ)で加工する。
作り過ぎを無くすことが重要。
③補充作業
商品の補充作業を標準化し、具体的なガイドラインを作成することで、新しいスタッフでも迅速かつ正確に陳列できるようにする。
特に、カートの効果的な活用や両手作業、処理時間など動作経済を意識する。
これらは重要な改善対象課題となり生産性に大きく関わる。
3. 自動化とテクノロジーの活用
最近のテクノロジーの進化は、スーパーマーケットの業務を大幅に効率化するツールを提供しています。
例えば、セルフレジや電子棚札、在庫管理(自動発注)システムなどを導入することで、スタッフの負担を軽減し、顧客満足度も向上します。
特に在庫管理システムは、リアルタイムで在庫状況を把握できるため、無駄な在庫を減らし、欠品も防ぐことができます。
【具体的な事例】
①セルフレジ、セミセルフレジ
セルフレジやセミセルフレジなどを導入することで、顧客自身が会計を行い、スタッフのレジ業務負担を軽減し、レジ部門全体としての人時数を削減する。
お客のレジ待ち時間の不満も大幅に改善できる。
②電子棚札
電子棚札を導入し、価格変更を一斉に行うことで、POPの差し替えや確認作業など売価変更作業を省略し、作業人時を節約する。
③自動発注システム
POSシステムと連携した在庫管理システムを導入し、推定在庫をリアルタイムで追跡することで、設定した発注点(在庫)から自動で発注を行うことで、欠品や過剰在庫を防ぐ。
また、これに関わる単純作業の人時を削減する。
4. 店舗レイアウトの最適化
店舗のレイアウトも、ムダを削減するための重要な要素です。
商品の配置を見直し、顧客が効率的に買い物できるようにすることで、スタッフの業務効率も向上します。
また、作業動線の最適化によって、スタッフがより効率的に作業できる環境を整えることが可能です。
【具体的な事例】
①カテゴリ別(用途関連)の配置(ゾーニング)
顧客が一箇所で関連商品を見つけられるように、商品カテゴリ(用途関連)ごとに配置をまとめる。
②レジの配置
レジを客動線が長くなるように配置(通常、青果側)し、顧客が店舗全体を効率的に回れるようにする。
③バックヤードの配置
バックヤードの作業動線を最適化(基本、短く)し、スタッフのムダな移動が発生しないように、各バックルームと什器や設備の設置を科学的に行う。
5. パート社員のスキルアップ
簡単な単純作業を処理するための単純労働者としてではなく、戦略実現のための人財として活躍してもらうことを念頭に置きます。
パート社員の研修を充実させることで、高い技術を有した即戦力として活躍してもらうことが可能になります。人時売上高と生産性を高めるためのプロセスを設計して実行します。
また、必要な時間帯には高い時給を支給することも、売り逃しを減らし売上高を高めるためには重要なことです。
【具体的な事例】
①基礎作業の処理能力アップと主体業務へのシフト
単純作業への投入人時削減のための訓練を行い、その実行レベルを高めること。
販売計画や発注、営業POPの作成や試食販売など販売力を高める人材として登用する。
②マルチタスク化
陳列や品出し、商品加工やレジなど、一人で複数の仕事を受け持つマルチタスク化を推進する。必要に応じて柔軟に配置をコントロールする。
③人事考課
基礎業務、戦略業務(目標)に対して、その出来栄え(貢献度)に応じて公平に評価し、個人の次の目標設定を行うという、やる気の出る人事考課制度を整える。
6. チームコミュニケーションの強化
スタッフ間のコミュニケーションを強化することも重要です。
定期的なミーティングや情報共有の場を設けることで、戦略の実行状況や問題点の早期発見など、迅速な対応が可能になります。
また、スタッフ一人ひとりの意見を尊重し、働きやすい環境を作ることで、モチベーション向上にもつながります。
【具体的な事例】
①朝礼・夕礼の実施
毎日の朝礼や夕礼を通じて、当日の業務内容や注意事項を全スタッフと共有する。必要に応じて課題設定と修正も行う。
②フィードバック制度
定期的なフィードバック制度を導入し、スタッフの意見や提案を積極的に取り入れる。
③チームビルディング活動
「各メンバーの持つ経験や能力を最大限に発揮して、チームの目標を達成出るチームを作り上げる」というチームビルディング活動を定期的に行い、スタッフ同士の信頼関係を深める。
【 結 論 】
人手不足は確かに大きな課題ですが、それを解決するための方法は数多く存在します。
店舗内のムダを徹底的に排除することは勿論ですが、本部の指示命令系統で店内工数を増やしてしまう事例も少なくありません。
サプライヤーなど利害関係者も含めた徹底したムダの撲滅を図る業務改善を進めることで作業工数を減らし、人手不足を解消することも十分可能です。
また、改善が進まない一番の原因が、今までの作業方法に捉われて「できない理由」をいうベテラン社員がボトルネックになる場合もあるでしょう。
「高い時給を提示しないと、人手は確保できない」ということを念頭にして、
①ムダな作業を例外なく減らす
②スキルアップ計画を確実に実行する
など、新しいアプローチで店舗と本部の運営を見直してみましょう。
高い生産性を実現することで、従業員の高い報酬を実現することが出来ます。
徹底して例外なしのムダ取りを考え実行しましょう。
内部の課題や問題は「意外に解らない」という経営幹部も少なくありません。
その場合は、経験豊富な専門化の意見を聞くという柔軟性も重要です。
2024年07月31日
赤字から簡単・確実に『黒字に転換する』ためのアプローチ
業績低迷で苦しんでいる中小のスーパーマーケットが日本全国に少なくないと思います。
今回は、赤字(低収益)から黒字に転換するための具体的なアプローチについて、いくつかの提案をさせていただきます。
以下は、私が業務改善コンサルタントとして行っている基本的なものですが、各店舗の状況に応じてカスタマイズしていただくと確実に成果を出すことが出来るでしょう。
1. 現状分析
- 財務分析: 売上、コスト、利益の詳細な分析を行い、どこに問題があるかを特定します。特に在庫回転率、粗利益率、人件費、その他の運営コストを細かくチェックします。
- 顧客分析: 顧客のニーズと購買パターンを把握します。アンケートやPOSデータの分析を通じて、ターゲット顧客層の特定とそのニーズを明確にします。
2. コスト削減
- 在庫管理: 過剰在庫の削減と適正在庫の維持を徹底します。売れ筋商品と不良在庫を見極め、仕入れの最適化を図ります。
- 人件費の最適化: 労働効率を上げるためにシフト管理の見直しや、従業員の多能工化を進めます。
- 運営コストの削減: 人件費、電気代、広告宣伝費、固定資産税、地代家賃から包装費の使用など見直し、あらゆる無駄を削減します。
3. 売上向上
- マーケティングとプロモーション: 地域密着型のプロモーションを強化します。例えば、上位顧客(ロイヤルティ)プログラムや地元イベントの開催などを通じて、顧客のリピート率を高めます。
- 商品ラインナップの見直し: 顧客ニーズに合った商品を揃えるために、商品構成を見直します。特に地域の特色を活かした商品や、オリジナルブランド商品の導入を検討します。
- デジタル化の推進: オンライン注文や宅配サービスの導入など、デジタルチャネルを活用して新たな収益源を開拓します。
4. サービス向上
- 顧客サービスの強化: 顧客満足度を向上させるために、従業員の接客スキル向上や、店舗の清潔感の維持に努めます。
- 店舗環境の改善: 店舗のレイアウトや照明、商品陳列を見直し、買い物のしやすさを向上させます。
5. パートナーシップとコミュニティ
- 地元企業との提携: 地元の農家や生産者との提携を強化し、新鮮で品質の高い商品を提供することで差別化を図ります。
- コミュニティとの連携: 地域社会との連携を深め、地元住民の支持を得るための取り組みを行います。 地域貢献活動やCSR活動を通じて、地域に根ざした存在となることを目指します。
これらの施策をバランス良く実施し、店舗の状況に応じて調整しながら進めることで、半年から1年程度での黒字化を目指すことができます。 具体的なアクションプランを作成し、定期的に進捗をチェックすることも重要です。
上記課題の中から、売上向上に関する具体的かつ効果的な実行事例をいくつか解説します。これらの事例は店舗の状況や地域特性に応じてカスタマイズしていきます。
1. 商品ラインナップの最適化
- ローカル食品の導入: 地元農家や生産者との連携を強化し、新鮮な地元産の食品を販売します。例えば、地元産の野菜、果物、乳製品などを取り扱い、「地元の味」としてアピールします。
- 事例: 地元の特産品フェアを開催し、普段取り扱っていない地元産の食品を期間限定で販売することで、新たな顧客層を獲得。
2. プライベートブランド商品の開発
- オリジナル商品: 高品質かつ競争力のある価格のプライベートブランド商品を開発します。特に日常的に使用する商品(食品、日用品など)をターゲットにします。
- 事例: プライベートブランドのオーガニック食品ラインを導入し、健康志向の顧客を引き付ける。
3. デジタルマーケティングの強化
- SNS活用: Facebook、Instagram、Twitter、LINEなど、SNSを活用してプロモーションや新商品情報を発信します。フォロワー限定のクーポンやキャンペーンを提供することで、顧客のリピートを促進します。
- 事例: Instagramで「料理コンテスト」を開催し、優勝者にはスーパーマーケットのギフトカードをプレゼント。これによりSNSでの拡散を図り、新たな顧客を誘導。
4. 顧客ロイヤルティプログラムの導入
- ポイントカードシステム: 顧客が購入ごとにポイントを貯めることができるロイヤルティプログラムを導入します。一定ポイント達成で特典や割引を提供することで、リピート購入を促進します。
- 事例: ポイント3倍デーを設定し、特定の曜日に来店する顧客を増やすことで売上を向上。
5. イベントの開催
- 店内イベント: 店内での料理教室、試食会、子供向けイベントなどを定期的に開催し、顧客との交流を深めます。イベントを通じて新商品やオススメ商品をアピールします。
- 事例: 季節ごとの試食イベント(夏はアイスクリームフェア、秋はパンプキンフェアなど)を開催し、季節商品への関心を高める。
6. 店舗レイアウトの見直し
- 客動線の改善: 店舗内の顧客動線を見直し、買い物のしやすさを向上させます。 特に、売れ筋商品やプロモーション商品を目立つ位置(マグネット)に配置します。
- 事例: レジ前に衝動購買・商品(小型のスナック菓子、飲料、雑貨など)を配置し、購入点数を増やす。
7. オンラインショッピングとデリバリーサービスの導入
- ECサイト運営: オンラインでの注文とデリバリーサービスを開始し、店舗に来られない顧客にもアプローチします。
- 事例: 週末限定のデリバリー無料キャンペーンを実施し、オンライン注文を促進。
8. コミュニティとの連携
- 地域イベントへの参加: 地元のイベントやフェスティバルに積極的に参加し、スーパーマーケットの認知度を向上させます。
- 事例: 地元の運動会のスポンサーとなり、参加者に特別割引クーポンを配布する。
これらの実行事例を組み合わせて実施し、定期的に効果を検証(定量、定性)しながら改善を図ることで、売上(来店客数)の向上を目指すことができます。
次に、コスト削減に関する具体的かつ効果的な実行事例をいくつか挙げます。これらの事例はスーパーマーケットの規模や状況に応じてカスタマイズしていきます。
1. 在庫管理の最適化
- 自動発注システムの導入: 売上データをもとに在庫を自動的に発注するシステムを導入することで、過剰在庫や欠品を防ぎます。
- 事例: POSデータを分析し、売れ筋商品と季節商品を自動的に補充するシステムを導入。これにより欠品や過剰在庫の修正の在庫管理や計画業務などの時間をふやす。
- 定期的な在庫棚卸し: 在庫の棚卸しを定期的に行い、在庫の現状を数字と現物で把握します。これにより、不良在庫や廃棄ロスを減らします。
- 事例: 月1回の棚卸しを実施し、滞留在庫の早期発見と適正な在庫コントロールを実施。
2. 労働コストの削減
- シフト管理の最適化: 労働需要に応じたシフト管理を行い、ピーク時に必要な人員を配置し、閑散時には人員を減らします。
- 事例: 来客データをもとにピークタイムと閑散タイムを分析し、シフトを最適化。これにより、必要最小限の人員で運営が可能に。
- 多能工化の推進: 教育訓練によって、従業員を多能工化し、複数の業務をこなせるようにすることで、人員配置の柔軟性を高めます。
- 事例: 従業員に対して交差訓練を実施し、レジ打ち、品出し、接客など複数の業務を担当できるようにする。
3. エネルギーコストの削減
- 省エネ設備の導入: LED照明や省エネ冷蔵庫など、省エネ設備を導入することで電力消費を削減します。
- 事例: 店内の全照明をLEDに切り替え、冷蔵設備の効率化を図ることで、年間の電力コストを大幅に削減。
- エネルギー管理システムの導入: 店舗のエネルギー使用状況をリアルタイムで監視し、無駄なエネルギー消費を削減します。
- 事例: エネルギー管理システムを導入し、電力ピーク時の使用量を抑えることで電気料金を削減。
4. 物流コストの削減
- 共同配送の活用: 他の小売業者と共同で配送を行い、物流コストを分担することでコストを削減します。
- 事例: 近隣の小規模スーパーと共同で仕入れと配送を行い、物流コストを半減。
- 配送ルートの最適化: 配送ルートを見直し、最短距離で効率的に配送を行うことで、燃料費や人件費を削減します。
- 事例: 配送ルートの最適化ソフトを導入し、配送効率を向上させることで、配送にかかる時間と燃料費を削減。
5. 運営コストの削減
- サプライチェーンの見直し: 仕入れ先を見直し、よりコストパフォーマンスの高いサプライヤーと契約することでコストを削減します。
- 事例: 複数の仕入れ先と交渉し、より良い条件で契約を更新することで仕入れコストを削減。
- アウトソーシングの活用: コア業務以外の業務(商品加工、清掃、警備、ITサポートなど)をアウトソーシングし、店内作業工数を減らしコストを削減します。
- 事例: 清掃業務を専門業者にアウトソーシングし、従業員の人件費を削減。
6. 廃棄ロスの削減
- 食品ロス削減プログラムの導入: 賞味期限が近い商品を割引価格で販売するなど、食品ロスを減らす取り組みを行います。
- 事例: 賞味期限が近い商品を集めた「見切りコーナー」を設置し、割引販売。 これにより廃棄コストを削減。
- フードバンクとの提携: 賞味期限が近いがまだ食べられる食品をフードバンクに寄付することで、廃棄コストを削減します。
- 事例: 地元のフードバンクと提携し、余剰食品を寄付することで廃棄コストを削減し、地域貢献も果たす。
7.その他のコスト削減
- 地代家賃の契約変更:多くの実績を持つ信用できる専門化に依頼して家賃交渉を行う。
- 固定資産税の還付:専門化の協力を得て、一つ一つの対象科目に対して検証を行い適正値を割り出す。
これらの事例を組み合わせて実施し、定期的に効果を検証しながら改善を図ることで、確実にコスト削減を達成でると思います。
以上、営業利益を確実に向上させるための課題について解説しました。おそらく、多くの中小スーパーマーケット企業で、「実行できる課題」が発見できたのではないでしょえうか。
目先の売上を追いかけていれば「何とかなった」時代は、とっくに昔に終わっています。実行できる課題を発見し、スピードをもって改善課題を解決することが重要です。
そして、そこから生まれた利益を、従業員教育や効率UPのための設備の導入など、戦略投資を行うことが次の成長のためには、とても重要なことです。
2021年01月08日
アフターコロナで確実に成長するための「店長の業務改善/ムダとりの極意」 【食品商業2月号・原稿】
しかし、その考え方と行動は、生産性をアップする目的の上では、非常に重要であり、その改善行動は、実に大きな成果を生み出します。
私は、スーパーマーケットを中心に、業務改善のコンサルタントをさせていただいています。
スーパーマーケットの多くの現場(店舗、本部)には、数えきれないほどの多くのムダが存在して、生産性を低下させ、結果的に、会社の営業利益を低下させ、従業員の低報酬という結果を生んでいます。
これは、単なる時間とお金を浪費しているということだけではなく、『戦略を実現するための大切な時間』を奪ってしまうということになります。
今回の記事は、机上の空論ではなく、日々クライアントを指導する、現場の事実を交えながら、ムダを減らし確実に生産性をアップさせることの意味と、方法について解説していきたいと思います。
“ムダ”とは、どういう意味か?
ムダとは、単に「役に立たない、効果がない」ということに留まりません。
業務上のムダとは、時間とお金(利益)を生まないことに浪費してしまうことです。
また、「お客のためにならない行動」「お客の喜びに繋がらない行動」すべてが、ムダであると言えると思います。そして同じく、「従業員の成長に繋がらないもの」とも、表現できます。
営業戦略上、ムダは、原価(FLコスト)を押し上げることになります。
例えば、過剰な在庫は、保管経費、探す手間、鮮度低下や汚損破損、運搬や移動、作りすぎ、出しすぎ、値引き、廃棄などという様に、多くのロスと作業を発生させることになります。(図①参照)
その分、目標の粗利益や営業利益を確保するために、値入率を高くせざるを得なくなり、売価が高くなりますので、結果的に競争力は低下する方向に向かいます。
※FLコスト:F=food(原価、材料費)、L=Labor(人件費) を足した費用のこと
ロスと利益の相関関係と対策
生産性を高めるという前提で言うならば、ムダとは、ロスと同意語です。
次の図①は、営業利益の相関図になります。
それぞれのロスを低減することができれば、粗利益高や営業利益高、そして、売上高を高めることができるのです。
【図①】損益管理・相関図
ロスは、結果として、時間とお金をムダにしてしまうことになりますが、特に、時間は有限であり、過ぎた時間は、二度と戻ってきません。時間をムダにした場合と、有効に使った場合とでは、生産性や営業利益に、とんでもない差を生むことになります。
そして、対策としては、図①の【原因1~3】などの課題を改善することになります。
“ムダ”の棚卸し
現場に視点を置いてみると、そこには、多くのムダが見つかります。
多くの現場で見かける、ムダの事例をいくつか紹介すると、
【物理的なもの】
① 過剰な在庫
② 過剰な、店舗や設備投資
③ 過剰な人時投入(予算無し、稼働計画書無し)
④ 作業遂行能力の低さ(指示書無し、手順・方法の悪さ、個人スキル不足)
⑤ 作業道具の不備
⑥ 効果測定の無い(低い)広告チラシ配布(販促経費)
⑦ 水道光熱費の浪費
⑧ 多くの紙の配布(会議、通達、FAXなど)
など
【人為的なもの】
⑨ 生産性の低い会議
⑩ 計画のレベルの低さ(無さ)
⑪ リーダーの単純作業遂行
⑫ 教育と訓練計画(実行)の無さ
⑬ 目先の売上を追う活動
⑭ やる気の出ない人事評価制度
⑮ 離職率の高さ
など、
その一部ですが、多くの現場で、容易に発見することができます。
そして、先述した過剰在庫(主因)の事例のように、そのことが、関連する多くのムダ(従因)をさらに、誘発することになるのです。
レベルの差はあれ、これらのムダが、日々、時間とお金を浪費し続けることになります。
マーケティング思考とローコストオペレーション思考
少し見方を変えて、戦略思考を考えてみたいと思います。
次の図②は、社内(店内)で使っている総人時を、『付加価値業務』と『単純作業』に分けて考えています。競争が激化し、その内容も高度化(複雑化)する中で、今後営業戦略上、進むべき(取るべき)人時活用法を表しています。
【図②】付加価値業務と単純作業の考え方
単純作業は、商品加工や補充品出しなどのように、新人の社員でも、ある程度の短期間でスキルを習得することができる作業のことです。一方、付加価値業務は、戦略策定や各種計画、教育訓練などのように、売上、粗利益アップに直結するような作業(行動)のことです。
簡単に説明すると、作業動作や仕組みの改善を行い、「単純作業の投入人時を減らす」こと、そしてその分、「付加価値業務を遂行する時間を増やす」という考え方です。
『マーケティング思考』とは、簡単に言うと、「売れる仕組みを作る」ということです。
ターゲティングとポジショニングを明確にして、営業戦略を立て、行動計画を立てて、それを確実にチームとして、日々実行するということです。
『ローコストオペレーション』とは、簡単に言うと、「仕入れてから、お客に商品を届けるまでの一連のコストを徹底して下げる」ということです。
これらの二つのことが確実に、遂行され、そのレベルが上がれば、お客の高い支持を得て、営業利益は、飛躍的に拡大することになります。
※ターゲティング:多くの潜在顧客の中から、来店してもらいたいお客(客層)を決めること
※ポジショニング:ターゲット客に対して、自店の立ち位置(遣ることと遣らないこと)を決めること
ビジネスの目的は、営業利益の拡大
ビジネスの目的は、稼ぐことです。
会社は、適正な利益を確保できなければ、存続できません。
そして、ある程度の手元資金の余裕がなければ、成長するための学習(視察、研修、コンサルティングなど)を受けることも難しいと言えます。
企業の成長と発展のためには、従業員の教育訓練や生産効率を上げるための設備などに投資をすることが必要です。それらを実現するためには、資金が必要になります。
そして、前向きな投資は、戦略的に、そして、計画的に行うことが求められます。営業利益の拡大や従業員の報酬アップは、その成果となり、そのための業務改善のサイクルを回すことが重要です。
「ビジネスの目的は」と聞くと、「お客様の満足」と答える人も多いですが、それは、企業の存続意義や、理念やコンセプトのことです。
どの様なビジネスでも、『お客の支持』が売上を向上させて、会社の利益(稼ぎ)を高めることに繋がります。そのためには、適正な利益を確保することが、必須なのです。
業務改善の実例と事実
まずは、次の表①、②をご覧ください。
これらの表は、私のクライアント(地方で3店舗運営)の部門別損益の実績表になります。(クライアントには、投稿の許可を得て掲載してあります)
表①は、青果部門の月別・部門別損益管理表です。
この表で、一番に確認したいことは、
① 各月の部門の営業利益高の前年対比の増減
そして、それを構成する、
② 粗利益高の前年対比の増減
③ 人件費の前年対比の増減
さらに、生産性の指標である、
④ 人時生産性と人時売上高
になります。
【表①】部門別・月別推移、損益管理表
詳しく見ていくと、売上高(前年対比)の伸び以上に、粗利益高の伸びが大きいことがわかります。また、人件費は、前年対比で7%程度下回っています。
結果的に、営業利益高(粗利益高-経費合計高)は、月平均約200万円程度増えていました。
付け加えるならば、このチームは、前年から業務改善を行っています。一昨年の営業赤字の実績に対して、昨年は赤字幅を大幅に縮めました。
今年は、それをさらに改善を加えて大幅増益で、完全黒字化を達成しています。
一方、人時効率を見てみると、売上高は伸びていますが、投入人時は、前年対比86%程度です。
結果的に、人時売上高(売上高÷投入人時)の伸びが、約125%、人時生産性(粗利益高÷投入人時)が、約130%の伸びを実現しています。
このことが、営業利益の拡大を確実にして、『稼ぐ』ことを実現しています。
売上が伸びなくても、営業利益は大幅に増やせる⁉
次の表②は、店舗の月別の推移表になります。
コロナ禍の影響もあり、売上高は好調に推移していましたが、徐々にその効用も薄れつつあります。(8月に、ドラッグストアが商圏内に進出、9月・前年対比99.6%)
営業利益を見てみると、3月(268%)、4月(1970%)、5月(1436%)、6月(1289%)、7月(412%)、8月(231%)、
そして、9月の営業利益は、売上高は前年割れの99.6に対して、435%を達成しました。
【表②】月別推移、損益管理表
この事例を紹介した、一番の目的は、小さな企業でも、現場のムダをなくして、遣るべきことを遣れば、確実に営業利益(儲け)を拡大できるということです。そして、次の成長のために投資をするという、正しい成長戦略を実行することが可能であることをご理解いただけると思います。
基本原則を学び、実践する‼
今回の事例企業も含め、私は、クライアントに対して、「目先の売り上げを追うな‼」と教えています。
それは、安定的に、そして、確実に営業利益を拡大させるためには、実践的マーケティングやローコストオペレーションなどの基本原則を正しく学習することが重要であるからです。
そのことをしないで、特売などで目先の売上を追うとどうなるか。多くの場合、粗利益率を落としたり、経費率(人件費)が高くなったりして、営業利益を大きく下げてしまうことが多いからです。
そして結果的に、頑張っているのに、給料は増えない現実になるのです。
基本的に理解しなければならないことは、売上は、「儲けではない』ということです。
特に今後、コロナ禍特需が無くなり(アフターコロナ)、ドラッグストアやディスカウトストアのさらなる進出、そして、冷え込む消費者心理を考えると、『売上高は伸びない』という前提で、営業戦略を考える必要があります。
業務改善の種を蒔く
天才エジソンは、白熱電球を開発するのに、一万回の失敗を重ねたと言います。
しかし、エジソンは、それを、「失敗ではない。うまくいかない一万通りの方法を発見しのだ」と言ったそうです。
現場のムダを理解して、取り除くことも、「効果を出さない方法を知る」ことになります。
経験の浅い人が、チャレンジして失敗することはムダではないと思います。新たな行動を起こさないでいるベテラン社員の方が、ある意味ムダです。
先述した事例の企業も、決して、多くの知識や特別な能力を持っていたチームではありません。
基本原則を徐々に学習して、改善行動を素直に、前向きに行った結果なのです。
生産性を上げるためには、作業を「簡単に」「早く」、そして、「楽に(楽しく)」することです。
そのために、基本原則を学び、効率よく、ムダ無く行動することが重要です。
【図③】職位と仕事と戦略的時間活用
リーダー自ら、ムダな行動を確認し、行動を正すことです。単純作業を遣って、「仕事をしているつもり」になっていてはいけません。図③のように、リーダーは、将来の良い結果を出すための仕事に、多くの時間を使うべきです。
店長は、日々現場で、お客や従業員に関わり、『現場の問題点の発見や課題設定を行う』という、重要な職責を担っています。ですから、リーダーの時間の使い方で、チームの将来の結果は、大きく変わることになります。
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月刊商人舎[電子版] ■新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」
2020年08月28日
8ケ月で、『営業利益2.5倍』達成‼…正しい業務改善のすすめ⁉【商人舎WEBコンテンツ3月号・原稿】
下記の表・1が、その実績数値(3月から12月)になります。
12月の実績は、
1. 売上高 98.4%
2. 粗利率高 111.0%
3. 営業利益 252.3%
となり、
営業利益が前年実績の188万円アップになっています。
【表・1】
数年前は、それなりの営業利益を上げていた、地方に数店を構えるスーパーマーケット企業です。
しかし、ここ数年、他のスーパーマーケットやドラッグストアの進出で、売上はジリ貧、粗利益が低下して、営業利益が大幅に減少してきていました。
当然ですが、生産性は更に低い状態です。
業務改善をスタートした当初は、全体的に基本原則を伝えて、部門ごとの課題の改善に取り組んでもらっていましたが、青果部門の改善が進まずにいましたので、途中から、青果部門全店の改善を集中的に遣ることになりました。
・品質管理
・在庫過多
・値下げ、廃棄ロス
・作業スピード
・売り場展開
・マーチャンダイジング
など、課題箇所はハッキリしています。
改善策として、実行してもらったことは、
・POSデータを活用した数量管理
・検品の徹底と早期の見切り処理
・仕入基準の明確化
などによって、鮮度(支持率)を上げること。
・売場コンセプトの明確化(鮮度と味にこだわる)
・重点商品の売上アップ策
・計画的マグネット展開
・実践的なマーケティングの原則理解と実践管理
などによって、粗利益率を拡大すること。
そして、
・在庫削減
・作業段取り(手順)変更
・作業動作の修正
・カートの効果的活用
などで、ムダな作業工数を削減して、作業効率を上げること。
など、単純作業の投入人時削減と、付加価値業務への人時投入拡大を実現して、実行していきました。
これらの業務改善活動によって、下記の表・2で分かるように、
1. 投入人時 89.4%
2. 人時売上高 110.1%
3. 人時生産 124.2%
を実現しました。
【表・2】
人時生産が上がるということは、会社にとっても従業員にとっても、好ましいことであり、特に、売上が伸びにくい時代には、非常に重要なことです。
会社は、人件費効率を高めて、損益分岐点を下げる効果が期待できます。 一方、従業員にとっては、人時当たりの付加価値をアップすることによって、報酬アップを実現することに繋げられます。
このことは、生産性を考える上では、重要なポイントです。
そして、中長期的に企業が成長発展するためには、確実に人時生産性を向上させることを、確かな目標にすることが重要です。
この企業も、競合店が多く売上げが伸び悩み、苦労していました。
しかし、これは、日本中で起こっている現象であり、ドラックストアの出店など、さらに厳しさを増す商圏が、日本中にあると言えます。
その中で、「どの様にビジネスを行っていくのか?」が、問われている時代だとも言えます。
私がクライアントに言っていることは、
「今の売上で、十分に営業利益を拡大させる体質」になるための『仕組みを作り上げる』ということです。
今、日本全国で、業績低迷で苦しんでいる会社のその殆どのは、『昔ながらのやり方』を続けています。
会社が継続発展するためには、『売上が伸びない時代でも儲かるやり方』に変えないといけないのです。
その対象は、商品構成や品揃え、オペレーションなどのほぼ全てを変えるということです。
要するに、『生産性を上げる』ということです。
スーパーマーケットの多くは、生産性が低すぎます。当然、損益分岐点も高いという現実があります。
だから、競争力が低くなってしまいます。
「商品構成や品揃え、オペレーションなどのほぼ全てを変える」と言いましたが、一挙に何もかも遣るということではなく、優先順位をつけて、業務改善を行うということです。
営業利益を2.5倍にしたクライアントも、確実にその手順を踏んで遣っています。
そして、全てを成し遂げたということでは有りません。まだまだ、道半ばです。
これから、一流の域まで到達してもらいます。
そして、今回の成果で重要なことは、チームメンバーが、「自分たちは遣れる!」という、『自信』を身に着けたことです。
自信無さげにしていたチームが、半年程度で、全く違うチームに変身しました。
そして、このチームは、今後、「攻撃的な販売戦略をやる」準備が整ってきています。
実際には、もう少し先になりますが、十分な利益を出せるようになってきていますから、その余裕が十分に出てきています。
今後、他の部門の業務改善を実施していきます。
そして、それぞれの部門の特性に合わせたオペレーションの改善や、実践的マーケティングを実行してもらいます。
そして、次にやってくる新年度は、戦略的な営業戦略を組んでもらうことになります。
今まで、Excelを使って、数字合わせをしていた予算を、各部の営業利益を使った攻撃的な戦略を組んでもらいます。
来年の今頃は、どうなっているか、大いに楽しみになってきました。
当然、会社全体で、最低でも、『営業利益2倍』を達成させます。
そして今よりさらに、「地域で一番愛される。無くては困る」、デスティネーション・ストアになってもらいます。
▶商人舎電子版が、ご覧になれます↓
月刊商人舎[電子版] ■新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」
2020年08月28日
半年で、営業利益2.5倍。「売上が伸びない時代に、稼ぐ方法⁉」【商人舎電子版20・2月号・原稿】
今回は、私のクライアントの業務改善の実践事例を紹介しながら、確実に業績向上につなげるためのアイデアをお伝えします。
紹介する企業も、競合店が多く売上げが伸び悩み、苦労していました。
しかし、これは、日本中で起こっている現象であり、ドラックストアの出店など、さらに厳しさを増す商圏が、日本中に存在すると言えます。
その中で、「どの様にビジネスを行っていくのか?」が、問われている時代だとも言えます。
以下に、半年で営業利益を2.5倍にした、クライアントの青果部門の事例を解説していきます。
現場の課題と改善策
当初、会社全体で業務改善のコンサルティングをスタートさせましたが、なかなか行動を変えられなかったのが、青果部門でした。
そこで、先に、青果部門のコンサルティングを行うことを決定し、営業利益改善の結果を出そうということになりました。
重点的に行った改善内容は、以下のようなことです。
①部門別損益管理(管理会計の実施)を行う
本当に、「儲かっているか?」を確認して、改善行動に取り掛かります。
各店舗の損益計算書を活用して、部門別の損益計算書を作成します。
売上と粗利益だけを管理していたこれまでの方法から、営業利益の拡大を考えている方法に変えていくことにより、担当者の意識と行動が全く変わります。
「黒字か?」、「赤字か?」、そして、「実績の推移はどうなっているか?」と、事実を確認し、改善必要個所を見付け出します。
②オペレーション改善で、コストと時間を減らす
オペレーション関係の課題は、在庫、作業動作、作業指示、マテハン、定位置管理などです。
在庫過多は、確実にFLコストを押し上げます。また、鮮度低下を招き、結果的に競争力を低下させてしまいます。粗利益にもコストにも関係する重要な課題です。
また、在庫が適正でないということは、数量管理が出来ていないということですから、欠品を引き起こす可能性も高まります。
そして、作業改善は、現場とそこで働く従業員の動きを観察し、レベルが低い場合は、必要に応じて、方法や手順など、担当者の修正・訓練を行います。
③実践的マーケティングのスキル・アップで、粗利益を拡大する
マーケティング関係の課題は、品質管理基準、重点商品管理、売場づくりの4P、マグネット展開、商品構成、品揃えなどです。
原則的には、鮮度が良く、味が良いことを常に売場で実現することです。
そして、商品の価値情報をお客に伝えるプロモーション(特にPOPや試食など)が重要になります。
マーケティングは、「売れてしまう仕組み」を構築することです。
一例ですが、関連購買、衝動購買、条件購買、想起購買などの、理論的な理解と、実践により、徐々に担当者のスキルがアップすることになります。
これらのことによって、粗利益率を、確実にアップさせることが出来ます。
④リーダーシップの欠如を改善
チーム
「良い結果を出せない」、「行動しない」ことの原因は、リーダーシップの欠如が大きく関係します。
「言ってるんですけどね・・・」を口にする人の多くは、リーダーシップを取っていません。社長でも例外ではありません。
リーダーの重要な仕事は、部下を育てること。そして、遣る意味(コンセプトや戦略)を理解させて、ムダの少ない行動をさせることです。
言うまでもなく、「やる気にさせる」ためのコミュニケーション力が必要になります。
結果を出すのは、納得できた“人”
とは言え、何の問題もなく、スムーズに業績向上に繋がった訳ではありません。
そして、一つのことが改善出来たら、それで、すぐに大きな成果が出て来る訳でもありません。
大きな成果を勝ち取るためには、幾つかの改善活動と、それなりの時間の経過が必要です。
そして、一番大事なこと、チームを成功へと導くリーダーシップです。
この企業では、私の訪問日の午前中は、商品の鮮度や味、プロモーション、そして、各担当者の作業動作などを現場で確認を行います。
その後、バックルームに全員集合してもらい、立ってミーティングを行います。
参加者は、社長、商品部長、バイヤー、各店チーフ、訪問店担当者と私です。
基本的に、毎回全員参加です。
各バイヤー、各チーフが、部門別損益管理表を見ながら、自店の結果報告を行い、改善活動の実行成果や課題を話し合います。
その後、私が、観察した現場の課題や改善点、改善方法を伝えます。
午後からは、重点課題の解決と原理原則について、私が座学研修を行います。
大きな問題が起こったのは、改善活動をスタートさせて、3ケ月目のことです。
それまで、少しずつ営業利益が改善し、その拡大幅が大きくなっていました。
ところが、3ケ月目の営業利益が、激減したのです。
私は、午後の座学のときに、商品部長と店長を集めてくれるように、社長にお願いしました。
「あなた達は、この1か月間、彼らの改善活動をどの様にフォローしましたか?」
私の質問に、誰もが返答できませんでした。
彼らは、何もフォローしていなかったのです。
「チームの成果が出なかった原因は、あなた達のリーダーシップのなさです」
と、私は、彼らを叱責しました。
しかしその後、全店長が、青果チームの改善活動のフォローをしてくれて、チーム一丸で遣ってくれました。
結果、年末商戦の12月、営業利益前年対比2.5倍を実現してくれたのです。
青果部門バイヤー、各店チーフ、メンバー、店長、部長、全員がチームとして動いてくれた結果が出ました。
自信が、更なる成果に繋がる
今回紹介したクライアントは、原則に沿って、確実に業務改善の手順を踏んでくれています。
しかし、これで全てを成し遂げたということでは有りません。まだまだ、道半ばです。
これから、更にステップアップしてもらいます。
そして、重要なことは、チームメンバーが、「自分たちは遣れる!」という、『自信』を身に着けたことです。
当初自信無さげにしていたチームが、半年で、全く違うチームに生まれ変わりました。
また、このチームは、高い営業利益を出すことが出来るようになったことにより、野菜の低価格販売など、攻撃的な戦略をやる準備が出来つつあります。
今後は、他の部門の業務改善を実施していき、それぞれの部門の特性に合わせたオペレーションの改善や、実践的マーケティングに磨きをかけて実行してもらいます。
そして今よりさらに、「地域で一番愛される。無くては困る」、デスティネーション・ストアになってもらいます。
売上が伸びない時代に、稼ぐ方法⁉
私が、このクライアントに日頃言っていることは、
「売上が伸びなくても、営業利益を拡大させる、仕組みを作ろう」ということです。
今、実際に業績低迷で苦しんでいる会社は、「今のやり方では、営業利益は拡大できない」と理解すべきです。
会社が継続発展するためには、競合、少子高齢化、過疎化の環境の中で、「売上が伸びない時代でも儲かる」やり方に変えないといけないのです。
そのための改善可能領域は、商品構成や品揃え、マーケティング、オペレーションなど、営業活動のほぼ全てと言えます。
マーケティング力を向上させて(付けて)、粗利益を拡大すること。
オペレーション力を向上させて(付けて)、ローコストオペレーションを実現すること。
それによって、『生産性を上げる』ということ。
これらの課題に対して、具体的に計画を立てて、確実に行動することです。
また、解らなければ、学習することです。
今回紹介したクライアントは、自分たちが今まで経験したことのないことを成し遂げ、大きな成果を達成してくれました。
しかし、特別高度なスキルを持ったチームメンバーが揃っていた訳でもありません。
運よく、競合店が閉店した訳でもありません。
只々、彼らが前向きになって実行してくれたからです。
最後に、
バイヤーの一人は、「他所の売価が気にならなくなりました」とも、言っています。
また、一人のバイヤーは、「感動で、本当に涙が出ました」とも言っています。
これらの言葉が、彼らの成長の証です。
そして、強くなった証です。
そして、彼らは、経営者感覚を持っています。
サラリーマンから、ビジネスマンに変身しました。
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月刊商人舎[電子版] ■新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」
2020年04月16日
半年で138%の伸長 普通のチームが叩き出した、売上アップ
新型コロナウイルスのこともあり、WEB会議システムを使っての実績報告と課題提言です。
定量的成果としては、
売上高138%(客単価120%、客数115%)で、営業利益も目標を上回る実績で、半年間の活性化プロジェクトは終了することが出来ました。

また、定性的成果としては、
① 店舗のブランド力の向上
② 差別化戦略の深耕
③ 地域との繋がり(ジョイントベンチャー)
そして、
④ 各現場担当者のリーダーシップ力アップ
⑤ 実践的マーケティング・スキルの向上
⑥ 結果を出す、『仕事の仕方』の習得
などです。
ひとえに、クライアントの現場の方々が、「前向きな取り組み」をしていただいた成果です。
現場の各メンバーは、皆で話し合い、目標に向かって共に行動する『良いチーム』となっています。
当初、元気がなく、下を向き、諦めムードが漂っていましたが、今は、確実に前を向き、目を輝かせ、主体的、意欲的に改善行動を取ってくれています。
何と言っても、皆、明るくなりました。
仕事は、『楽しく』遣れば、生産性も確実に上がります。
単純な、トップダウンでは、得られない大きな成果です。
そして、最後に、更なる成長を期待して、課題と提言です。
① 成長を止めない仕組みと行動
② 成功事例の他店への水平展開
③ 「挑戦を楽しむ」という、風土づくり
です。
チームメンバーは、会社の財産として、まだまだ大きな成長が期待できるものと考えています。
また、プロトタイプの実験店舗も、成長過程であり、今後更に成長が期待できます。
重要なことは、この成長を止めないこと。
そのための仕組みづくりが重要であり、必須であるのです。
そして、私から、最後の提言は、
『常に、顧客目線を忘れず、
「お客が必要としていること」、「お客が悦ぶこと」、「お客の気付いていない何か」にフォーカスして、常に新しいことに取り組み、挑戦することを楽しむこと。
そして、成功するまで遣るという、前向きで、スピーディーな行動が当り前のチームであってほしい』と伝えました。
報告を終えると、経営トップから、
「次のプロジェクトを手伝ってもらいたい」
との指示をいただきました。
その内容は、
1. (引き続き)プロトタイプの実験店の成長
2. 不振、大型店の活性化
3. リニューアル店舗の計画
のプロジェクトを同時にコンサルティングしていきます。
大いにワクワクする、楽しいコンサルティングが出来そうです。
一人でも多くの人の人生を豊かにするために、気合を入れて指導してまいります。
-Mission(我が使命)-
私の人生の目的は、
より良い方法を教えて、人々の人生を豊かにすることです。
2020年03月11日
大胆な戦略的マージンミックス 【月刊商人舎2月号・原稿】
お客が「安い」という場合、絶対的な価格と、相対的な価格があります。
絶対的な価格は、競合店の売価に対して、自店の価格を比べるときの売価です。
一方、「この商品価値なら納得の価格」と言うように、お客がその商品の品質と売価に対して、値ごろを感じるような、相対的な価格があります。 そして、お客が持つ、個人の価値観から「安さ」の意味は変わります。
注意が必要なことは、売る側の懐具合からくる「安さ(値ごろ感)」と、お客の考える「安さ」には、ギャップがあること理解することも重要です。
お客は、『売値』と『価値』とのバランスを賢く判断して、購買を決定しているのですから、大まかですが、どこでも売っているNB商品(コモディティ)は、低価格を提示することになります。
そして、ローカル商品やこだわり品(ノン・コモディティ)などは、その価値をお客に伝えて、価格の妥当性や値ごろ感を訴える活動に力を入れることが重要となります。
「他所の売価なんか見るな⁉」
私はクライアントに、「他所の売価なんか見るな‼」と教えています。
これは、野菜や鮮魚など生鮮部門のことですが、その真意は、実際にそのことによって、担当者が、お客に提供する商品の価格ではなく、価値を先に考えるようになってもらいたいからです。
売価を先に考えると、当然競合店のことが気になります。
しかし、本当に考えなければならないことは、ターゲット顧客に対して、「お客のためになる商品は何か」を問い続け、それに該当する商品を選定し、提供すべきだと考えるからです。
これは、綺麗ごとを言っているのではありません。
事実私のあるクライアント(中小企業)は、昨年の夏と冬に臨時ボーナスを出しました。
この企業は、地方で2店舗を運営していますが、この1~2年で、上場企業のドラッグストアが、なんと3店舗出店してきました。野菜や果物、肉なども取り扱っています。
そして、今まであった競合を含め、ドラッグストア5店舗と競合しています。
1店舗目が出て来ることがわかった時、改めてコンセプトと行動指針を立てました。
その時に私がクライアントに言った言葉が、「他所の売価なんか見るな⁉」です。
「鮮度と味で、地域ダントツ1番を目指そう」ということの意味です。
顧客にとって、本当に「お得で良い買い物をしてもらう」ための行動をするということです。
更に、付け加えたことは、「グロサリーの売上と粗利益は、毎年下がる」と言うことです。
ですから、「他所で売っていない良いものを売ろう」ということを考えて、行動してもらっています。
これらの日々の努力で、先述した成果に繋がったのです。
競争で苦しんでいる店舗は、基本的に、ここのところを理解してもらいたいと思います。
「値ごろ感」を出す‼
実践的マーケティングで理解しておきたいことの一つが、フロントエンドとバックエンドです。
フロントエンドは、お客の支持率の高い商品を低価格で販売することや、楽しいイベント企画などを、新聞折込みチラシなどの広告媒体を使って、商圏内の潜在顧客に訴えて、集客率を高めるという手法です。
来店客数を増やすことを目的としたマーケティングの仕組みのことです。
一方、バックエンドは、来店したお客に、粗利益がしっかりとれる商品やサービスを買ってくれるようにする仕組みのことを言います。
バックエンドは、商品自体の価値や、お客がそれを買う(使う)ことによって得られるベネフィットを、効果的に価値情報としてお客に伝えることが重要です。
フロントエンドとバックエンドは、昔から商売で言われている、「損して得取れ」に近いものです。お客は、安さと値ごろ感を体感することになります。
フロントエンドの『低価格』とバックエンドの『価値』を効果的に使い分けることによって、自店の営業戦略モデルを完成させます。
そのことによって、集客率と買い上げ率を高めることに繋がります。
実践的マーケティング手法を使う
ドラッカーの有名な言葉で、「マーケティングはセールスを無用にする」と言うものがあります。
これを実践的に言うと、「売れてしまう仕掛け(仕組み)を作る」ということです。
この時に重要になってくるのが、POPや試食、陳列演出などのプロモーションです。
値ごろ感を感じさせるプロモーションの事例を、幾つか紹介します。
①糖度表示と売価
果物の糖度をはかって、それをお客に伝えます。
そのことによって、お客から見た『値ごろ』を演出することが出来ます。
また、販売するほうも、品質に対する知識と意識を高めることが出来るようにもなります。
写真① お客の支持を得て、高糖度トマトの売上比率が圧倒的に高い売場②コピーライティングの技術
「商品を知って、納得して買ってもらう」ための技術です。
商品が良いから売れるとは限りません。
ターゲット顧客に対して、十分にその商品自体の価値や、使うことによって得られるベネフィット(お客の得)を伝えることが出来れば、商品は売れていきます。
「売れてしまう」仕組みを作る技術のことです。
③試食販売
糖度表示と同じように、お客に対してダイレクトに、商品の味を伝えることです。
お客は、味を確認した上で、納得したものを買うことが出来ます。
④圧倒する迫力感で値ごろ感を出す(100円均一)
品揃えや、マージンミックスで売り場を作り、お客の期待を超えることで、商品は動き出す。
写真は、40アイテムから50アイテムを集合させて作った、100円均一市の売り場。
これらの事例は、マーケティング手法のほんの一部ですが、このようなことの技術力を高めることで、『値ごろ感』を演出する活動を、ルーティンとして日々実行します。
そのことで、お客の納得の上で、粗利益を高めることを実現して、確実に営業利益を高めることにつながるのです。
戦略的にマージンミックスを活用する
ドラッグストアも、薬や化粧品と食品や日用品などとのマージンミックスをやっているのです。
単純に、スーパーマーケットもそれを、戦略的に、そして科学的にやればいいのです。
そのためには、「うちの会社としては、どういう形が考えられるか」を真剣に考えることです。
ここでいうマージンミックスは、一般的な粗利益をコントロールするマージンミックスと、部門別損益をコントロールするマージンミックスです。
粗利益をコントロールするマージンミックスは、部門やカテゴリーのマージン(粗利益率)ミックスです。
競合店の『安さ』に対して、自店の強みを生かしながら、お客に対しての低価格を打ち出すカテゴリーと、確実に粗利を稼ぐカテゴリーとに分けて運営し、粗利益率をコントロールするのです。
お客が、安さや値ごろ感を感じるために有効です。
具体的には、NB商品や玉子など、支持率(PI値)の高い商品(カテゴリー)の低価格を打ち出して、その他の商品やカテゴリーで、粗利益を確保して、全体の粗利益高(率)予算を確保するというやり方です。
しかし、これには限界があります。競合店も同じようなことをやってくることも、十分予想されるからです。
これに対して、戦略的なマージンミックスは、部門別損益を活用したマージンミックスです。
部門別損益を算出して、各部門の営業利益を活用して行うのです。
より戦略的なやり方であり、商圏内で自店のポジショニングを設定するという上でも、重要な戦略です。
要するに、人件費を含むすべてのコストを「ケチる部門(カテゴリー)」と「掛ける部門(カテゴリー)」。
また、粗利益を稼ぐ部門と、低値入で低価格を打ち出す部門とに分けて考え、実践することによって、お客の感じる安さを実現するのです。
もし、ここが理解できなければ、専門家に聞くことが早道です。それが、競争が厳しくスピードを求められる時代に重要な『リーダーの仕事』と言えます。
戦略部門の設定は、自店の置かれた競争状況や自社の強み、また、各部門の損益(営業利益)状況などによって、やり方(戦略)が異なります。
大まかな話しになりますが、洋日配や加工食品など価格設定は、中立化を意識して、ドラッグストアの売価に近づけます。
しかし、大きく下回ってしまうようなことをして、相手を刺激して、地域で消耗戦になっては意味がありません。
特に、資本力のない中小の企業は、絶対に避けるべきです。
また、加工作業が無いグロサリー部門全体は、店舗レイアウト、陳列什器、陳列作業など、特にランニングコストを計画的に低減する日々の改善活動が重要になってきます。
生鮮に関しては、野菜など支持率の高いカテゴリーを、値入を抑えて低価格で販売することは、店舗の日々の集客自体を高める効果がありますので、実行効果が大いに期待できます。
また、惣菜品全般は、差別化商品を作り上げることが出来れば、値入れを高くすることも出来ます。
そのことで、人時生産性をアップすることが可能となります。
この様に、部門別の営業利益のマージンミックスを行うことで、自社独自の営業戦略を構築し、お客に対して、『安さ』を十分に打ち出し、且つ、『味』や『鮮度』を確実に高めていくことが出来るようになります。
生鮮強化は必須課題
低価格販売を実現するために重要なことは、継続的に実行可能な仕組みを作り上げることです。
ローコストオペレーションを実現して、売価を下げるという『正しい手順』を組み実行することが重要です。
目先の売上を追うような単なる安売りは、確実に会社の体力を低下させることになってしまいます。
例えば、2019年度のコスモス薬局の粗利益率は、約19.9%で、販売管理費率は15.9%。営業利益率は、約4%となっています。
そして、食品の売り上げ構成比率は、約56.3%です。
販売管理費率の高いスーパーマーケットは、このような店舗が近くに出店することは脅威です。特に、生鮮部門が強くない店舗は、劇的に売上を落とすことになるでしょう。
スーパーマーケットが生き残るためには、生鮮部門の活性化は必須であり、重要課題であると言えます。
コスト削減による低価格の実現
一方、コスト削減ですが、人件費、販促費など損益計算書の経費のすべてが例外なしに対象になります。
そして、その中でも、圧倒的に経費率が高いのが人件費です。
作業訓練や仕組みの見直しなどによって、投入人時のムダを無くして、生産性を高めていくことが、コスト削減では一番貢献度が高く優先すべきことです。
例えば、FLコストを考えて、現場作業の改善を考えることは、効果的です。
FLコストは、食材原価と人件費を足したものです。
FとはFood(食材費)、LとはLabor(人件費)の略です。
飲食業界で使われる数値であるのですが、スーパーマーケットの業界では知らない人も少なくないかもしれません。
商品原価だけでなく、商品加工や陳列など、入荷から、お客が買い上げるまでに、それぞれの単品に対して掛けている(掛かってしまっている)人件費(投入作業人時)の総和の低減を実現するという考え方です。
FLコストを下げることが出来れば、単純に売価を下げることが可能となるのです。
また、チラシ広告などの広告費用と、その効果測定も重要です。
カラーで綺麗なチラシを作っていても、集客率が低ければ、ムダな経費を使っていることになります。
この様に、経費比率の高いものを重点的に、費用対効果の効果測定をすることを強くお奨めします。
※FLコストに関しては、商人舎WEBコンテンツ1月号で解説していますので、参考にしていただければと思いますこ。
価格だけのお客を相手にしたら儲からない!
最後に、「お客は、価格だけを見て買い物しているのではない」ということを正しく理解することが重要です。
競争が厳しくなり、売上の低下を気にして、利益の伴わない短期的な安売りをするようなことは、絶対に避けるべきです。
努力するべきことは、先述したような改善活動を確実に行うことです。
日本の多くのスーパーマーケットは、生産性が低いと言えます。
逆に言えば、業務改善を行い、ムダなコストを削り、生産性を高めることは十分可能であるし、そのための方法は、幾らでもあると言えます。
当然のこととして、価格競争だけを考えていては、店は存続できません。これは、大手企業でも、例外ではないことです。
そして、低価格だけを重視するお客を相手にしていては、ビジネスは儲からないのです。
クレームを言うお客も多くなって来ます。
競争上、必要最低限の低価格戦略を行うことは必要でしょうが、「価格以外の価値」に焦点を当てて、コンセプトを見直し、戦略的に売場づくりを考えるべきです。
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月刊商人舎[電子版] ■新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」
2020年01月26日
FLコストを理解して、がっちり稼ぐ‼【商人舎WEBコンテンツ1月号・原稿】
特に、飲食業界で使われる数値であるのですが、知らない人も少なくないかもしれません。
FLコストとは、食材原価と人件費を足したものです。
FとはFood(食材費)、LとはLabor(人件費)の略です。
私のクライアントには、その意味を教えて、日々活用してもらっています。
しかし、スーパーマーケットで、業務改善に取り組んでいる企業でも、「知っている」「活用している」という企業は、少ないと思います。
働き方改革や人手不足。
賃金の高騰や生産性の向上。
などなど、スーパーマーケット企業は、営業戦略にも関わる、これら多くの問題に直面しています。
競争環境の厳しい中、このFLコスト(比率)を正しく理解して、業務改善に取り組むことは、非常に重要です。
生産性をアップさせるうえで、FLコスト(比率)を、戦略的に活用すべきです。
今回は、FLコストの重要な意味と活用方法について解説していきます。
原価は、確実に上がっている⁉
例えば、ペットボトル飲料をお客が1本買ってくれるとして、その商品原価と荷受けからお客が買うまでの1本当たりにかかる作業時間の人件費の合計が、FLコストです。
商品原価だけを考えている人と、それにかかわるオペレーション・コストを考えて行動する人とでは、結果(営業利益)が大きく変わってくる可能性があります。
ここでいうオペレーション・コストとは、店舗内の商品管理に関わるコストの総和のことです。
店舗へ入荷した商品の荷姿でも、店内作業の作業工数は変わります。
そして、入荷から陳列、その後の売場の商品管理すべてにおいて、段取りや運搬方法、陳列方法などの違いで、オペレーション・コストは、大きく変わることになります。
生鮮部門においては、加工作業(切付け、盛付け、包装、値付け、片付けなど)があるために、更にコストは加算されることになります。
効率的
オペレーションの仕組みが出来上がっていないと、作業のムラやムダが多くなり、原価(FLコスト)は、確実に高くなっていきます。
商品原価を気にする人は多いのですが、販売に直接かかる現場の作業状況をチェックしている人は少ないのが現実です。
ある意味、商品原価以上に、作業人時のムダ遣いによるFLコストのアップの方が、生産性を考える上で重要なのです。

【写真1】最初に手抜き(段取りが悪い)をすると、売れるにしたがって
ムダな作業が発生する
生産性をアップさせるには、FLコストを意識して、現場の一連の作業をマネジメント(実地確認⇒検証⇒改善指導・訓練)することが求められます。
FL比率とコモディティとノン・コモディティ
削減すべきFLコストと、適切に拡大すべきFLコストがあることを理解することが、営業戦略上重要なポイントとなります。
例えば、先述したペットボトルなどの場合は、そのほとんどがコモディティ商品であり、他店との低価格競争にさらされています。
当然のこととして、FLコストを低減する工夫と行動が求められます。
一方、他店との差別化戦略としての、味にこだわった手作り総菜などは、ノン・コモディティ商品です。
他店が真似のできない商品に育て上げるためには、材料や製造方法にこだわる場合もあるでしょう。
この場合は、必要なFLコストを割り当てるという考え方を取って、商品価値を高めることを優先します。
そのことによって、値入と売価をアップすることが出来るようになります。
勿論、限りなくFLコストをかけるということでは有りませんが、コモディティ商品の販売とは、別の思考が求められます。
このことは、イニシャルコストとランニングコストの関係に似ている部分が多くあります。
例えば、店舗で使う設備や什器などです。
高い設備や什器でも、手間や人手(投入人時)を減らすことが出来て、効率性が増すことによって、ランニングコストを抑えることが出来れば、絶対に投資すべきです。
使用頻度も重要ですが、結果的にトータルコストを下げることが可能であれば、全く問題はありません。
だから、生産性を上げる必要がある‼
ここの様に、商品原価にばかりフォーカスしていてはいけません。
また、人件費が真の問題ではなく、コストに見合う生産性が高くないことが問題なのです。
今多くのスーパーマーケット企業が、経営に苦しんでいる原因が、生産性の低さです。
その中でも、固定費の中でダントツに高い人件費当たりの生産性を高めることは、競争激化の中で、最優先で取り組むべきことです。
そして、中小企業の場合は特に、コモディティ商品に軸足を置くのではなく、ノン・コモディティ商品の提供に力を入れて、その比率を高めることを計画的に行うことが、営業戦略上得策だと考えます。
あなたのお店でしか買えない商品やサービスを、取り揃え、そして、その良さを伝える努力をしていくことです。
そこに、レイバー(L)コストを戦略的に割り当てるのです。
そのためには、コモディティ商品の販売に関わるFLコストを、仕組みと作業訓練などによって、確実に低減していく行動を取ることです。
2019年12月17日
『キャッシュレス5%還元』明けの恐怖⁉ 【商人舎WEBコンテンツ12月号・原稿】
生産的な時間という概念
この10月から、消費税が10%に上がり、同時に軽減税率、キャッシュレス5%還元が実施されています。
思ったほどの売り場での混乱は見られないものの、申請手続き等の不備による混乱は、申請した多くの中小企業で発生しました。
改めて、中小企業の対応力と、スピード感に企業間格差を感じる出来事でも有った様に思います。
とは言え、20年6月までのキャッシュレス還元の仕組みを、棚からぼた餅的(戦術)に考えているか、または、危機感を持って先を見据えて、戦略的に捉えているかで、7月以降の業績に大きな影響を与える結果となると、私は考えています。
価格以外の価値を打ち出せ!
中小企業は、大手企業に対して、ハンディキャップを貰って、単純に喜んでいると、20年7月以降、大きなしっぺ返しを食らうことになるのでは、と私は考えています。
なぜなら、5%のメリットだけで来店しているお客は、還元が終われば簡単にいなくなってしまうからです。
重要なことは、6月までに、マーチャンダイジングとマーケティング、作業改善など、現状業務の改善を行い、確実に生産性を上げるための行動を取ることです。
そして、『価格以外の価値』に磨きをかけ、また、新たに生み出して、お客に伝えるための行動に力を入れて取り組むことです。
具体的には、商品開発、各種サービスの充実、接客レベル・アップ、実践的マーケティング力アップなど、お店の価値を上げること、伝えることに対して、確実に改善行動を行い、店舗価値を向上させることです。
見出し: 念のため…!
過去の記事でも申し上げていることですが、
「生産性を追うと、お客満足度が低下する」と思っている人がいますが、そういう人は、生産性に対する理解度が低いと言えます。
仕事を一括りで考えるのではなく、単純作業と付加価値業務に分けて、正しく理解することが重要です。
『単純作業』については、店内の作業工数と作業時間を減らすことを考えて、効率の良い仕組みを作るべきです。
そのことによって、有効な時間(人時)を作り出し、それを『付加価値業務』に対して、戦略的に投入するということが、真の生産性をアップするとことに繋がります。
また、店舗全体として、部門間の柔軟な応援体制の整備や、個人のマルチタスク化を図ることも、人手不足と賃金アップの問題に対して、大いに貢献することになることも忘れてはいけません。
これらのことを正しく理解して、具体的改善行動を取ることです。
6月までが重要な時間
そのためには、オペレーションと実践的マーケティングの正しい理解と、それを実現するための行動が求められます。
オペレーションでの考え方としては、人時売上高と人時生産性にフォーカスすることが重要です。
先述したように、単純作業の作業時間(投入人時)を削減することによって、人時売上高のアップを意識します。
また、付加価値業務の(人時投入)拡大に対しては、投入時間当たりの粗利益高をアップさせることに視点を置いて考えると良いでしょう。
お客が、「なければ困るもの」「あったら良いなと思うもの」、また、「こんなもの(使い方)も有るんだ」という様に、お客の視点から、商品開発と実践的マーケティングを確実に行うことです。
そして、これらのことを具体的に計画立てて、課題ごとに、目標設定と達成期限を設けることです。
更に重要なことは、現場任せにせず、確実にリーダーがフォローを加えて、チームの達成を後押しします。
事例にみる正しい行動
先日、私のクライアントの青果部門が、長く続いた営業赤字の体質から脱却しました。
以下は、私のFacebookの記事を抜き出したものです。
・・・・・・・(以下、記事の抜粋)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ついに黒字化達成…! 大幅増益!
長い間苦しんだチーム。
今までの考え方、やり方を変え。やり続けた半年。
鮮度アップのための鮮度管理、数量管理。生産性アップのための作業改善、在庫削減。実践的マーケティングなど、チームメンバーは、確実に成長してくれました。
「嬉しくて、涙がでました。」
「いや、本当にやって良かったです」
彼らの心からの言葉を聞いて、こちらもウルッと、来ました。
そして、
「あと、もう少し頑張れば良かった」
という、悔しさと、次への挑戦の気持ちが、言葉に出てきました。
このチーム、まだまだ、この程度でゴールではありません。
一つの目標をクリアした段階です。
例えれば、飛行機が離陸するとき、加速に大きなエネルギーを使い、やっと前輪が浮いた状態です。これからが重要です。
粗利益が確実にアップ。
そして、投入人時数も大幅にダウンしました。
しかし、実績数値以上に嬉しいことは、現場のメンバーの意識が大きく変わり、俄然やる気を出してくれて、明るくなったことです。
各店長も、リーダーシップを発揮してくれて、改善のフォローを、してくれています。
マネジメント力も、確実にアップしています。
確実に、成功のためのプロセスを踏んでくれています。数ヶ月前のチーム状態から、様変わりしています。
「目先の売上を追わない!」、
コンセプトを正しく理解した、戦略思考の行動が身に付いてきています。
・・・・・・・(以上)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは、直近の現実に起こった業務改善の成果事例です。
長年の赤字体質から抜け出して、大幅な営業利益の改善を実現しました。
そして、チームは、更に上を目指してくれています。
このように、営業利益を高くできれば、少々のことが起こっても、慌てなくて済むのです。
小手先のテクニックや、目先の売上を考えるようなこともなくなります。
事実、このチームのバイヤーは、日々競合店の売値を気にして、それに対応して、時としては品質を落として、販売してしまうこともありました。
しかし、前回の訪問のとき、
「競合の売価が気にならなくなりました」と、彼は言っています。
それは、品質と味という、『お客の価値』に視点を合わせて考えることが出来るようになったからです。
価格で大手企業やドラックストアに対抗することは、会社の寿命を縮めてしまうことになります。
価値に磨きをかけて、「スーパーと言ったら○○」という様に、あなたの店の名前を出して貰えるように。
そして、何時も選んでもらえる、『デスティネーション・ストア』を目指すべきです。
仕事は、俄然楽しくなります。
正しい業務改善を行いましょう!
2019年11月27日
「何に時間を割り当てるか」で、生産性は格段に変わる⁉
そして、生産性を考える上で、もう一つ重要な要素が、『時間』です。
私は、特に時間は、重要であると考えています。
スーパーマーケットでも、人時売上高や人時生産性、一日、一ケ月、一年当たりの売上高、粗利益高と、言うように、ベースになっているのが、時間です。
そして、その経過とともに、業績に大きな差が生まれてきます。

生産的な時間という概念
生産的な時間とは、営業利益(収入)に繋がる時間の意味です。
ある情報誌で読んだのですが、フォーチュン500の調査結果で、CEO(最高経営責任者)の生産的な時間は、1日たった28分だったそうです。
その本の中に書かれていた内容を、スーパーマーケットに当てはめてみると、
①非・生産的な時間
・世間話
・ネット検索
・メールチェック
・電話対応
・事務所の整理
②生産的な時間
・商品開発
・マーケティング
・プロジェクト管理
・ビジネス拡大ための取り組み
③超生産的な時間
・商品開発の仕組みを作る
・マーケティングの仕組みを作る
・ビジネス拡大の仕組みを作る
というようになります。
これらを実際に、社長、経営幹部、部長、店長、チーフと言うように、職位毎に、『リーダーの時間の使い方』を考えることは、ビジネスの発展を考える上で、非常に重要です。
リーダーは、何に時間を割り当てるべきか?
リーダーが、何に多くの時間を使っているかで、時間の経過とともに、チームの成果は変わってきます。
単純に考えて、リーダーの使える時間配分で重要なことは、『マーケティング』とその『仕組みづくり』であると私は考えています。
上記のように、『超・生産的な時間』は、
・商品開発の仕組み(システム)を作る
・マーケティングの仕組み(システム)を作る
・ビジネス拡大の仕組み(システム)を作る
というように、正にマーケティングのことになります。
ですから、多くの仕事に対して、生産的なことから優先順位をつけて、その上位のことに時間を確実に割り当てることを考えるべきです。
当然、優先順位の低いものについては、『止める』『減らす』という選択をする必要があります。
現実的には、それらを部下(他者)に、遣ってもらう(任せる)ことを考えることが重要です。
結果的に、部下のスキルアップと成長を実現することにもつながり、チーム力は確実にアップします。
とにかく遣ってみる
考えているだけでは、何も変わりません。行動に移すことです。
遣ってみると、今まで考えられなかったような成果が出てくるものです。
そして、このことは、決してリーダーだけのことではなく、個人にも当てはめて考える必要があります。
競争が益々厳しくなる時代です。
非効率なことに対して、せっせと汗を流していて、低い生産性を垂れ流せるような時代ではないのです。
ルーティン化して、どうでも良いことは、サッサと止めてしまいましょう‼
将来の成長のために、生産性の高いことにシフトして考え、行動する癖を付けましょう。
2019年11月21日
コモディティと、値下げと、低収益⁉
「ありふれたものを、ありふれた方法で売ると・・・?」
言うまでもなく、販売価格は低下して、粗利益率は低下。
そして、生産効率の悪いオペレーション(作業)で運営していれば、
営業利益も、確実に低下することになる。
これは、当たり前の理屈です。
しかし、これに近いことをやっているスーパーマーケットは、巷に山ほどあります。
なぜ、ありふれたものを売るのか?
平凡で、何処の店でも手に入る商品(安物)やサービスは、価格競争で、低価格での販売を余儀なくされます。

なぜ、ありふれた方法で売るのでしょうか?
それは、マーケティングの勉強をしていないこと。
詳しくは、お客のニーズ(特に顕在ニーズ)を理解していないこと。
が、考えられます。
それと、
重要なことは、
自分の懐具合(生活感)で、品揃えする商品やサービスを考えていることです。
お客は、価格にだけ価値を感じている訳ではないのに、です。
お客は、自分の気持ち(心)や生活を豊かにしてくれるものには、ちゃんとお金を払ってくれます。
また、「そういうものを探している」と考えるべきです。
物が溢れている今の時代、お客は、お腹を満たすことだけのために、行動している訳ではないのです。
コモディティ・グッズも、差別化できる!
コモディティ・グッズでも、差別化(高価格化)をはかる方法は、幾らでもあります。
では、どうしたらいいのか?
「お客のニーズ(嗜好や好み)を読み取り、それに対して「購買意欲を駆り立てる」仕組みを作るのです。
具体的には、商品の価値を、POPや対面の推奨販売などの方法で伝えるのです。
『価値』は、伝えないと解りません。
単純に、誰でも知っている商品を、「こんな使い方ありますよ!」と、教えてあげることも価値を高めることになります。
そして、何より、有名メーカーのNB(ナショナル・ブランド)以外の商品開発に取り組むことです。
世の中には、
・鮮度の高いもの
・味の良いもの
・無添加のもの
・自然栽培のもの
・オーガニックのもの
・体(健康)に良いもの
・美容に良いもの
・歴史(ストーリー)のあるもの
など、価値ある商品は、山ほどあります。
そして、作ることだって出来ます。
これらに当てはまる商品を仕入れたり、商品化したりして、販売するのです。
そして、その「価値を確実にお客に伝える」行動をするのです。
そのためには、実践的なマーケティングの勉強をすることを、強くお奨めします。
価格(値引き)で、消費者の支持を得られるのは、一瞬!
低価格で集まった客は、他所の低価格で、簡単にいなくなります。
本来、自店の『顧客』では無いのです。
お店に、利益を落としてはくれません。
それどころか、利益の掃き出しになってしまいます。
本質的に、『お客様の心を鷲づかみにする』には、価値ある高品質の商品やサービスを提供することです。
そのことによって、『真の顧客を創造する』のです。
また、提供し続けるための仕組みを作ることが重要です。
それが、ポジショニング(自店の立つ位置を決める)です。
低価格だけを考える客ではなく、価値を理解してくれるお客(ターゲット)に対して、そのお客が喜んでくれる商品やサービスを提供することを考えて、行動しましょう。
きっと仕事は、楽しくなります。
働くあなた(仲間)も、ウキウキしてきます。
そして何より、お客は、ワクワクするお店に集まります。
2019年11月13日
業務改善で結果を出す、リーダーの『仕事の仕方』⁉【商人舎WEBコンテンツ11月号・原稿】
私のクライアントの事例です。
このクライアントのある部門は、営業利益改善を目的とした業務改善を行っています。
作業改善や在庫削減、売場改善と実践的マーケティングなど、業務改善の“ド定番”を実践してもらい4ケ月が経ちます。
売上は、まだ世間並の伸びですが、粗利益率が少しずつアップしてきて来ました。
そして、5ケ月目、大きな期待をして、実績数値が出るのを待っていました。
ところが、月々順調に伸びてきた粗利益と営業利益が、急にダウンしてしまったのです。
前年の実績に対しては、アップしていますが、期待していた数値とは、大きくかけ離れています。
その原因は、各チーフ、各バイヤーのこともあるのですが、一番の原因は、店長や商品部長といったリーダーの行動でした。
良い結果を出せるチームと、そうでないチーム。何が違うのか。
そして、何をすれば良いのか。
店長や商品部長などのリーダーが、遣るべき仕事を確実に行っているかで、業績に大きな差が出てきます。
多くの企業で、このことを正しく理解していない場合が多く見掛けます。
個人の成長とチームの成長
私のコンサルティングの経験から、10人の人がいれば、1人か2人は、新しいやり方を教えると、実践して、結果を出し、目覚ましく変化(成長)していきます。
中には、その数がもっと多いチームもあります。
そういう人達は、課題を与えると確実にそれをこなして、高い目標を与えても挑戦していきます。
そして、解らないことについては、質問もしてくれます。
結果的に、それらの人達は、自分自身の成長を自覚することになり、仕事は更に面白くなっていきます。
また一方、それを横目で見ていて、刺激を受けて、先行者の後を追いかけて、徐々に同じような行動をとれるようになっていく人もいます。
しかし、これらの人達は、全体の一部でしかありません。
チーム全体として、どう変化していくのか、残されたその他大勢の人達をどう導くのかが、チームリーダーの重要な責務なのです。
リーダーの仕事についての教育
結果がなかなか出せないチームでは、そのリーダーが、リーダーとしての仕事をしていない場合が多くあります。
理由は様々ですが、先ず会社が、リーダーの仕事について、教えていないことがあります。
ここでいう、教えていないとは、コンサルティングや実践経験のある方のセミナー(社内も含む)や指導を、『計画的に受けさせる仕組み』がないということです。
例えば、部門のチーフとして、良い成績を出して、店長に抜擢されても、店長になって、同じように良い成績を残せるとは限りません。
それは、部門から店舗という物理的守備範囲の拡大もさることながら、部下の数が圧倒的に多くなることなど、部門のリーダーと店舗のリーダーとでは、仕事や業務の範囲が全く違ってくることです。
そして、店舗の長として、お客や地域の対応、そして、本部との関りなど、責務が伸し掛かってくることにもなります。
企業規模の大きな会社で、教育の仕組みが出来上がっているところは別として、中小零細の企業では、なかなかそのような仕組みがないことが現実でしょう。
「役職が人を育てる」言うこともありますが、当事者にとっては負担も大きく、会社にとっても、無駄な時間を使うことになりかねません。
そのためには、教育の機会を計画的に設けるということは、非常に重要なこととなります。
結果を出せないリーダーの行動
先述のクライアントのある部門は、長く続いていた業績低迷から、折角回復してきているのに、各リーダーは、ほとんど現場の改善活動のフォローをしていませんでした。
改善項目の進捗状況や実績数値の確認。解らないことに対しての質問など、遣るべきことは、はっきりしています。
そして、今回のように、目的が明確になっている時に、現場の担当者とリーダーが、目標に向かってともに行動する。そして、それをリーダーがフォローする。
まさに、チームとして行動するという、組織において非常に重要な行動。
それを、実行していなかったということは、余りにも勿体ないことです。
結果がうまく出せないリーダーの場合、「コンセプトや戦略、そして目的(目標)を、そして、その重要性を正しく理解していない」ということがあります。
結果的に、ここぞというときに、仕事の優先順位が付けられず、どうでも良いことに時間を消費してしまっているということが多いのです。
リーダーが、そうであれば、そのチームメンバーも、リーダーと同じ程度の行動をすることになり、全体としての生産性も改善は望めないことになってしまいます。
目的と目標を正しく理解して、それに対して現場のアイデアを出し合いながら、目標に向かって無駄なく進むことが、重要であり、それを正しく導くことが、リーダーの責務であるのです。
そして、中々うまくいかない現実の壁にぶち当たったときに、どう行動できるかも重要です。
当然、解らなかったら、誰かの力を借りることも、重要な行動(手段)であり、無駄な時間を費やさないという意味でも、とても効率的です。
部下に結果を出させる、リーダーの行動
言うまでもなく、リーダーは、現場を見る(見続ける)ことです。
現場を大して見ないで、終わったこと(過去)の実績数値だけを眺めていても、意味がありません。
現場におけるお客の不都合さ、従業員の動き、売場づくりと完成度など、リーダーには見るべき重要なポイントがあり、それぞれに対して、また時間軸の中で、優先度をつけて日々判断していく必要があります。
そして、常々現場の現実を確認し、その裏付けをとるために実績数値を診ることで、効果確認と改善課題設定を行います。
このことによって、改善効果を確実にして、成果を拡大させることに繋がります。
ですから、多くの場合、その内容と回数に比例して、業績も変化することになりますから、自分自身の立つ位置をはっきりとして、ルーチン作業に汗を流していてはいけません。
良いプロセスが結果を生む
しかし、すべての改善活動が上手くいくとは限りません。
新米のリーダーは、失敗することも少なくないと思います。
しかし、ここは前向きに考える必要があります。
失敗した事実は、良い意味で、「こういう行動では、良い結果が出せない」ということを学んだことになります。
多くの行動を起こせば、徐々に「成功の確率」高くなります。
どちらにしても、行動無くして、何も学ぶことはできません。
いくら知識を蓄えても、実践しなければ、それ自体が無駄な行動であると言えます。
「自分の部下が育った」ということが、リーダーの『評価の仕組み』になっているか⁉
最後に、
私は、チームリーダーの仕事の中で、特に大きな責務が、部下を育てることだと思っています。
トップダウンでも仕事はできますが、
結局、同じ成果でも、個人個人が成長して、チームとして結果を成し遂げたことのほうが、時間の経過とともに、チーム力を付けることになり、会社の大きな資産となります。
そして、チームからリーダーがいなくなっても、チームで考え、行動する力を持つことになるのです。
これは、チーム・スポーツで考えれば簡単に分かります。
その意味でも、会社の評価制度に、『部下の教育と訓練』の項目と、その制度がどれくらい戦略的に埋め込まれているかは、非常に重要なこととなります。
もし、それが社内に無いのであれば、緊急ではないのですが、非常に重要課題であるのですから、少しでも早く制度づくりに着手して仕組みを作り、スタートを切ることを強くお奨めします。
念のために、ゼロから社内で作ることは、考えないほうが良いと思います。
現場を熟知した専門家に手伝ってもらうことが良いでしょう。
結果的に、無駄な時間を使わなくて済みますし、成果を早く受け取ることに繋がります。
今月、先述の会社のオーナーから報告がありましたが、粗利益額が前年対比110%を確認したという連絡が、私に届きました。
言うまでもなく、営業利益は大幅な伸びとなります。
確実に生産性は伸びてきます。
『リーダーの仕事』が、徐々に理解できて、少しずつチーム力がアップしてきているようです。
2019年10月31日
要注意‼ リーダーがチームの成長を止めてしまう⁉
私のクライアントは、良くも悪くもそれぞれに特徴があり、「強み」があり、「弱み」も持っています。そして、各リーダーも、十人十色です。
良い結果を出せるチームと、そうでないチーム。何が違うのか。
そして、何をすればいいのか。
リーダーが、リーダーのするべき仕事を、確実に行うことが、業績を大きく左右することになります。

個人の成長
私のコンサルティングの経験から、10人の人がいれば、1人か2人は、新しいやり方を教えると、実践して、結果を出し、目覚ましく変化していきます。
中には、その数がもっと多いチームもあります。
そういう人達は、課題を与えると確実にこなし、高い目標の課題を与えても挑戦していきます。
そして、解らないことには、質問もしてくれます。
結果的に、自分自身の成長を自覚することになり、仕事は更に面白くなっていきます。
また、それを横目で見ていて、刺激を受けて、先行者の後を追い、徐々に同じように行動をとれるようになっていく人もいます。
しかし、これらの人達は、全体の一部でしかありません。
チーム全体として、どう変化していくのか、残されたその他大勢の人達をどう導くのかが、チームリーダーの重要な課題です。
リーダーの仕事についての教育
結果がなかなか出せないチームでは、そのリーダーが、リーダーとしての仕事をしていない場合が多くあります。
理由は様々ですが、先ず会社が、リーダーの仕事について、教えていないことがあります。
例えば、部門のチーフとして、良い成績を出して、店長に抜擢されても、店長になって、同じように良い成績を残せるとは限りません。
それは、部門から店舗という物理的守備範囲の拡大もさることながら、部下の数が圧倒的に多くなること、など、部門のリーダーと、店舗のリーダーとでは、仕事や業務の範囲が全く違ってくることです。
そして、店舗の長として、お客や地域の対応や本部との関りなど、責務が伸し掛かってくることになります。
大きな会社で、教育の仕組みが出来上がっている企業は別として、中小零細の企業では、なかなかそのような仕組みがないことが現実でしょう。
「役職が人を育てる」言うこともありますが、当事者にとっては負担も大きく、会社にとっても、無駄な時間を使うことになりかねません。
結果を出せないリーダーの行動
結果がうまく出せないリーダーの場合、多くあるのが、「コンセプトや戦略を、正しく理解していない」ということがあります。
結果的に、仕事の優先順位が付けられず、どうでも良いことに時間を消費してしまっているということです。
リーダーが、そうであれば、チームメンバーも、リーダーの行動と同じことをすることになり、全体としての生産性も大きく落ち込んでしまうことになってしまいます。
目的と、上位目標、目標ということを正しく理解して、それに対して現場のアイデアを出し合いながら、目標に向かって無駄なく進むことが、重要であり、それを正しく導くことが、リーダーの責務であるのです。
そして、中々うまくいかない現実の壁にぶち当たったときに、どう行動できるかもじゅうようです。
当然、誰かの力を借りることも、重要な手段であり、無駄な時間を費やさないという意味でも、効果的でしょう。
実際、この事ができないリーダーも、少なくないのです。
現場が結果を出すためのリーダーの行動
言うまでもなく、現場を見ることです。
机上で、終わったことの数値(実績)だけを見ていては、いけません。
お客の不都合さ、従業員の動き、売場づくりと完成度など、リーダーには見るべき観点が多くあり、それぞれに対して、また時間軸の中で、優先度をつけて日々判断していく必要があります。
そして、営業関係のことについては、常々現場を確認し、その現場の現実を確認する意味で、実績数値を診ることで、効果確認と改善課題設定を行います。
このことによって、改善効果を確実にして、成果を拡大させることに繋がります。
ですから、多くの場合、その内容と回数に比例して、業績も変化することになりますから、自分自身の立つ位置をはっきりとして、ルーチン作業に汗を流していてはいけません。
良いプロセスが結果を生む
しかし、すべてが上手くいくとは限りません。
新米のリーダーは、失敗することも少なくないと思います。
しかし、ここは前向きに考える必要があります。
失敗した事実は、良い意味で、「こういう行動では、良い結果が出せない」という、「失敗するやり方」を知ったと言うことになります。
多くの行動を起こせば、徐々に「失敗しない方法」を知ることに繋がるのです。
どちらにしても、行動無くして、何も学ぶことはできません。
いくら知識を得ても、実践しなければ、それ自体が無駄な行動であると言えます。
「部下が育った」ということが、リーダーの評価になっているか⁉
最後に、
私は、チームリーダーの仕事の中で、特に大きな責務が、部下を育てることだと思っています。
トップダウンでも仕事はできますが、
結局、同じ成果でも、チームで成し遂げたことのほうが、時間の経過とともに、会社の大きな資産となります。
そして、チームからリーダーがいなくなっても、チームは行動する力を持つことになるのです。
これは、チーム・スポーツで考えれば簡単に分かります。
その意味でも、会社の評価制度に、『部下の教育と訓練』の項目と、その制度がどれくらい戦略的に埋め込まれているかは、非常に重要な要素となります。
もし、それが無いのであれば、緊急ではないのですが、非常に重要課題であるのですから、少しでも早く制度を確立して、スタートを切ることを強くお奨めします。
念のために、ゼロから作ることは、考えないほうが良いと思います。
専門家を使うことです。
結果的に、無駄な経費と時間を使わなくて済みますし、成果を早く受け取ること繋がります。
2019年09月02日
業務改善の目的は、『稼げる会社』にすること‼
生産性が低いということは、会社の営業利益率が低いことや、従業員の報酬が低いこととも直結します。
サミットリテイリングセンターの業務改善の目的は、その生産性をアップすることにあり、結果的に営業利益率を高めます。
ですから、単純に人手を削ることや、経費を削ることを意味するものではありません。
私は、正しい『仕事のやり方』を教えていると考えています。
生産性が低い会社は、過去から『やり方』を繰り返しています。
その中には、良いやり方もあれば、とんでもない非効率なものもあります。

■ 真の目的
業務改善は、
「お客様に、より良い商品(サービス)を提供し続ける」ために、効率的な仕組みや、組織を作り上げることが、真の目的になります。
お客様の満足や支持を得て、会社の利益と従業員の報酬を大きくするための活動全般のことです。
業務改善と聞いて、ケチケチ経営をして、人件費や各種の経費を減らすことと考えている人もいると思います。
勿論、無駄な作業や工数は減らすべきですが、よく巷でいわれるリストラの単なる人減らしのことではありません。
お客の満足を実現し、営業利益を拡大するために、「遣るべきことをやる」ためのものです。
■ 中長期の視点
正しい業務改善は、短期の視点ではなく、会社の継続と発展という長期の視点で考えるべきものです。
言い方を変えれば、『人と組織の生産性の向上』と、『お客様に提供する商品やサービスを進化し続ける』ための活動全般のこととも言えるでしょう。
とは言え、目の前で起こっている活動理中で、『お客のためにならないもの』や『従業員の成長に役に立たないもの』などは、できるだけ早く、現場から取り除くべきものもあります。
しかし、コンセプトや戦略、従業員の成長などという重要課題は、ある程度のスピードも必要ですが、中長期の目標設定で計画を立て、じっくり且つ、確実に取り組むべきものでしょう。
■ 商品やサービスがお客様の期待を超えるには
競争環境が厳しくなっている現在重要なことは、独自の商品やサービスの継続的提供を念頭に置く必要があります。
お客の顕在ニーズを補うだけでは、ドラックストアなどの低価格攻勢に対して、中小零細資本のスーパーマーケットは、勝ち残ってはいけません。
ベンダーが提案してくれる商品だけに留まらず、独自ルートでの商品開発が必要です。
例えば鮮度抜群の地場野菜や鮮魚などは勿論、出来立て惣菜や美味しい寿司など、自店での商品開発が、今後の競争上の優位性を確立することになってきます。
また、「笑顔で挨拶できる」従業員の教育と訓練なども、とても重要なことです。
■ やり方を変える
結果を変える為には、当然のことながら、今までの現場のやり方を大幅に変える必要があります。
ポイントは2つあります。『止めること』と『変えること』です。
新しくやることを決める。
その為には、新しい行動を起こさなければならなくなります。
その為には、全体として時間が足りなくなる場合もあります。
その為には、何か作業を止めなければなりません。
その為には、『止める作業』と『止めない作業』に仕分けします。
その為には、社内の誰かにその業務を任せるか、外注にします。
そして、もう一つは、効率の悪いやり方を、『効率の良いやり方』に変える要があります。時間をベースにして、もっと早く、楽に、簡単に、出来る方法(手順、段取り、道具など)に変更することです。
このように現状の一連のプロセスの見直しと変更を定期的に行ない、スタンダード・レベル(標準値)を徐々に向上させます。
■ 目的と職責を正しく理解して行動をとる
目的(目標)が決まれば、それを合理的、効率的に実行するための役割(機能)分担と、時にはチームメンバーを適材適所で配置しなおす必要があります。
限られたメンバーで、効率よく、スピードをもって目的(目標)を達成するためです。
また、職位、職責において、主体業務を、責任を持って遂行するリーダーシップを発揮することも非常に重要です。
現場での一例ですが、
・何時も忙しそうに、商品補充をしている店長
・売り場の商品の食べ方、使い方を知らない担当責任者
・簡単な補充や商品加工しか出来ない、10年も勤めているベテランのパート社員
などは、よく見受けられる光景です。
「日本人の多くは、勤勉で向上心を強く持っている」といわれます。
「部下を今の実力だけで見ている限り、それだけの実力で終わります。本来出来るはずのレベルまで訓練すれば、本来出来るはずのレベルまで登って行く」のです。
リーダーは、このことを正しく理解して、自分の時間を、生産的に使わなくてはいけません。
2019年06月10日
戦略は、「やらないこと」を決めること
例えば、営業戦略を立てる時に、役に立つのが、実践的、そして、戦略的マーケテイング思考だと、私は考えています。
結果が出ない一番の原因は、今のやり方が、『こちら目線』になってしまっていることです。
「昔のままのやり方を繰り返す」ということは、「このままでいい」という、正にこちら目線です。
「お客(相手)はどう考えるか」ということが、マーケテイング思考です。成長するビジネスの全ては、ここから始まります。
ですから、その行動の結果が、『売れてしまう』ことに繋がるのです。
プロダクトアウト(売る)ではなく、マーケットイン(売れる)の発想を持つことが重要です。
そして、ターゲティング(誰に売るのか)とポジショニング(こちらは何をするのか)をハッキリすることが、戦略を考える上では重要です。
■ 使えるフレームワーク
営業戦略を考えるときに、私がよく使うフレームワークが有ります。
それは、『戦略』と『オペレーション』と『リーダーシップ』で構成する下の図です。

この3つに具体的内容を落とし込むと、これから、「遣ること」、「遣るべきこと」が、とても理解しやすくなります。
■ 戦略は、簡単に考える
単純なことなのですが、お客は戦略など考えて、買い物などしていません。
お客は、良い買い物が出来ることが望みです。
「如何に良い物を買うか」です。
「良い物」の定義は、人それぞれですが、スーパーマーケットの売場では、「鮮度の良い」、「美味しいもの」、そして、「安全なもの」が、基本となるでしょう。
そして、「楽しい」が、加われば、スーパーマーケットの普段の買い物でも、お客は、俄然嬉しくなります。
そして、「安さ」も無視はできませんが、大事なことは、「価値が有る」ことであり、ただの低価格ではいけません。
念のため、価格だけの商売は、長続きしません。働くほうにも、遣り甲斐が感じられないと思います。
特に、資本力の無い中小企業は、絶対にやってはいけません。
ここまで話すと、営業戦略の中身が、少し解って来るのではないでしょうか。
要するに、お客に「何を日々、体感してもらうか」の視点で考えるのです。
「何をやりたい・・・」では、有りません。
■ オペレーション力を理解する
戦略は、オペレーションが伴わなければ、絵にかいた餅です。
また、リーダーシップもある意味オペレーション力とも言えます。
例えば、戦略実現のためには、どういう人員をリーダーとして、どの様な人員構成(組織)を組むかということが、成功するための絶対条件と言えるでしょう。
しかし、決して、経験が長いということではなく、戦略実行に対して、ある程度それを理解して、実行のための「意思」を持っているかということが大事です。
少しぐらい失敗しても、意思を持った行動は、確実に目標に近づくことが出来ます。
そして、リーダーシップで大事なことは、常に一歩引いて、目標に向かって進んでいるか、問題は無いか、ということを第三者的視点で、チーム全体の行動を観察して、必要に応じて適宜修正を掛けることも必要となってきます。
■ 売上が伸びない時代の営業戦略
営業戦略を立てることを、「ほとんど経営者が知らない」と言うのが現実です。
今更と思われる方もいると思いますが、少なくとも、私が業務改善のコンサルティングをしていて、日々、強く感じていることなのです。
その大きな原因の一つが、多くの人が戦術を追っているということです。
人が遣った表面的な現象。
しかし、戦術は所詮戦術です。
戦略とは、「なぜ、やるか‼」を理解するという原則があります。戦術は、その実現のための方法です。
当然、お客のためであり、従業員のためのものなのです。
戦略を勉強せずに、戦術の使いまわしを続けていては、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」状態になり、時に成功することも有りますが、中長期では企業の成長には、結び付く可能性は非常に低いことになると言えます。
当然、会社の大事な資産である、『従業員の成長』には、結び付きにくいと言えるでしょう。
『戦略を立てて、目標に向かって、出来るだけ無駄なく進む』
その時必要になる戦術は、大いに他が遣っていることも真似て良いのです。
それは、「なぜそれを遣るか」が解ってやるのですから、成果を出す確率は、大いに高いと考えられます。
正しく、無駄なく進むためには、少しだけ勉強して、『戦略』を立てましょう。
結果的に、早道を探すことが出来ます。
生産性は、俄然高くなります。
2019年06月09日
簡単に、売上が上がる方法⁉
しかし、悩んでいるだけでは、ただジリ貧の道を突き進むだけです。
遣らなければいけないことは、実践的なマーケティングの手法を学ぶことです。
遣ってはいけないことは、目先の売上を追うための戦術を真似ること、そして、それを繰り返すことです。
基本原則を勉強すれば、応用が利きます。目先の売上を取るための戦術に、ムダな時間とお金を使うことがなくなります。
その戦略的方法をお伝えします。

■ 客単価を上げることを考える
これだけ競争が厳しくなってくると、なかなか来店客数を増やすということは、難しくなります。
そこで考えたいのが、客単価を増やすことです。
売上を上げる方法は、数値上3つだけです。
それは、購買客数、客単価、購買頻度のそれぞれを増やすことの3つです。
このうちの客単価を増やすことを考えます。
来店してくれる客数を増やすには、チラシを撒くなどの方法がありますが、お金も時間もかかります。
しかし、客単価を増やすという行為には、さほどお金もかかりませんし、ほとんどの場合、時間もわずかで済みます。
■ 基本は、『売場づくりの4P』を正しく理解する
客単価を増やすという場合に、絶対的に知っておきたいキーワードが、『売場づくりの4P』です。
これは、私が、マーケティングの4Pを応用して考えた方法です。
「商品」「展開場所」「プロモーション(販促活動全般)」「価格」のことです。
これをいかに活用するかで、良い結果を出せるようになります。
商品は、部門やカテゴリーのナンバーワンのアイテムに設定します。
展開場所は、第一マグネットの通過率、視認率、接触率などの高い場所。つまり、売場内の一等地ということです。
プロモーションは、チラシ広告、LINE、FacebookなどのSNSなど、有料、無料の媒体。
営業POP、試食販売、各種イベントの活用など、あらゆる販促活動を考えて、その中の一つ、または複数を組み合わせて、効果性を追求します。

価格は、低価格も方法の一つですが、粗利を蓄えて、戦略的にマージンミックスで安く売ること以外は、お奨めしません。
基本的には、その商品の価値を最大限に引き出し、POPや試食販売の様に、直接的にお客に訴えていきます。
そのことによって、売価を引き上げることを考えます。
嘘は絶対にいけませんが、真実を、場合によっては、その商品のストーリーを伝えて、商品の真の価値をお客に伝えることに努力します。
そのことによって、お客は価値にお金を払ってくれます。
気に入れば、リピーターになってもくれます。
結果的に、来店頻度を増やすことにも繋がることとなります。
※『売場づくりの4P』は、サミットリテイリングセンターの他の記事を参照してください。
■ 重点管理商品の間違い
重点商品については、押さえておきたいことがあります。
それは、基本的に売上が高く、お客の支持も高い商品やカテゴリーを選定します。
特に、「部門の売上を上げたい」という場合は、この選択肢を外さないことです。
勿論、戦略的に開発した商品なども、売場づくりの4Pを使うと、効果かは最大化することが出来ます。
大いに使って、その売り場づくりのスキルを上げて行ってください。
決してやってはいけないことは、思い付きで、どうでも良い商品に重点商品を設定しないことです。
基本的に、ある一定期間に部門の売上を押し上げることを考えて、実行計画を立てるようにすると、時間と経費も無駄遣いしなくて済みます。
■ 「どこまでやるか」で結果は、大きく変化する
特に、売場づくりの4Pの内、プロモーションは、営業POPや試食販売を外さないことと、「これでもか」というぐらい、思いつく手段を使ってもらいたいと思います。
「やったけど、今一つ売れませんでした」という場合のほとんどは、「プライスカードをはめただけ」ということが圧倒的に多いのです。
最初は、面倒なことも有るかと思いますが、慣れてしまえば、当たり前に簡単に出来るようになって来ると思います。
■ 成功経験を積み重ねる
せっかくチャレンジするのであれば、「ここまでやった」という方が、確実に成功する確率が高まり、将来の成果拡大にも繋がってきます。
自転車に乗れるようになるのも、最初は大変です。
しかし、一度乗れるようになれば、当たり前に乗れるようになります。
マーケティングも、全く同じです。
遣ればやるだけ、勝手にスキルがアップして、成功の確率も非常に高くなります。
是非、積極的にチャレンジしてみてください。
遣らなければ、非常に勿体ないことです。







