スーパーの業務改善入門
2008年07月01日
5Sの重要性の理解と生産性との関係
儲かる会社の共通点の中で、5Sが徹底されていることがあげられます。
5Sとは、整理、整頓、清潔、清掃、躾(習慣化)のことです。
一見、5Sがどうして、儲け・・・つまり、生産性の向上やローコスト・オペレーションと関係があるのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、5Sは、スーパーマーケットに限らず、工場や事務所などありとあらゆる生産現場において共通する、生産性をつかさどる重要項目です。
気持ちよく仕事が出来れば、それだけで生産性は上がります。綺麗に、そして、機能的に整理整頓された、売り場やバックルームは、気持ちのいいものです。無駄な動きもしなくて済みます。
逆に、在庫があふれ、乱雑で臭いのするようなバックルームでは、張り切って仕事をする気にはなりません。当然無駄な動きが多くなり、生産性は落ちてしまいます。しかし、実際には、そういう会社の現場で働く人たちは、それさえも気付いていないのが現状です。
例えば、使った商品や備品を元の決まった場所に戻さない場合、
1.次に使う人は、それを探すために無駄な時間をつかい、作業のスタートが遅れる
2.1のために無駄な移動を繰り返す
3.商品確認に時間がかかり、補充作業や発注作業などに余分な時間が掛かる
4.確認が正確に出来ず、発注などの精度が低下する
5.4のことから、欠品の発生や見込み発注による在庫過多が頻繁におこる
6.商品や備品の汚損や破損、鮮度低下を招き多くのロスが発生しやすい
など、沢山の多くの無駄が発生します。
作業効率が低下して、無駄な人時投入を招きます。当然、人時売上高が低位安定し、結果として、人件費が上がり、経費全体を押し上げ、売価(値入れ)を上げざるをえないという悪循環に陥ります。
改めて申し上げることでもないと思いますが、清潔な売り場やバックルームは、「お客様に安全で安心な商品をお届けする」という、食品を扱う全ての職場に共通する実行課題です。
管理不足は、食中毒などの万が一の事故を誘発することにもなります。
事故が発生すれば、大きな利益を失います。お金というコスト以外に、信用という商売で一番大事なものを失ってしまいます。また、場合によっては、会社の存続にも関わります。運よく存続が許されたとしても、信頼回復には相当なお金と時間(労力)を必要とします。
生産性を上げる5Sのためには、先ず整理、整頓、清潔、清掃、躾(習慣化)の真の理解が必要です。
●整理とは、
誰もが直ぐに商品や道具を確認できるようになっている状態のこと
●整頓とは、
誰もが無駄な動きをしないでも使いやすいように、商品や道具が機能的に配置されていること
●清潔とは、
食中毒などの事故の発生を抑えるための一連の衛生管理活動が徹底されていること
●清掃とは、
ツルツル、ピカピカと照り映える状態にするために、定時定例で掃除をすること
●躾(しつけ)とは、
整理・整頓・清潔・清掃の4Sを誰もが理解し、当たり前に、例外なく出来ること
です。
そして、一番大事なことは、この考えに基づいて、日々改善活動を繰り返すことです。また、常に現場で出来ていることです。
限られた、バックルームを効率的に使うために、商品や備品などの道具を、整理・整頓して置き場を決定するのが定位置管理です。
そして、住所の番地表示と同じように、表示板を取り付け『見える化』をはかります。
(1)棚や床、壁など、使いやすい場所に置き場所を決める
(2)棚札や掲示板で、置き場所を表示する
(3)(2)に、必要(最大)在庫量を設定して、明記する
(4)(1)、(2)、(3)を必要に応じて、変更及び修正を行い、常に最適化をはかる
衛生管理の手順や道具などの詳細については、専門書やマニュアルを見ていただくにして、ここで強調しておきたいことは、習慣化を徹底することの重要性です。
具体的には、
(1)チームリーダーは、部下に対して、定期的に衛生管理の教育を徹底すること
(2)清掃は、定時定例で実行すること
(3)チームリーダーは、(1)および(2)について、必要と判断した場合は、その実行頻度を上げる
(4)チームリーダーは、(2)の実行確認を行い、不備があれば即時改善指示を行う
(5)衛生管理状態については、定期的に外部専門機関で検査を依頼すると共に、改善指導を受ける
ことが、必要です。
5Sの改善活動は、『見える化』の活動でもあります。『見える化』を難しく考える必要はありません。簡単なことです。
まだ作業に不慣れな新入社員でも、直ぐに分かる(出来る)ようにすることです。
例えば、包装資材で考えて見ましょう。
1.トレーなどの置き場所に品名札を付けておけば、簡単に探すことが出来ます。
2.1の品名札に最大在庫量を設定して記入しておけば、簡単に発注量を決定できます。
3.1および2から、新米社員でも作業の幅が広がります。
4.3の継続により、短期間で作業の習熟度とスピードがアップします。
ここでの『見える化』のポイントは、
1.置いている場所を『見える化』する ・・・ハード・メリット
2.発注量を『見える化』する ・・・・・・・ソフト・メリット
です。
このように、5Sの活動を社員のスキルアップ、そして、チームとしての生産性のアップを念頭において活動することによって、大きな効果を生み出すことが可能です。そして、このことに掛かるコストは、限りなくゼロに近いのです。
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5Sとは、整理、整頓、清潔、清掃、躾(習慣化)のことです。
一見、5Sがどうして、儲け・・・つまり、生産性の向上やローコスト・オペレーションと関係があるのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、5Sは、スーパーマーケットに限らず、工場や事務所などありとあらゆる生産現場において共通する、生産性をつかさどる重要項目です。
気持ちよく仕事が出来れば、それだけで生産性は上がります。綺麗に、そして、機能的に整理整頓された、売り場やバックルームは、気持ちのいいものです。無駄な動きもしなくて済みます。
逆に、在庫があふれ、乱雑で臭いのするようなバックルームでは、張り切って仕事をする気にはなりません。当然無駄な動きが多くなり、生産性は落ちてしまいます。しかし、実際には、そういう会社の現場で働く人たちは、それさえも気付いていないのが現状です。
多くの無駄を発生させる現場
例えば、使った商品や備品を元の決まった場所に戻さない場合、
1.次に使う人は、それを探すために無駄な時間をつかい、作業のスタートが遅れる
2.1のために無駄な移動を繰り返す
3.商品確認に時間がかかり、補充作業や発注作業などに余分な時間が掛かる
4.確認が正確に出来ず、発注などの精度が低下する
5.4のことから、欠品の発生や見込み発注による在庫過多が頻繁におこる
6.商品や備品の汚損や破損、鮮度低下を招き多くのロスが発生しやすい
など、沢山の多くの無駄が発生します。
作業効率が低下して、無駄な人時投入を招きます。当然、人時売上高が低位安定し、結果として、人件費が上がり、経費全体を押し上げ、売価(値入れ)を上げざるをえないという悪循環に陥ります。
事故が大きなコストを発生させる
改めて申し上げることでもないと思いますが、清潔な売り場やバックルームは、「お客様に安全で安心な商品をお届けする」という、食品を扱う全ての職場に共通する実行課題です。
管理不足は、食中毒などの万が一の事故を誘発することにもなります。
事故が発生すれば、大きな利益を失います。お金というコスト以外に、信用という商売で一番大事なものを失ってしまいます。また、場合によっては、会社の存続にも関わります。運よく存続が許されたとしても、信頼回復には相当なお金と時間(労力)を必要とします。
5Sの理解と行動
生産性を上げる5Sのためには、先ず整理、整頓、清潔、清掃、躾(習慣化)の真の理解が必要です。
●整理とは、
誰もが直ぐに商品や道具を確認できるようになっている状態のこと
●整頓とは、
誰もが無駄な動きをしないでも使いやすいように、商品や道具が機能的に配置されていること
●清潔とは、
食中毒などの事故の発生を抑えるための一連の衛生管理活動が徹底されていること
●清掃とは、
ツルツル、ピカピカと照り映える状態にするために、定時定例で掃除をすること
●躾(しつけ)とは、
整理・整頓・清潔・清掃の4Sを誰もが理解し、当たり前に、例外なく出来ること
です。
そして、一番大事なことは、この考えに基づいて、日々改善活動を繰り返すことです。また、常に現場で出来ていることです。
定位置管理の徹底
限られた、バックルームを効率的に使うために、商品や備品などの道具を、整理・整頓して置き場を決定するのが定位置管理です。
そして、住所の番地表示と同じように、表示板を取り付け『見える化』をはかります。
(1)棚や床、壁など、使いやすい場所に置き場所を決める
(2)棚札や掲示板で、置き場所を表示する
(3)(2)に、必要(最大)在庫量を設定して、明記する
(4)(1)、(2)、(3)を必要に応じて、変更及び修正を行い、常に最適化をはかる
衛生管理の徹底
衛生管理の手順や道具などの詳細については、専門書やマニュアルを見ていただくにして、ここで強調しておきたいことは、習慣化を徹底することの重要性です。
具体的には、
(1)チームリーダーは、部下に対して、定期的に衛生管理の教育を徹底すること
(2)清掃は、定時定例で実行すること
(3)チームリーダーは、(1)および(2)について、必要と判断した場合は、その実行頻度を上げる
(4)チームリーダーは、(2)の実行確認を行い、不備があれば即時改善指示を行う
(5)衛生管理状態については、定期的に外部専門機関で検査を依頼すると共に、改善指導を受ける
ことが、必要です。
『見える化』と意識改善
5Sの改善活動は、『見える化』の活動でもあります。『見える化』を難しく考える必要はありません。簡単なことです。
まだ作業に不慣れな新入社員でも、直ぐに分かる(出来る)ようにすることです。
例えば、包装資材で考えて見ましょう。
1.トレーなどの置き場所に品名札を付けておけば、簡単に探すことが出来ます。
2.1の品名札に最大在庫量を設定して記入しておけば、簡単に発注量を決定できます。
3.1および2から、新米社員でも作業の幅が広がります。
4.3の継続により、短期間で作業の習熟度とスピードがアップします。
ここでの『見える化』のポイントは、
1.置いている場所を『見える化』する ・・・ハード・メリット
2.発注量を『見える化』する ・・・・・・・ソフト・メリット
です。
このように、5Sの活動を社員のスキルアップ、そして、チームとしての生産性のアップを念頭において活動することによって、大きな効果を生み出すことが可能です。そして、このことに掛かるコストは、限りなくゼロに近いのです。
【お役立ち:関連記事の紹介】▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
■生産性の向上に舵をとれ! ⇒http://www.summit-rc.com/blog/2770/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (前編)www.summit-rc.com/case/2714/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (中編)www.summit-rc.com/case/2724/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (後編)www.summit-rc.com/case/2719/
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■ コンサルティングの業務改善事例 ⇒http://www.summit-rc.com/case/genre/consulting/