スーパーの業務改善入門

2019年06月07日

数値を理解すれば、『儲け』は大きく変わる‼

健康を考えるとき、日々の食事や運動が大事であることは、ほとんどの人が知っています。
しかし、健康診断を短い周期で、定期的に受けている人は、少ないようです。

このことは、スーパーマーケットの現場でも、同じことが言えます。
営業活動のカルテである損益計算書を診ている人は、非常に少ないと思います。
私が、ここで言う、「診ている」というのは、実績数値を確認し、「改善に努めている」また、「戦略的に使っている」ということです。

「何となく見ているけど、大して気にしていない」
「見ているけど、よくわからない」
というような声も現場でよく耳にします。

これが、自分の健康診断のカルテだったら、どうでしょうか。
「よくわからない」で済ませるでしょうか。
もし、良くないデータが出ているのに、何もしなければ、近い将来取り返しのつかないことになるかもしれません。



経営数値を正しく理解して、「目先の売上を追わない」ための、「賢い」そして、「ムダの無い」行動を取る。そのことについて解説します。


■ ビジネスの目的は、何…?

資本主義経済の中で、ビジネスをするということは、正しい行動によって、その対価である営業利益を稼ぐということです。

ビジネス活動をやって稼ぐことが出来なければ、雇用も納税の義務も果たすことは出来ません。社会貢献など有りえません。

また、儲かっていなければ、商品やサービスなどの開発投資や雇用環境の改善など、成長のためのアクションを起こすことも出来ません。

会社の成長のためには、適正かそれ以上の営業利益を稼ぎ出す必要があります。
その時に重要になって来るのが、損益計算書であり、管理会計(経営戦略)上、部門別管理は、重要でなくてはならない武器になります。


■ 経営者意識って、どういうこと?

「もっと経営者意識を持ってもらいたい」と漏らす経営者の方がいます。 しかし、そもそも、そういう会社でも、「その教育を社長自ら遣っている」かというと、必ずしもそうでは無い事例が少なくありません。

そもそも、普段使っている経営数値や予算が、単に売上と粗利益という中小企業が、多いのが現実でしょう。そして、出てきた数値に対して一喜一憂しています。

業態を超えた競争。人口減少。少子高齢化。などなど、売上を上げられる可能性が低くなっているのに、成長期のような考えでは、経営は成り立ちません。
また、売上と粗利を見ているだけでは、目標である営業利益の拡大は難しいと言えます。

『稼ぎ』が無ければ、ビジネスは続けられなくなります。ここにフォーカスして、それを拡大するための行動を、正にこの現在、早急に取り掛かる必要が有るのです。

そのためには、従業員をサラリーマンと思っていては、いけないと思います。
「ビジネスマンに育て上げる」という、経営者の思いが大切であると思います。


■ 社員をビジネスマンに育てる

私が通常考えている、ビジネスマンとは、会社の(営業)利益を生み出す人と考えています 『稼ぐ人』です。
「事業家」や「経営者」というような意味を持ちます。

その意味で、お店の店長は勿論、部門チーフなども、自分の責任範囲の稼ぎを正しく理解する必要があります。
そのために必要になって来るのが、『部門別損益管理』のツールです。
儲かっているのか、儲かっていないのかも判らずにいたら、どう行動したら良いか解るはずがありません。
頑張っているのに、営業利益に繋がっていない事例もたくさんあるのが現実です。

所謂、管理会計の仕組みを作るということです。
このことが出来れば、会社全体の方向性が鮮明になり、ほとんどの場合、今までの行動を変えることになります。
目先の売上を追うような、残念なことをしないようになります。
業務改善の経験上、現場からの改善のためのアイデアも出やすくなってきます。

ビジネスマンを育てるためには、正しい教育ツールが必要なのです。


■ 経理部門も戦略的に働く

決算書類をつくることは、経理部門の重要な仕事です。
しかし、その仕事は、おそらく近い内に、AIが遣っていれるようになるでしょう。
そして、それは、過去の実績数値です。

それに対して、管理会計の数値は、より戦略的に活用して、現場が行動するためのもの重要ツールとなります。
出来るだけ早く出てきたデータを集計して、必要に加工を加えて『情報』に変えて現場に伝える。そのことによって、即改善を加えることが可能となります。

売上と粗利益を追っているだけでは、問題の真因は分りません。
「何を何時までに知るか」が、競争環境の厳しい現在では、経営上、非常に重要なこととなるのです。

数値を正しく知り、正しく使う行動をしましょう。



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