スーパーの業務改善入門

2019年06月10日

戦略は、「やらないこと」を決めること

戦略を立てられないで困っている経営者は、意外に多い様に思います。

例えば、営業戦略を立てる時に、役に立つのが、実践的、そして、戦略的マーケテイング思考だと、私は考えています。

結果が出ない一番の原因は、今のやり方が、『こちら目線』になってしまっていることです。
「昔のままのやり方を繰り返す」ということは、「このままでいい」という、正にこちら目線です。

「お客(相手)はどう考えるか」ということが、マーケテイング思考です。成長するビジネスの全ては、ここから始まります。
ですから、その行動の結果が、『売れてしまう』ことに繋がるのです。

プロダクトアウト(売る)ではなく、マーケットイン(売れる)の発想を持つことが重要です。
そして、ターゲティング(誰に売るのか)とポジショニング(こちらは何をするのか)をハッキリすることが、戦略を考える上では重要です。


■ 使えるフレームワーク

営業戦略を考えるときに、私がよく使うフレームワークが有ります。
それは、『戦略』と『オペレーション』と『リーダーシップ』で構成する下の図です。


この3つに具体的内容を落とし込むと、これから、「遣ること」、「遣るべきこと」が、とても理解しやすくなります。


■ 戦略は、簡単に考える

単純なことなのですが、お客は戦略など考えて、買い物などしていません。

お客は、良い買い物が出来ることが望みです。
「如何に良い物を買うか」です。
「良い物」の定義は、人それぞれですが、スーパーマーケットの売場では、「鮮度の良い」、「美味しいもの」、そして、「安全なもの」が、基本となるでしょう。

そして、「楽しい」が、加われば、スーパーマーケットの普段の買い物でも、お客は、俄然嬉しくなります。
そして、「安さ」も無視はできませんが、大事なことは、「価値が有る」ことであり、ただの低価格ではいけません。

念のため、価格だけの商売は、長続きしません。働くほうにも、遣り甲斐が感じられないと思います。
特に、資本力の無い中小企業は、絶対にやってはいけません。

ここまで話すと、営業戦略の中身が、少し解って来るのではないでしょうか。
要するに、お客に「何を日々、体感してもらうか」の視点で考えるのです。
「何をやりたい・・・」では、有りません。


■ オペレーション力を理解する

戦略は、オペレーションが伴わなければ、絵にかいた餅です。
また、リーダーシップもある意味オペレーション力とも言えます。

例えば、戦略実現のためには、どういう人員をリーダーとして、どの様な人員構成(組織)を組むかということが、成功するための絶対条件と言えるでしょう。

しかし、決して、経験が長いということではなく、戦略実行に対して、ある程度それを理解して、実行のための「意思」を持っているかということが大事です。
少しぐらい失敗しても、意思を持った行動は、確実に目標に近づくことが出来ます。

そして、リーダーシップで大事なことは、常に一歩引いて、目標に向かって進んでいるか、問題は無いか、ということを第三者的視点で、チーム全体の行動を観察して、必要に応じて適宜修正を掛けることも必要となってきます。


■ 売上が伸びない時代の営業戦略

営業戦略を立てることを、「ほとんど経営者が知らない」と言うのが現実です。

今更と思われる方もいると思いますが、少なくとも、私が業務改善のコンサルティングをしていて、日々、強く感じていることなのです。

その大きな原因の一つが、多くの人が戦術を追っているということです。
人が遣った表面的な現象。
しかし、戦術は所詮戦術です。

戦略とは、「なぜ、やるか‼」を理解するという原則があります。戦術は、その実現のための方法です。
当然、お客のためであり、従業員のためのものなのです。

戦略を勉強せずに、戦術の使いまわしを続けていては、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」状態になり、時に成功することも有りますが、中長期では企業の成長には、結び付く可能性は非常に低いことになると言えます。
当然、会社の大事な資産である、『従業員の成長』には、結び付きにくいと言えるでしょう。

『戦略を立てて、目標に向かって、出来るだけ無駄なく進む』
その時必要になる戦術は、大いに他が遣っていることも真似て良いのです。
それは、「なぜそれを遣るか」が解ってやるのですから、成果を出す確率は、大いに高いと考えられます。

正しく、無駄なく進むためには、少しだけ勉強して、『戦略』を立てましょう。
結果的に、早道を探すことが出来ます。
生産性は、俄然高くなります。



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