スーパーの経営戦略入門
2010年04月27日
営業利益予算、前年伸長率200%設定
多くの会社で、新年度がスタートしていると思います。
景気が一時期よりも多少改善されつつあるという報道も聞かれますが、
単価などの下落幅が緩やかになった程度で、小売業全般には、まだまだ厳しい1年であるように思います。
新年度の売上高や荒利益高予算。そして、年間の経費予算。
エクセルなど、表計算ソフトのおかげで、年次や月次の予算作成が簡単に出来るようになりました。
しかし、営業利益の予算は、どうなっているでしょうか。
中小・零細企業に多くみられるのが、
売上高やの荒利益率予算の設定には時間をかけているけれど、
営業利益予算は、単なる数字合わせの結果、
「やってみなければ分からない」という会社が多いように思います。
人件費や販促費などの経費予算の設定はとなると、設定の意志を感じない場合が多くあるように感じます。
結果として、営業利益が低位または、赤字予算になっている状態が多いのではないでしょうか。
また、予算書作成自体、新年度前の儀式となっている会社も多いのではないでしょうか。
私は、業務改善のコンサルティングをさせていただいていますが、
指導が2年目になるクライアント企業のほとんどで、
営業利益の予算が前年伸長率200%というところは少なくありません。
当然それ以上の企業もたくさん有ります。
■新年度予算策定の意義と目的
新年度の予算の策定の意味は、次年度の目標設定にあります。
この一年で、どれくらいの営業利益を稼ぎ出すか。増やせるか。
そのためには、
何処の改善を優先的にやらなくてはいけないか。
そのためには、
この一年で、部下やチーム(組織)のスキル(能力)をどれくらいアップさせるのか。
この一年で、商品やサービスの付加価値をどれくらいアップさせるのか。
というような改善活動計画を同時に決める必要があります。
目標をハッキリ設定しているチームは強いのです。
目先を見つめてただ歩いている人と、
遠くに目印を決め、そこから目を離さずに進んでいる人では、結果が大きく違ってきます。
目印を決めている人は、真っすぐに無駄なく、効率よく前に進めますし、到達時間も早くなります。
■今期の必達目標は何でしょうか
売上高予算は、「目的」ではありません。
いくら売上が上がっても、
単なる安売りでつくった売上では、荒利益率を低下させ、場合によっては人件費や販促費などの経費を増大させてしまい、大幅な営業利益の低下を招いてしまいます。
特に、現状のデフレや過度の価格競争状態での商品単価の下落や、
景気低迷などによる顧客の買い控え、
また、商圏内での人口の減少など、
売上の上がりにくい条件下では、右肩上がりの時代の戦略では、非常に危険です。
「目的」は、営業利益の拡大であり、いくら出すかという「目標」を設定することです。
売上高や荒利益は営業利益を確実に出すための戦略上の「手段」です。
営業利益率が低い企業は、
目的と手段、
そして、
その目標設定を誤ってしまっている場合が多くあります。
「手段」である売上を何時までも「目標」にしていると戦い方を誤ってしまいます。
単なる無駄な安売り、それに伴う折込みチラシや人時投入ということになってしまいます。
また、荒利益率を高くする「目的」で、値入れ率を高くしようとすると客離れが起こります。
■目標達成のための手段と方法
営業利益(=荒利益高-固定経費)を最大化するためには、どういう手段と方法をとるのかを確実に決めることです。
営業利益を拡大させる方法は、
まず、荒利益高を「増やす」こと、
そして、
無駄な経費を「減らす(下げる)」ことです。
基本的には、この「2つ」です。
そして、経費はあくまで無駄なものを減らし、
戦略的な部分には計画的に投入して(増やして)、それ以上の荒利益高を稼ぎだすことです。
経営の資源は、
「人」、「物」、「金」、そして、「情報」です。
また、これらに絡んで来るのが「時間」です。
投入した、「人」、「物」、「金」、「情報」がどれくらいお金を稼ぎ出すか、儲けにつなげることが出来るかで、勝負は決まるのです。
「人」を安く使うことでも、
安い「物」だけを売ることでも、
「金」を単純にケチることでも、
ないのです。
「情報」がお金を生む時代です。
積極的な情報収集活動と、お客様への価値ある情報提供が、会社の利益に繫がります。
例えば、お客様は、商品が高いから買わないのではなく、
「買う価値やニーズを感じない」から買わないのです。
価値を感じられる情報提供やサービスがあれば納得して、お金を払います。
■目標達成するためのリーダーシップと人事考課
営業利益が増えれば、
従業員への報酬を増やしてやれます。
自ずと現場の士気が上がります。
営業利益が増えれば、
改装をして、綺麗な店にすることが出来ます。
コモディティ(一般大衆品)化した商品は、安く提供することが出来るようになります。
強みの出せる部分(戦略分野)に、お金や人を優先的に投入できます。
顧客に喜んでもらい、来店客が増えます。
そこで必要なのが、リーダーシップです。
1.戦略やコンセプトやルールの設定
2.目標値(必達目標)の設定
3.2を実現するための合理的で無駄の少ない実行計画
4.3の実行のための最適化組織づくりと実行責任者選任
5.各項目の到達時期、レベルの設定
そして、実行部隊が成功できるように、確実に適時フォローをするのがリーダーです。
また、リーダーは、マネジメント・スキルアップのための自己への投資が最も重要です。
【お役立ち:関連記事の紹介】▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
■生産性の向上に舵をとれ! ⇒http://www.summit-rc.com/blog/2770/
■最低賃金のアップと生産性の向上http://www.summit-rc.com/blog/manage/228/
■最低賃金など考えるな!(1) http://www.summit-rc.com/blog/improvement/738/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (前編) ⇒www.summit-rc.com/case/2714/
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼ 業務改善の多くの 『成功事例』 を紹介しています。▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
■ コンサルティングの業務改善事例 ⇒http://www.summit-rc.com/case/genre/consulting/
景気が一時期よりも多少改善されつつあるという報道も聞かれますが、
単価などの下落幅が緩やかになった程度で、小売業全般には、まだまだ厳しい1年であるように思います。
新年度の売上高や荒利益高予算。そして、年間の経費予算。
エクセルなど、表計算ソフトのおかげで、年次や月次の予算作成が簡単に出来るようになりました。
しかし、営業利益の予算は、どうなっているでしょうか。
中小・零細企業に多くみられるのが、
売上高やの荒利益率予算の設定には時間をかけているけれど、
営業利益予算は、単なる数字合わせの結果、
「やってみなければ分からない」という会社が多いように思います。
人件費や販促費などの経費予算の設定はとなると、設定の意志を感じない場合が多くあるように感じます。
結果として、営業利益が低位または、赤字予算になっている状態が多いのではないでしょうか。
また、予算書作成自体、新年度前の儀式となっている会社も多いのではないでしょうか。
私は、業務改善のコンサルティングをさせていただいていますが、
指導が2年目になるクライアント企業のほとんどで、
営業利益の予算が前年伸長率200%というところは少なくありません。
当然それ以上の企業もたくさん有ります。
■新年度予算策定の意義と目的
新年度の予算の策定の意味は、次年度の目標設定にあります。
この一年で、どれくらいの営業利益を稼ぎ出すか。増やせるか。
そのためには、
何処の改善を優先的にやらなくてはいけないか。
そのためには、
この一年で、部下やチーム(組織)のスキル(能力)をどれくらいアップさせるのか。
この一年で、商品やサービスの付加価値をどれくらいアップさせるのか。
というような改善活動計画を同時に決める必要があります。
目標をハッキリ設定しているチームは強いのです。
目先を見つめてただ歩いている人と、
遠くに目印を決め、そこから目を離さずに進んでいる人では、結果が大きく違ってきます。
目印を決めている人は、真っすぐに無駄なく、効率よく前に進めますし、到達時間も早くなります。
■今期の必達目標は何でしょうか
売上高予算は、「目的」ではありません。
いくら売上が上がっても、
単なる安売りでつくった売上では、荒利益率を低下させ、場合によっては人件費や販促費などの経費を増大させてしまい、大幅な営業利益の低下を招いてしまいます。
特に、現状のデフレや過度の価格競争状態での商品単価の下落や、
景気低迷などによる顧客の買い控え、
また、商圏内での人口の減少など、
売上の上がりにくい条件下では、右肩上がりの時代の戦略では、非常に危険です。
「目的」は、営業利益の拡大であり、いくら出すかという「目標」を設定することです。
売上高や荒利益は営業利益を確実に出すための戦略上の「手段」です。
営業利益率が低い企業は、
目的と手段、
そして、
その目標設定を誤ってしまっている場合が多くあります。
「手段」である売上を何時までも「目標」にしていると戦い方を誤ってしまいます。
単なる無駄な安売り、それに伴う折込みチラシや人時投入ということになってしまいます。
また、荒利益率を高くする「目的」で、値入れ率を高くしようとすると客離れが起こります。
■目標達成のための手段と方法
営業利益(=荒利益高-固定経費)を最大化するためには、どういう手段と方法をとるのかを確実に決めることです。
営業利益を拡大させる方法は、
まず、荒利益高を「増やす」こと、
そして、
無駄な経費を「減らす(下げる)」ことです。
基本的には、この「2つ」です。
そして、経費はあくまで無駄なものを減らし、
戦略的な部分には計画的に投入して(増やして)、それ以上の荒利益高を稼ぎだすことです。
経営の資源は、
「人」、「物」、「金」、そして、「情報」です。
また、これらに絡んで来るのが「時間」です。
投入した、「人」、「物」、「金」、「情報」がどれくらいお金を稼ぎ出すか、儲けにつなげることが出来るかで、勝負は決まるのです。
「人」を安く使うことでも、
安い「物」だけを売ることでも、
「金」を単純にケチることでも、
ないのです。
「情報」がお金を生む時代です。
積極的な情報収集活動と、お客様への価値ある情報提供が、会社の利益に繫がります。
例えば、お客様は、商品が高いから買わないのではなく、
「買う価値やニーズを感じない」から買わないのです。
価値を感じられる情報提供やサービスがあれば納得して、お金を払います。
■目標達成するためのリーダーシップと人事考課
営業利益が増えれば、
従業員への報酬を増やしてやれます。
自ずと現場の士気が上がります。
営業利益が増えれば、
改装をして、綺麗な店にすることが出来ます。
コモディティ(一般大衆品)化した商品は、安く提供することが出来るようになります。
強みの出せる部分(戦略分野)に、お金や人を優先的に投入できます。
顧客に喜んでもらい、来店客が増えます。
そこで必要なのが、リーダーシップです。
1.戦略やコンセプトやルールの設定
2.目標値(必達目標)の設定
3.2を実現するための合理的で無駄の少ない実行計画
4.3の実行のための最適化組織づくりと実行責任者選任
5.各項目の到達時期、レベルの設定
そして、実行部隊が成功できるように、確実に適時フォローをするのがリーダーです。
また、リーダーは、マネジメント・スキルアップのための自己への投資が最も重要です。
【お役立ち:関連記事の紹介】▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
■生産性の向上に舵をとれ! ⇒http://www.summit-rc.com/blog/2770/
■最低賃金のアップと生産性の向上http://www.summit-rc.com/blog/manage/228/
■最低賃金など考えるな!(1) http://www.summit-rc.com/blog/improvement/738/
■会議の生産性アップで、スーパーマーケットが変わる! (前編) ⇒www.summit-rc.com/case/2714/
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼ 業務改善の多くの 『成功事例』 を紹介しています。▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
■ コンサルティングの業務改善事例 ⇒http://www.summit-rc.com/case/genre/consulting/